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第三話と決めておきます。まだ、決まっておりませんので。

転校生とのお話。

あ、昼休みになっていた。先程まで寝ていたのだ。気づかなかった、、、。さて、手を洗ってご飯を食べるか。お手洗いに行き、手を綺麗に洗って教室に戻った。

あれ、転校生が先程まで座っていたのにいない。

だが、私にとってはどうでもよかった。今、私が興味があるのは昼食だけである。さっさと席に着いて、昼食を食べようとした。

しかし、なんだか周りがうるさい。今日は、今朝からみんなのテンションが異様に高いのだ。ふざけるな。私は、静かに弁当を食べたいのだ。静かにゆっくりとそして、味わって食べたいと言うのにも関わらず、このようにみんながガヤガヤと今日は特にうるさいのである。きっと転校生のせいだろう。あいつが来たせいで朝からみんなは、気分が上がる、そして自然と話し声や動きが大きくなり、うるさくなるのだ。何たる影響力。転校生が来るとこうも変わるのか。しょうがない、特等席で食べよう。

そう思った私は、席を立った。颯爽とこのうるさい教室から出ると、私は階段を上がった。1段、1段、上がっていき遂には上への階段がない所まで上がってきた。行き止まりである。

しかし、ここには扉があった。そう、ここは屋上の扉である。私の特等席というのは、屋上のことだ。今日は、快晴でそよ風もある。こんなにいい天気なのに屋上で食べないはずがない。太陽の光にあたりながら、涼しいそよ風に当たる。そして、弁当を食べる。まさに最高な一時を送ることが出来るだろう。そう思い、扉を開けて1歩屋上に出た。もし、気持ちよかったらそのまま寝ようかなと微笑みながら思っていた。

そんな、期待は一瞬にして崩れた。私が、屋上を出て見えた景色には少し邪魔なやつがいたのだ。そこに居たのは、あの忌いましい転校生だった。屋上で突っ立っていて、遠い空を見ている。しかし、私は邪魔だと思った。一人でいたいのだ。他人はいらない。ましてや、さっき入ってきたばっかりの転校生だ。このままでは、私の幸せな一時が失ってしまう。何とか、こいつを追い出さなければならない。そう思い、口を開けた。

「転校生。そこで何をしているんだ?。」

その言葉に気がついた転校生は空に向けていた頭を下げ、私の方へ振り向いた。

「空を見ていたんだよ。とても綺麗な空だね。」

確かに今日は綺麗な快晴だ。だからこそ、そこをどいてもらいたい。だからこそ、私は、嘘を言った。

「そうか。まぁどうでもいいが。みんなが、君のことを探していた。一緒に食べたいそうだ。行って見たらどうだ?。」

それを聞いた転校生は、腕を組んで悩み始めた。

「うーーーん。どうしよっかなーーー。」

どうして、悩むんだ。ここは、私が一人でいたいのだ。早めに屋上からどこかに行って貰えると助かるのだが。

「やっぱ、やめとこ。」

え、、、。

「どうしてだ。みんなが君のことを探していたんだぞ。」

「だけど、ここ居心地がいいんだよね。さっきは疲れちゃったし、ちょっと休憩させてもらおうかな。」

「そ、そうか。」

クソ。負けた。負けてしまった。さっき入ってきたばっかりの転校生に私は負けたのだ。しかし、急にここで弁当を食べ始めると、とても気まずい。しょうがないが、教室に戻って食べるとしよう。今回は、私の負けだ、、、、。私は、振り返って扉を開けようとした。

