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Vivid World〜彩られた世界〜  作者: 竜音(ノンイン)
双子の魔導師・ルリ&リル編
10/30

3.ギガコックローチ



──ウィザード・グレイヴ・1F



「中はけっこう普通だね?」

「まあな。っと、来るぞ」



 壁を見ながら歩くルリにユウヤは答え、前方を見ながら構える。


──ガサガサガサ……



「「ヒィッ?!」」

「『ギガコックローチ』だな。このダンジョンに現れるモンスターでは珍しく魔法耐性のないモンスターだ。ただし……」



 ガサガサと足音を立てて現れたのは通常の約100倍はある巨大なゴキブリだった。

 現れたギガコックローチの気持ち悪さに、ルリとリルは短い悲鳴をあげる。

 ギガコックローチ、このモンスターは攻撃に対してなにも耐性を持っていないが、見た目の気持ち悪さと、倒しても経験値が低いことから会いたくないモンスターランキングでベスト3に入っており、女冒険者からはG、またはMU☆SI野郎などと呼ばれている。

 そしてユウヤの言葉が言い終わる前に……


──ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサ…………


 ギガコックローチが大量に群れで現れた。



「……ただし、1匹いたら30匹はいると言われるほどに群れで現れる」

「「うわぁぁぁあああぁああぁあ?!」」



 現れたギガコックローチの群れにルリとリルは叫び声をあげた。

 その様子をユウヤは耳を塞ぎながらやれやれといった表情で見ている。

 そんな3人のもとにギガコックローチの群れはガサガサと足音を立てながら接近していく。



「はぁ、あまり近接攻撃はしたくないな。アイテム。右腕装備『(スノウ)(ドライブ)(ギア)』、左腕装備『風牙狗ふがく』」



 言いながらユウヤは一歩踏み出し、2丁の銃を呼び出す。

 SDGと風牙狗、どちらも銃に属性が付与されており、引き金を引くだけで属性攻撃をすることが可能だ。

 銃系の武器の中では中の上ほどのレア度である。

 〝銃撃士〟と言う職業も有るにはあるが、銃は射線軸の調整や反動を殺しきれなければダメージを受けるなどもあるので、〝格闘士〟ほどではないがあまり人気はない。


──ザザザザンッッ!!


 そして、ユウヤはギガコックローチに風牙狗の銃口を向け引き金を引いた。

 風牙狗は銃口の代わりに三日月のような物が縦に取り付けられており、そこから風の刃が連続して放たれる。

 放たれた風の刃はギガコックローチの群れに当たるとギガコックローチたちを何匹も巻き込んで切り裂いていった。

 それでも切り裂けたのは全体の4割ほどで、ギガコックローチたちの進軍が止まることはない。


──ドンドンドンッッ!


 さらにユウヤは、SDGの銃口をギガコックローチたちに向けて引き金を引いた。


──ピキ、ピキピキピキ……


 直後、SDGの放った弾丸の着弾点から周囲が凍りついていき、ギガコックローチたちを氷の彫像へと変えていく。

 やがて、残りのギガコックローチたちが全て氷の彫像へと変わり、亀裂が走る。

 全ての彫像に亀裂が走ると彫像はガラガラと音を立てて崩れていった。



「1方向からのみの敵で風牙狗12、SDG18……。風牙狗は横向きにして撃てば広い範囲を狙えるか。SDGは着弾点から広がる凍結に触れるだけでも効果あり。どちらも反動がないのは良いな」



