22話 海の家でのアルバイト
山を越えた先、一面に広がる青い海。海面をギラギラと輝かせる太陽の光。
潮の香りが風に乗って漂ってくると海辺は人ではなく妖怪で溢れ返っている。
世間一般では日本はまだまだ春の季節なのだが、波山羊町では既に夏の季節。
当然、海水浴を楽しむ者も増えてくる訳だが、波山羊町に住む人間は殆どが老人で、山を越えてまで海に行こうとは誰一人として思わない。車道がない山なら尚更。
子供たちも近くにある市営プールや自宅の庭に設置したビニールプールでワイワイ燥いで満足する為、波山羊の人間で海に行く奴は大体が変態。
そして自らの足で山を越えた変態春夜は、妖怪が独占した海辺に来ていた。
もちろん彼は泳ぎに来たわけではない。
華火が経営するレストラン『ぴょんぴょんラビット』を夏の間だけ海辺にも展開するという事で、春夜は海の家の従業員として働きに来ていたのだ。
故に春夜の格好は店から支給されたロゴ入りのTシャツと自前の黒い海パンにビーチサンダル。そして頭には白いタオルを巻きつけ職人スタイルで客の対応に追われていた。
「──あい、2000円ちょうど頂きまーす。『毛羽毛現のすね毛焼きそば』二人前とコーラ二つ入りましたー」
覇気のない声で客から銭を受け取る春夜は、真後ろの鉄板で調理をしている糸南水月に注文を伝える。
彼もまた春夜と似たような格好をしていて、何故無職でもない水月が海の家を手伝っているのかと疑問に思うところだが、彼はただ単純に春夜に呼び出されて強制労働をさせられているだけという。
「えっ、またすね毛焼き!? もう何百回と同じ物作ってるんだけど!」
「仕方ねえだろ。妖怪の馬鹿どもは毛羽毛現のすね毛が大好きなんだから。たしか全身美白の効果がある上にママのミルクの味がするんだっけか? 世の妖怪達は母親の愛に飢えてんだよ。触れてやるな」
「今から海で泳ぐっていうのに全身美白って…………それに毛羽毛現のすね毛、在庫がもう無いんだけど」
「在庫が無いなら自分の髪でも抜いて入れとけ。お前の髪、白いから食べれば肌も白くなるだろ」
「なにその安直な考え。そもそも僕の髪、ママのミルクの味しないし」
白色の物を取り入れれば体が白くなるなんて、今時の小学生でも考えない解決策を提示してくる春夜に、苦笑を浮かべる水月は無論自身の髪を食材にするのを断った。
「ったく、しょうがねえ奴だな……だったら、子町! お前、今からバリカンで自分の頭剃って食材提供しろや!」
水月の隣に立っている同じく調理係の口裂け女こと尾野々子町に、心なき言葉を吐き捨てる春夜は周囲の音にかき消されないよう必要以上に声を張っている。
上に店のTシャツ、下にデニムショートパンツを履いた子町は髪が鉄板に触れないよう一つ結びにしており、彼女は鋭い眼光を春夜に向けると、バッドサインを送っては水月と同様に断る。
「アタイらがやる前に先ずは春夜がお手本を見せろよ」
「は? 嫌だよ」
「コイツ……自分以外には好き放題命令しやがって」
自分がされて嫌なことを平気で他人に押し付ける春夜の態度に早速腹が立ってしまう子町は、冷蔵庫からモズクの入ったパックを取り出すと、油を引いた鉄板の上に豪快に中身をぶちまけ、更にその上に麺を乗せるとヘラを使って炒め始めた。
「モズクをすね毛代わりにするのか……見た目も味も多少変わるがまあ騙せるか」
「お金受け取ったのにお客さん騙しちゃ駄目でしょ」
「偽善はいいんだよ水月。どうせ客共も海辺で飯を食うのが好きなだけであって、味なんて誰も気にしちゃいねえよ」