「君ここで昼食、食べるんじゃないの?」

食べたい。そこで私は食べたいのだ。たが、貴様が邪魔だ。だから、撤退する。私は振り返った体をまた転校生に向けて言った。

「私は、たまたま君がここに来るのを見かけてついでに伝言しに来ただけだ。ここで食べる訳では無い。」

「そうなんだ。」

なんだか、悲しそうな顔をする転校生だ。私は何か酷いことを言ったのだろうか。いや、特に何も言っていない。勝手に悲しいんでいるだけに過ぎない。

「君さ、名前は何?」

唐突に質問が来た。

「優気だ。」

「優気さん。」

「さんじゃない。くんだ。」

「え、、、。う、うん。わかった、優気くん?はここで食べないなら、どこで食べるの?」

「今から教室に戻って食べるんだ。」

誰の所為だと思っているんだ。この転校生は。

「正直に言うとさ、少し教室がうるさく感じなかった?」

転校生は笑いながら喋った。何故か、私が思っていたことを喋りだした。本当に転校生っていうのは厄介だな。私はもう、諦めがついた。しょうがない。きっとこの転校生は、私を返す気がないのだ。

だから、私は正直に言った。

「そうだな。少しうるさいかもしれない。」

「だよね。だから、君もここに来たんじゃないの?」

やはり、その返答が来たか。この返答が来ると分かっていたから諦めたんだ。

「ばれたか。そうだよ。」

「やっぱりね。そっかぁ、もしかして僕がいるから帰ろうとしたの?」

クソ。痛いところついてくる。

「ま、まぁ、そんなところだな。」

「傷つくなぁ(笑)。優気は、人好き愛が嫌いなんだね。」

「そ、そうだな。」

こいつ、本当に正直に言うな。聞いてて痛い。耳が痛い。

「じゃあ、一緒に食べる?」

「えっ?」

ズキッ。

心が一瞬、今までで比べ物にならないぐらいの痛みがきた。だが、その痛みは、すぐに治った。しかしそれと反比例して、何故か心の鼓動が早く動いた。急にそんなことを言われたのだ。びっくりするに決まっている。戸惑いをなんとか隠して私は返答した。

「え、遠慮させていただく。」

私には、これが精一杯だったのだ。褒めて欲しいまである。

「ええ。がっかりするなぁ。」

そう言いながら、私の方へ近づいてくる。

すまないが、ここは速やかに退散しないと私自身がパニックになってしまう。早く帰りたい。帰宅したい。消え去りたい。だからこれ以上、私に近ずくな。

「す、すまないな。」

「ねぇ、どうして?」

そう言いながら、私の目の前まで来た。転校生は、私の目を見ながら、見下すように言う。転校生の表情は、ニヤリと嫌な顔をしていた。言っておくが、私は平均身長より少し低いんだ。だというにも関わらずこいつ、こんなに近ずきあがって殺す気か。やばい。そんなに上から見るな。キツイ。私の心はもう振動の域を超えた。ほぼ止まっている。どうしようか。この状況。やめてくれ。

「お、おい、ち、近ずきすぎだ。」

「それも、否定するんだ。」

そんなことをニヤリと笑いながら言ってくる。

転校生め、舐め上がって。そんなに私を見つめてくるなら、私だって見つめ返してやろうではないか。私はそう思い、転校生の上から見つめてくる瞳を見つめ返した。私は、今、転校生と見つめ合った。見つめ合うために上を向くと、転校生との顔の距離が近いのだ。しんどい。キツイ。緊張する。く、くそ。いつまで続けるんだ、、、、。

しかし、転校生はまた喋りだした。

「ねぇ、優気くん。一緒に食べる?」

それを聞いた、私は思った。一般的な質問には、はい、または、いいえを答える事ができる。肯定否定、yes or no、このように普通は二択の答え方があるのだ。しかし、この状況は違う。二択の答え方は可能だが、片方の答えを言えないのだ。答えてはいけないに近い。要するに、二択の選択から一つしか選べない状況にある。そのため、私はそちらにしか答えることができない。

「は、はい。」

「やっっと言ってくれたね。」

望んだ答えを言ってくれたからなのか、とても満足げな顔して一歩私から離れてた。

めっちゃ、緊張した。こんなに緊張したのはいつぶりだろうか。本当に焦った。

「ほら、早く食べよ。」

「お、おう。」

こうして私は、幸せの一時ではなく緊張の一時を過ごしたのだった。

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