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捨てられる予定の皇妃ですが、皇帝が前世の推しだと気づいたのでこの状況を楽しみます! 関連話  作者: 池中織奈


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「兄上、働きすぎじゃない? 俺達とあそぼー!!」

「兄上だ!」

「兄上、今、何しているの?」



 元気よくそういって皇太子であるヴィダディに近づくのは、六歳の双子皇子である。

 ロッツィオとルッツィオは美しい銀色の髪と、黄色の瞳を持つ美少年である。それでいてやんちゃな子供だ。



 この二人は皇帝夫妻の子供達の中の末っ子であり、兄と姉達のことをとても慕っている。

 そういうわけで今日も城内で見かけた兄に突撃する二人であった。十四歳の皇太子ヴィダディは、父親譲りの作りもののような美しさを持つ少年に成長していた。



「ロッツィオ、ルッツィオ」


 氷の皇子などと囁かれているヴィダディであるが、弟たちのことは大変可愛がっている。なので表情をほころばせている。



「これから執務室に行くんだ」


 皇太子として、皇位を継ぐための勉学にヴィダディは励んでいる。双子皇子からすると、いつもヴィダディは忙しそうにしている。自慢の兄であるが、そんなに働いてばかりで身体を壊さないかとは心配していた。




「兄上、働きすぎじゃない? 俺達とあそぼー!!」

「そうだよ。兄上、俺達は一緒に遊びたいの!!」


 そう言って元気よく提案をするのは、ヴィダディに息抜きをしてほしいというそんな思いからである。

 この双子皇子、身体を動かすことが好きで何も考えていないように第一印象は見えるのが結構ちゃんと考えていた。


 ヴィツィオはちらりっと傍に控えている文官に視線を向ける。

 この申し出を受けていいのかを判断は念のため大人に確認したかったのだろう。

 頷かれたので、ヴィダディは弟たちの申し出を受けることにする。




「ああ。なら、行こうか」

「やったー!!」

「兄上、何したい? どこ行きたい?」



 ヴィダディの言葉を聞いて、双子皇子は無邪気に微笑んだ。


 ロッツィオとルッツィオは、威圧的な一面もあったり、やんちゃな面も当然ある。だから他の者達には冷たい視線を向けることもあるが、兄には大変素直であった。

 特に双子皇子付きの使用人はそのことを余計に実感していた。双子皇子は、家族の前では大変素直な子供であった。



「そうだな。庭園でも歩くか?」

「うん!」

「行きたい!」



 兄の言葉ににっこりと笑った双子は、さし伸ばされた手に自分の手を重ねる。そして手を繋いだまま兄弟達は歩き出す。



 庭園が綺麗に整えられているのは、皇妃であるマドロールが花が好きだからだ。

 ロッツィオとルッツィオは母親や姉達ほど花というものには興味がない。ただしそんなことを言って母や姉達を悲しませるものならば父親や兄に怒られてしまう。それに本人達も大切な家族を悲しませたくないのでそんなことは言わない。


 どちらかというと二人にとって花よりも、庭園内に居る虫を捕まえたりする方が興味がある。




「兄上が一緒だと、侍女の視線凄いよね!」

「兄上、パーティーでもモテモテなんでしょ」



 そんなことを言って兄を見る双子は、ヴィダディと違って異性を苦手にしているわけではない。



「煩わしいだけだ。それにしてもパーティーになんて参加したことがないだろう? 誰に聞いたんだ?」

「侍女達に聞いたら教えてくれたよ。それに、お城に来る子供とかに聞くと、兄上のことかっこいいーって言っている人多いよ?」

「兄上、父上に似てかっこいいもんね。見た目もかっこいいし、立派だから、俺達も兄上のこと好き!」




 呆れたように問いかけるヴィダディに、二人は元気よく答えた。

 そんな気持ちを言う二人にヴィダディは優しい笑顔を浮かべる。弟達から慕われて、ヴィダディは満足気だ。


 両親の愛を十分に受けているヴィダディは、その分、弟妹達に深い愛情を抱いている。言ってしまえば重度のシスコン、ブラコンであった。

 弟たちのことも大変可愛がっている。




「二人も社交界に出るようになったら、多くの女性に囲まれるだろう。その時は気を付けるんだぞ」

「兄上がそこまで言うほど?」

「そんなに気をつけなきゃならないの?」


 双子たちは不思議そうな表情だ。

 彼らにとっては偉大で尊敬する兄がなぜ女性に気を付けた方がいいというか分からない。



「ロッツィオとルッツィオは今は可愛いが、大人になれば美しく育つだろう。そうなれば肉食獣のように襲い掛かられる場合がある」


 そう言って注意をする兄に、双子は真剣な表情で頷くのであった。



「そうなんだ。兄上がそれだけ注意をするなら、ちゃんと気をつけないと」

「兄上はどんな人と結婚するの? 可愛い子いる?」

「今の所、気になる女性は居ないかな。ただ、父上と母上みたいな夫婦にはなりたいけれど」


 興味本位で問いかける双子に、皇太子はそう答えた。



「父上と母上、ラブラブだよね」

「俺達も結婚するならああいう夫婦がいいなー」


 双子は兄の言葉に同意する。

 この兄弟達にとって、両親は尊敬する相手である。それに常日頃、年がら年中いちゃついている二人を見ているとそう言う夫婦に憧れるのも当然であった。




 そうして兄弟達はしばらくの間、庭園を散策しつつ、会話を交わすのだった。

 今日も皇帝一家は大変仲睦まじいのであった。


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