「あー、縁日の屋台で食べるたこ焼きや綿菓子がいつもより美味しく感じるみたいな?」
「つまりはそういうこと。ここの連中は頭バカな上に舌もバカだからな。木の枝食わせて、『これは焼きそばです』って言っても簡単に信じるぞ。バカだから」
「いくら何でもそこまで酷くはないでしょ。あと春夜くん……お客さん聞いてるからバカって連呼するのはやめよっか」
夏のビーチに来るリア充は人間も妖怪も揃いも揃って馬鹿しかいないと、完全なる偏見を持った春夜。
客が正面に居るというのに、堂々と客の悪口を発する春夜は二人の妖怪のお姉さんに蔑視されている。
「……水月、今すぐ客に謝罪しろ」
「何で僕!?」
「俺の謝罪はどういう訳か、相手を必ず怒らせるからな。こういうのはお前が適任だ。自慢の爽やかスマイルで女を落とせ」
「笑顔で相手を落とすって……もうそれ謝罪じゃないよね」
春夜の顔でも十分女を落とすことは可能なのだが、目の前のお姉さん達は春夜の性格の悪さを既に知ってしまった。
これから挽回する為の台詞を考えるよりも、水月の顔を使って女の機嫌を取る方が手っ取り早いと考えた春夜は、半ば強制的に立ち位置を入れ替えると白髪王子が表に出ることとなってしまう。
「子町、モズク焼きそば完成したか?」
「そんな直ぐに出来るわけないだろ。あと1、2分はかかる」
「そうか。で、あのウサギは何処に行きやがった。店長のくせに突然居なくなりやがって」
「店長はここに来た娘さん(?)と合流しに店を一旦離れたけど……春夜、店長の話まともに聞いてないだろ」
「周りがうるさ過ぎて華火の声なんか耳に届かねえよ。それにアイツの娘がここに来てるって……まさか店に連れてきたりしねえよな」
華火の娘であるデコボコ姉妹と殴り合いをしてからそんなに日も経っていない。
避雷針に括り付けられた春夜は雷に打たれて失禁までした恨みをまだ持っている為、ボコはともかく、デコの顔は本当に見たくない。
「春夜は店長の娘さんにもう会ったんだろ? どんな感じだった? やっぱり店長に似て、全身がもふもふしてる感じか?」
「いいや、全然もふもふじゃねえぞ。どちらかというとゴリゴリ系のチビ猿だな。お前と違って力にモノを言わすタイプの奴が一人と、あとはマジの天使が一人いる」
「え、二人? 店長の娘さん、二人も居るのか? へえ、ますます会ってみたくなるな」
そうこうしている内に『毛羽毛現のすね毛焼きそば』改め、『ただのモズク焼きそば』二人前を完成させた子町はプラスチックの容器に詰めてゴムで止めると水月にそのまま手渡した。
「──お待たせしました! 焼きそば二人前とコーラ二つですねー!」
この短時間で一体どのようなマジックを使ったのか、春夜が怒らせた二人のお姉さんは水月の対応で上機嫌になると、彼から商品を受け取ったお姉さん達は満面の笑みを浮かべている。
「ありがとね、お兄さん!」
「あの黒毛バカより、お兄さんが客の対応した方がいいんじゃない? お兄さん、優しくてカッコいいし」
「あ、あはは……どうも」
流石に友達が悪く言われているこの状況で素直に喜ぶことができない水月は、春夜の視線を気にしつつ今の客を見送ると、続いて客として現れたのは前髪が凸凹したチビっ子の姉妹。
「おっ、いらっしゃい! 姉妹仲良くおつかいかな?」
「おつかい? アンタ、はっ倒すわよ」
「……私たち、小学生じゃない」
身長が170近くある水月と130以下しかない彼女らの身長差はあまりに大きく、小さな子供がおつかいに来たと思い込んでいる水月は笑顔で迎えるのだが、この姉妹は今年2年生の女子高生。
