【起】星の数程
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
これだけ書いてもブレるんだよなぁ……。
兄さんもプロットからブレそうだし、その度に頭抱えて、叫んで、其れでも何とかしてそうな。
妹の簡素なプロットを見た時に思った事。本当にこの子は長編に手を付ける気なのか? である。
長編に手を付けるに当たって大切なのは構成力である。長く続く物語の流れを把握し、どこで山場を作るか。そして其れに向けて登場人物にどの様な動きをさせるか、イベントを挟むか。これが非常に重要になってくる。そして其れを把握する為にプロットが存在している。
初心者程、プロットの重要性を理解していないが、其れは大きな間違いである。話の流れを自然かつ円滑に回す為、相応に作り込まなければ途中で投げ出してしまう。
彼女が作ったのは話の大まかな起承転結でしかない。この起、承、転、結の中でもそれぞれ入れ子構造で起承転結が存在する。より細かく書くならば、同様に起承転結を闔閭する。そこまで綿密に書き留めて、漸く基盤が出来上がる。長編に移れる。
けれども、あのまま当たったら、話の流れが把握出来ずにきっと投げ出してしまうだろう。それこそ、あの時、彼女が未完のまま放り投げた様に。
と、此処まで言いたいことをその場で吐き出そうと思ったが、妹の声に遮られてしまった。そしてそれこそ、あの子の真髄だとも感じた。つまり彼女に入れ込み過ぎたのだ。
彼女には彼女のやり方があって、其れは私のやり方では合わないかも知れない。ずっと教えた通りに従順だったので、あれやらこれやらと指示を出しては来たけれど、それだってあの子に相応しい指導だと、能力を伸ばせる教えだと、一体誰が分かるのだろう。
だから一度躊躇ったのでは無かったか? あの子の創作物に責任がある持てないと。何の泊もない自分には出過ぎた真似だと。
「はぁ……」
そんな気持ちを落ち着かせようと、逃がそうと、思わず溜め息が出る。すると其れを見ていた妹が、申し訳無さそうに頭を垂れる。
「本当にごめんなさい。我儘を言って……。でもこれだけは……」
「わかってるよ……。好きにしなさい……」
星の数程性格がある様に、やり方も異なる。ならば暫く待つことにしよう。彼女がそのやり方が会わないと叫ぶまで。助けて欲しいと願うまで。
言葉では分かりにくい、兄さんのプロット作成。
所謂、ツリー式
大-起
起
承
大-承
起承転結
大-転
起承転結
大-結
起承転結
繊細なメンタルを持つお兄様の悩み。
以前其れで失敗してるじゃん!!
其れで投げ出したら前と同じじゃん!!
自分を頼ったのはただのはったりかよ!!
でも人の数ほど教えた方はあるし、自分の前で叫ぶほど、何かしらの策はありそうだよなぁ……。
じゃあ少し待ってみよう。
駄目だったら、また助言出そう。
合ってるかは分からないけれど。
そんな状態。気を揉みすぎて、溜め息が出ちゃう。
前と違って怒ってる訳では無さそう。
本当にガチギレするのは、妹が長篇ほっぽり出して、
『もうやる気ないから。やっぱ長篇クソだわ』
なんて何でもない声で言った場合。
それこそ平手打ちレベルですよ。胸ぐら掴むレベルですよ。
『お前、二度と筆持つな。二度と創作するな。二度と戻って来るな。そして一生お前を軽蔑し続ける』
くらいは悔しげに言うぐらいです。
お兄様は繊細なのです。だから描写も脆く繊細。