 光の粒子となって消滅していくギガコックローチを気にも止めずにユウヤは2丁の銃を見る。

 ユウヤの持つ風牙狗とSDG、この2丁の銃はごく最近モンスターがドロップした物で、今の今まで使う機会がなかったのだ。

 ちなみに、この2丁はどちらも撃った反動がない代わりに撃てる属性が1種類だけのため、レア度が中の上ほどであっても手に入れようと考える冒険者は少ない。



「お、終わった……の?」

「まあな。奴等は耐性を持っていない、見つけたらすぐに攻撃しろ。〝魔導師〟の〝魔法スペル〟だったら簡単に一掃できるはずだ」

「……分かった」



 青い顔をする2人にユウヤはギガコックローチの対処法を教える。

 ユウヤの言葉に2人は頷き、杖を握りしめた。

 そして、3人は再び歩みを進めていった。



   ‡   †   ‡



────ウィザード・グレイヴ・B3F



 ときにルリが落とし穴にはまり、ときにリルがユウヤごとモンスターを吹き飛ばそうとしたりと、騒々しくも3人はB3Fへと辿り着いていた。



「……さっきもそうだが、なぜ避けられる」

「故意に狙っていることを怒るべきか? まあ、いい。避けられるのは装備のお陰だ」



 睨むようにしながら尋ねるリルに、溜め息を吐きながらユウヤは答える。

 ユウヤの言葉に2人はユウヤの装備を見た。



「〝付与能力アビリティ〟……?」

「ああ。頭、身体、腕、腰、足の全てに〝付与能力〟が付いている」

「頭?」

「ん、髪に混ざっていて見えなかったか」



 不思議そうなルリの言葉にユウヤは髪の毛から黒い羽根の様な飾りを外して見せた。



「これの名前は『いやしの黒羽くろは』。毎秒体力を150回復する〝付与能力〟付きだ」

「毎秒150は微妙だね? そのLVじゃあ最大体力の10分の1もいかないんじゃない?」

「そうでもないさ。身体装備は『リヴァイスガルド』。装備者の体力が100以上のとき、どんな攻撃を受けても1残る〝付与能力〟だ」

「ッ! ……つまり、お前を倒すなら1秒間に2回攻撃しろと言うことか」



 ユウヤのあげた2つの装備にルリとリルは驚く。

 それもそうだろう。

 1秒間に連続して攻撃を行える〝武技アーツ〟は、今のところ〝剣士〟と〝格闘士〟くらいしか知られていないのだ。



「そして腕部装備は『黒限こくげん我力がりき─』。〝付与能力〟は装備者の体力を半分にして攻撃力を2倍にする」

「さっきの2つがあれば体力を気にしなくていいもんね」

「腰部装備は『天装守月てんそうしゅげつ』。〝付与能力〟は装備者の受ける属性ダメージを半分にする」

「防御も固いのか……」

「そして最後に『黒限─舞森むしん─』。装備者の体力を半分にして素早さを2倍にする。これは腕と同じ黒限シリーズだが」



 残りの装備を一気に話し、ユウヤは周囲を警戒する。

 ちなみに、ユウヤの装備している防具は全て、自力で素材を集めてきて作ってもらったものである。



「……体力を犠牲にしてかなりのステータスを上げているのか」

「基本的に体力を気にしなくて平気だからな」

「ひどい組み合わせだね〜」

「さて、と。休憩もできたし進むぞ」

「……ああ」

「うん♪」



 ルリの言葉をなかったことにするかのようにユウヤはダンジョンの奥を見る。

 そうして、ユウヤたちはさらにダンジョンの奥にへと進んでいくのだった。











・ギガコックローチ

モンスターの1匹。

通常の約100倍はある巨大なゴキブリでかなり素早い。

弱点は頭。

攻撃パターンは体当たりと噛みつき。

ステータス自体は大したことはないが1匹いたら30匹はいると言われるほどに群れで現れる。

攻撃に対してなにも耐性を持っていないが、見た目の気持ち悪さと、倒しても経験値が低いことから会いたくないモンスターランキングでベスト3に入っている。

女冒険者からはG、またはMU☆SI野郎などと呼ばれている



(スノウ)(ドライブ)(ギア)

職業〝銃撃士〟の武器。

水色が主体の拳銃。

握り手(グリップ)の上には歯車のように噛み合った氷の結晶が装飾されている。

スノーダストファルコンのレアドロップ。

付与能力名・〝コフィンバレット〟



・コフィンバレット

〝SDG〟の〝付与能力〟。

撃った反動はないが、氷結属性の弾丸しか放てない。



風牙狗ふがく

職業〝銃撃士〟の武器。

翠色が主体の拳銃。

銃口の代わりに三日月のようなものが縦に取り付けられており、銃身に獣の腕のようなものが付いている。

ウインドウルフのレアドロップ。

付与能力名・〝エアロブラスト〟



・エアロブラスト

〝風牙狗〟の〝付与能力〟。

撃った反動はないが、風の刃しか放てない。



いやしの黒羽くろは

頭部装備の防具。

黒い羽根の様な飾り。

付与能力名・〝黒羽くろは加護かご



・黒羽の加護

〝癒しの黒羽〟の〝付与能力〟。

装備者の体力を毎秒150回復する。



・リヴァイスガルド

身体装備の防具。

黒のノースリーブのような防具。

付与能力名・〝くいしばり〟



・くいしばり

〝リヴァイスガルド〟の〝付与能力〟。

装備者の体力が100以上のとき、どんな攻撃を受けても1残る



黒限こくげん我力がりき

腕部装備の防具。

二の腕から指の第2関節までを包む黒い手袋のような防具。

付与能力名・〝薄身之痛撃はくしんのつうげき



・薄身之痛撃

〝黒限─我力─〟の〝付与能力〟。

装備者の体力を半分にして攻撃力を2倍にする。



天装守月てんそうしゅげつ

腰部装備の防具。

腰のベルトから地面に着かない長さのマント、前面には盾のような形状の布が垂れている防具。

付与能力名・〝四重しじゅうちから



・四重の力

〝天装守月〟の〝付与能力〟。

装備者の受ける属性ダメージを半分にする。



・黒限─舞森むしん

足部装備の防具。

長い靴下とブーツのような防具。

付与能力名・〝薄身之加迅はくしんのかじん



・薄身之加迅

〝黒限─舞森─〟の〝付与能力〟。

装備者の体力を半分にして素早さを2倍にする。







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