つまりは春夜が嫌うデコと春夜が好むボコなのだが、見た目でガキと判断した水月に姉妹は揃って不満げな顔を浮かべている。
春夜が店に来て欲しくないと願った矢先、客として現れるとは……
「おっと……小学生じゃなくて中学生だったかな? ごめんね、お兄さん勘違いしちゃった」
「中学生? アンタ、前歯へし折るわよ」
「……私たち、中学生じゃない」
「えッ!? あ、あれ……だったら幼稚園児?」
中学生でもギリギリ見えるか見えないかの境目を彷徨っているのに、高校生の外見では流石にないだろうと判断した水月は逆をいってデコボコを幼稚園児として見ると、後ろで必死に笑いをこらえているのは夏出春夜。
たしかに今の彼女らは幼稚園児が着るようなフリフリの水着を着用し、デコが赤色、ボコが水色とそれぞれ好きな色を選択している。まさか従業員から5歳児の扱いを受けると想定していなかったデコは履いていたビーチサンダルの片方を水月の顔に投げつけた。
「誰がチビィじゃい! 私たちは正真正銘の高校生だ!」
「あいだッ! ……ち、チビなんて一言も言ってない」
威力を殺して水月の額にビーサンをぶつけたデコは、彼が一般男性で何処かのオッドアイ馬鹿と違うことを一応は弁えていた。
この相手がもしそのオッドアイ馬鹿であったなら、脳天をぶち抜く勢いで彼女はビーサンを投げていたであろう。
「──おいチビガキ。店の中にサンダル放り込むんじゃねえ」
いくら桁違いのイケメンでも、男を顔で見ないデコを相手にするのは骨が折れるどころか骨が粉々に砕け散る為、春夜は床に落ちたビーサンを拾い自らの意思で前に出ると、デコの頭にサンダルの底を擦り付けては彼女の頭髪を砂まみれにする。
「げっ、夏出春夜……」
春夜の顔を見るや否や、顔を引き攣らせるデコ。
対してボコは春夜に受けたワサビームを思い出したのか、むすっとした表情でそっぽを向いている。
「数日ぶりだなボコ。元気にしてたか?」
「……お兄さんは誰ですか」
「あ、あははー、冗談キツイなぁボコ。鼻に山葵詰められた事、まだ根に持ってんのか?」
「……お兄さんは誰ですか」
「おお、リピート機能が搭載されたか」
あれほど優しかった愛しのボコが同じセリフしか発さないNPCのような方法で拒絶してくるとは……
却ってボコの拗ねた姿が可愛く思えてきた春夜は、少女の頬をさすろうと身を突き出して手を伸ばしたのだが、春夜は既に前科あり。
前回同様、妹を危険な目に遭わせる可能性のある春夜に警戒心を急激に高めたデコは、男の右手にがぶりと噛みついた。
「──いッだあァッ!! いきなり何しやがんだクソデコ!」
「私の妹はお触り禁止ですので」
「ボコに触れるのに何でお前の許可がいんだよ!?」
「アンタがまたボコを泣かす可能性があるからでしょ」
「だからって俺を噛む必要はねえだろうがッ!」
口は口でも言葉の方ではなく物理的な攻撃をしてきたデコの歯茎を左手の爪で抉る春夜。
デコは『あぎゃあッ!』と、痛みによる叫び声をあげては春夜の右手を離すのだが、自由になった男の手には少女の唾液がだらりと付着し、ついた歯形からは真っ赤な血が滲み出ている。
「……この娘達、春夜くんの知り合い?」
「知り合いっていうか、コイツらが華火の娘だぞ」
「え? 華火さんって、僕の知ってるあのウサギの?」
「そうだ。種族が全く違えが、そうだ」
初見で誰もが驚愕する華火とデコボコの関係性。
ウサギの子供が人の姿をした少女だと知った時、春夜は白目を剥いて昏倒したが、華火とそこまで深い繋がりのない水月は目を丸くするだけで済んでいる。
ここまであっさりした驚き方をされると、過剰なリアクションをとった自分が恥ずかしく思えてくる春夜。
