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錬金は大変だった

翌日は、譲をチャラ男ことリストに預け、俺は錬金に専念する事にした。


一日中大釜をかき混ぜ続けるのは思ってた以上に体力も気力も使って大変だ。


ゲームで疲労値がメキメキ上がっていくのも納得のぐったり感。明日は譲にも錬金のやり方を教えて、交代で錬金出来るように持っていくしかないな、こりゃ。



「ただいまっ!」



ベッドでぐったり横になっていたら、譲が元気いっぱいで帰ってきた。なんだこの満面の笑顔。


毎日ケンカで生傷作って、仏頂面で帰って来てたヤツとは思えないんだがマジで。



「リストな、あいついいヤツだった!」



相当楽しかったんだろう、輝かんばかりの笑顔が眩しい。


確かにリストは騎士なだけあって、見かけのチャラさに反してフェミニストだからなぁ。そこんとこは信用して譲を託したわけだし。



「ああ良かったな、次に行く時にも護衛を頼むといいよ。ミランダ姐さんより安心だろ?」


「あの女とは比較にならねー! まぁちょっとウザいトコもあるけど、基本いいヤツだからな! いいダチになれそうな予感がするぜ」


「そりゃ良かった。……おい譲、お前言葉が戻ってるぞ」



バリっバリの男言葉に戻ってやがる。ミランダ姐さんに次会った時に酷い目に遭うぞ?



「当たり前じゃねーか、何であの女もいねーのに、気持ち悪りぃ女言葉使わねーとなんねんだよ」


「……」



うん、決めた。明日は予定変更で、ミランダ姐さんから教えて貰った新しい採取場所へ行こう。


もちろんミランダ姐さんも交えてな。




そんなこんなで4日目は、総勢4名で『フェルゼン渓谷』なる採取場所にやって来ている。


村から徒歩半日、モンスターもさほど強くないお手軽さな上に、すり潰すと研磨剤が出来るフェルゼンと呼ばれる岩石が豊富に採取出来る場所だ。


しかもフェルゼンや研磨剤、そこから派生する紙ヤスリなんかは初期の依頼も頻繁に舞い込むから、早くからここで採取出来るようになっていれば、序盤はかなりスムーズに進められる。


かなりオイシイ採取場所なんだ。


まさにミランダ姐さん様々って事で、譲と俺とミランダ姐さんの3人で行くつもりだったんだけど、飛び入りが発生した。


俺の天使、キャッシュちゃんと出会ってしまったんだから仕方がない。


村から出ようとした瞬間、鴉の濡れ羽色の美しい黒髪をかきあげながら颯爽と現れた時には心臓が止まるかと思った。


スレンダーで均整の取れたプロポーション、ミニスカートから伸びる華奢な生脚、腰に手を当てまっすぐに視線を合わせてくる勝気な瞳……うん、天使だ。


それも武闘派の。

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