すると頭に巻いていたタオルで右手の止血に励む春夜と、口を半開きにして驚く水月を押し退けて、前に出てきたのは目を輝かせる子町。
「店長の娘さん……すっごく可愛いじゃん!! え、どっちがチビ猿でどっちが天使?」
「おいクソったれ春夜! お前、この口裂けに余計なこと吹き込んだな!」
チビ猿というワードが聞こえた瞬間、片耳をピクリと動かしたデコは直様春夜の方に顔を向けると少女らしからぬ形相で睨み付け、猿のように叫んだ。
「そういうところがチビ猿なんだろ。というか保護者はどこ行った。とんでもない問題児を野に放ちやがって」
「──私ならここに居ますよ、春夜」
娘と合流しに店を出たはずの華火の姿が一向に見えない事に触れた春夜。
彼は唐突に聞こえてきた馴染みのある声の方に視線を移すと、そこには冷蔵庫につけられたマグネットのようにピターッとボコの背中に張り付く華火の姿が確認できた。
「何やってんだアンタ」
「見ての通りデコとボコがナンパをされないよう、娘に張り付いているのですよ」
「いや、気持ち悪いな」
「私の娘を口説き落とそうとする者の方がよっぽど気持ち悪いですよ。勿論、貴方のことですが」
「ボコのこと言ってんのか? だったら遅かったな。俺とボコは出会ったその日に婚約したから、今更父親が出しゃばったところで俺たちの愛は壊せないぞ。諦めろ」
「「「────ええッ!?」」」
春夜によって娘が口説かれるのを警戒する華火は恐らくあの台風の日に起きたデコボコとハルヤの醜い争いの一部始終を把握している筈。
たしかにあの日春夜はボコにプロポーズをし、物の見事に振られたが、その事をなかったものとするどころか成功したと言い張る男は実に気色が悪い。
水月と子町、そして何故か当事者のデコが彼の発言に口を手で塞いでショックを受けると、ボコは首を横に激しく振って婚約は春夜の妄想と主張する。
「ボコと婚約ですか……でしたらその事を直ぐに美春にも伝えて祝福しなければなりませんね」
「おいそれは卑怯だろ!」
「卑怯……貴方にだけは言われたくない言葉ですね。ボコの意思を尊重もせずにいきなり婚約などとは……まったく春夜といい、グラサンアフロといい、ロクでなしが蔓延りましたねこの町も」
「グラサンアフロって……何でここでチビヤクザが出てくんだよ」
「何故と言われましても、そのチビヤクザとやらが先程デコとボコを口説いていたからですよ。ほら見てください『アレ』を」
上体をひねって後ろを向いた華火は、喧騒にまみれた浜辺を左前脚で指すと、そこにはサングラスを掛けた半裸のチビがデカいアフロを抱えて女妖怪に話しかけている姿が……
しかも下心丸出しのニヤついた顔の所為で、女妖怪に相手にされてすらいないチビヤクザの滑稽な姿があった。
これには春夜と水月のイケメンコンビは半目になって呆れ返る。
「アフロ先輩……女性であれば人間じゃなくてもいいんだ」
「見境ねえなアイツ。というかあんな奴と同じ扱いされてんのか俺は」
ナンパなどしなくとも黙っていれば自然と女が寄ってくる春夜と、ナンパをしても黙ってクールを装っても全く女が寄り付かないチビヤクザ。
そんな相容れない二人が華火の中で同じ線の上で並ばせられているとは……流石に納得がいかない春夜は不快そうな顔を露わにする。
「なあボコ、ゆっくり俺とお話しないか?」
「……お兄さんは誰ですか」
「あー、駄目だ。挽回する余地すらないなこれ」
「──ぷぷっ。女の子に無視される春夜とかマジでウケるな」
顔は全く違えど女に相手にされていない状況はチビヤクザと完全に被っていると、子町に嘲笑されてしまう哀れな春夜。
「それ以上その口を開いてみろ。お前の裂けた口を今以上に引き裂いて、カスタネットとして『天国と地獄』演奏すんぞ」
「そんな事したらアタイの歯並びが悪くなるだろ!」
「『天国と地獄』はそんなもんじゃねえぞ。歯はボロボロになる上、歯のかけらが舌を貫いて口内血だらけになるからな。演奏中は地獄のような痛みが走って、演奏後は天国行き確定だ」
『天国と地獄』という曲にはそんな意味が含まれていたのかと、自身が楽器にされることを恐れた子町は急いで口を固く閉じて両手を覆うと、春夜を小馬鹿にするのをやめた。
年上でありながら春夜の言いなりになるのは嘆かわしい事だが、己の命を救う為にも今は黙って言うことを聞くしかない子町は水月を盾にして隠れた。
「それで、お前ら注文決まってんのか? あまりにチンタラしてるから、長蛇の列ができてんぞ」
デコボコが現れてから既に5分くらいは経過しており、彼女らの後ろには何十組という数のお客が自分たちの順番が来るのを待ち望んでいた。
「ここで立ち話はまずかったですかね。ではデコ、ボコ、好きなものを好きなだけ頼みなさい」
「おおッやったね! んじゃ私は…………焼きそば、たこ焼き、唐揚げを全部明太子味で三人前。あっ、それと大判焼きのカスタードを五つ頂戴。ジュースは勿論アップルジュースね」
「……お前、チビ猿のくせに頼みすぎだろ。胃、破裂すんぞ」
「────私の胃はそんなに柔くないわよ!」
成長過程の子供はよく食べると聞くが、ここまで茶色い物を頼んでいるくせに身長がこれっぽっちしかないとは、何だか笑えてくる春夜は次にボコのオーダーを取った。
「私は、たこ焼きと春巻きが一つずつ……あとは苺のかき氷が食べたい。練乳たっぷりで……飲み物は水で平気」
「ボコは相変わらず甘い物が好きなんだな。あ、それと悪いんだが春巻きは今在庫を切らしてだな……『春夜巻き』なら用意できるんだが、それでも良いか? てかボコはそれが良いよな?」
「……え、じゃあ要らない」
「当店オーダーキャンセルできませんので」
「春巻きと春夜巻きは全然違う……だから、要らない」
「えへへッ……俺、ボコを絶対に離さないから」
何としてでもボコを我が物にしたい春夜は強引にオーダーを締め切ると、タチの悪いストーカーみたいな笑い声をあげて一同を一斉にドン引きさせる。
「で、会計はどうする? 今払うか、それとも後でアンタが自分でやるか?」
「私の許可していない商品の値段も含まれていそうなので、今払うのはやめておきます。あと、私の分の梅唐揚げを一つお願いできますか」
「はいはい、娘の前で鳥を食うんだな。この肉食ウサギめ」
「私は妖怪ですからね。人と同じで雑食なんですよ」
雑食といっても鳥を唐揚げにして食うウサギは不必要なギャップだろとまたもや難癖をつける春夜だが、そんな体裁は知らんと主張する華火は食に忠実なウサギ。
すると突然、冷凍庫からある物を取り出した水月は困惑した様子で春夜に声をかけた。
「……ねえ春夜くん。春巻き普通にあるんだけど」
「──余計なこと言うな、このバカ水月!」
己の身を捧げた『春夜巻き』をこれからボコに愉しんでもらおうって時に、水月によって躓かされる春夜。
水月はただ客に春巻きを食べさせてやりたいと思って行動したのだろうが、白髪頭を叱責する春夜は正しく理不尽。
どうせ『春夜巻き』などロクでもないモノだったのだろうが、春夜巻きではなく春巻きが見つかったと分かった途端、無垢な笑顔を向けるボコは波山羊町を代表する天使。