夢人見つけ隊
中津は早速、夢人の情報を集めることにした。まずはネットで検索すると、夢人について書かれているたくさんの記事がヒットした。その中からいくつか厳選した記事を閲覧した結果、夢人が如何に曖昧な存在であるのかが改めてわかった。
夢人の見た目だけでもいろんな意見があった。たとえば、身長一九〇センチで細身の男性、身長一六〇センチで髪の長い女性、小学生くらいの見た目をした少女など、十人十色の意見があった。また、夢人に会える条件も、必死に努力しているとき、大きな壁にぶつかっているとき、困難な状況を乗り越えたとき、無心になっているとき、など様々だった。さらに、「あの人が夢人なんじゃないか」「〇〇先生がきっと夢人だ」「いやいや学園に住みついている猫が夢人なんだわ」などという憶測合戦もネットでは日常茶飯事のようだった。
どれもありきたりで、面白がっている人が適当に考えたような内容に見えるが、この中のどれかは本当のことを言っているのかもしれない。ネットでは情報の多さと曖昧さでこれ以上意味のある情報を得ることは難しそうだった。
ということで、今度は自分の足で現地調査することにした。中津は夢乃森学園にある『夢人見つけ隊』というサークルが活動している部室を訪れることにした。夢人見つけ隊の主な活動は、独自で集めた夢人の情報をSNSで発信したり、情報提供を募ったりしているようである。今の自分よりは夢人に詳しいだろう、と判断した中津は、あまり期待しないで話を聴こうと考えた。
月曜日の昼休み、まずは図書館で夢人に関する資料を集めることにした。検索機で調べてみると、思っていたよりもヒットして驚いた。夢人のワードが出てくる本や記事は数百あり、夢人のみを題材にした本も数十冊あった。さすがにすべて調べるのは面倒なので、夢人のみを題材にした本の中からさらに数冊に絞ることにした。選考基準はサッと目を通したときに印象の良かったものにした。昼休みの時間を使って図書館で読んでいたが、途中でチャイムが鳴ったので、残りは借りて読むことにした。
放課後、中津は文化系サークルの部室が集まっている部室棟の一階にある、「夢人見つけ隊、部員募集中!」と書かれた紙が貼られているドアの前に立っていた。そこで一度深呼吸をしてから、ドアを三回ノックすると、中から「どうぞ」という女性の声が聴こえたので、「失礼します」と言ってからゆっくりとドアを開けて中を見渡した。
部室は六畳程の広さで、壁には天井まで高さのある本棚が端から端までビッシリと並んでおり、夢人に関する資料を挟んでいると思われるファイルが隙間なく並んでいた。部室の中心には長机が一台、周りにパイプ椅子が五脚あり、そのうちの一脚に丸眼鏡を掛けた黒髪の女子生徒が座っており、ノートパソコンを開いて何か作業をしていた。さらに、部室の至る所に可愛いバクのぬいぐるみが置いてあった。
バクのぬいぐるみは、夢乃森学園で大人気のぬいぐるみである。なぜなら、夢乃森学園の公式マスコットキャラクターだからだ。名前は『ブバルディア』。花の名前から取っているらしく、花言葉は「夢」。多くの人は「ブバルちゃん」「ディアちゃん」などと略して呼んでいる。また、バクは夢を食べるという話から、ブバルディアを持っていると夢人に会えると信じられているので、学園生のほとんどは何かしらのブバルディアグッズ(キーホルダーやストラップ、Tシャツなど)を持っている。ちなみに、中津も入学してすぐにブバルディアのぬいぐるみを叶愛から貰って、部屋に飾っている。
「ん? キミ…見たことない顔だね。あっ、ひょっとして、入部希望者!?」
「えっ、あ、いや、入部希望ではないです」
「あっ、違うんだ…そうなんだ…そうだよね…はぁ~」
「す、すみません」
「あっ、じゃあ、夢人についての情報を持って来たの!?」
「あっ、それも…ちょっと…違うかも…です」
「はぁ~、そっか。そうだよね。はぁ~」
彼女のテンションが一瞬でマックスになったかと思うと、一瞬でしょんぼりしてしまうので、中津は少し罪悪感を覚えてしまった。
「じゃあ、キミは一体何の用でここに来たの?」
「えーっと、夢人について教えてもらいたいと思いまして」
「あ~、それなら別にここまで来なくても、情報はすべてSNSで発信しているからそれを見た方が早いよ」
「それにはいくつか目を通しました。でも、いろんな情報が錯綜してどれを信じていいのかわからなくて」
「それは私にもわからないわ」
「えっ、そうなんですか!?」
「夢人の情報提供者の話を聴くと、人によって全然違う内容なの。中にはすべてが作り話なんてこともあるからね」
「そうなんですね」
「でも、私の情報はちゃんとしているから心配しないで。しっかり情報提供者を観察して、おそらく本当のことを言っていると信じられる人の話だけを選んでSNSで発信しているから。情報の質は自信があるの」
「へぇー、どうやって見分けているんですか?」
「そうね。立ち話も何だし、こっち来て座って」
「あ、はい」
中津は彼女の促しで部室の中に入り、机を挟んだ彼女の向かいの椅子に座った。
「そういえば、まだ自己紹介してなかったわね。私は二年の天瀬月歩。専攻は宇宙物理学で夢人見つけ隊の部長もしてる」
「俺は中津夢翔、心理学専攻の二年です」
「中津…夢翔…? もしかして、学年首席の?」
「あ、はい。一応、本人です」
「へぇー、キミが中津夢翔くんねぇ」
「な、なにか?」
「いや、意外だなって思って。学年主席でも夢人のことが気になるんだね」
「まあ、人並みには…」
「ひょっとして、超常現象とか信じるタイプ?」
「んー、どちらかというと信じない方だと思います。すべては科学現象かなと」
「あっ、そうなんだ。まあ、そうだよね」
天瀬は態度でどんな気持ちなのかがわかりやすい人だった。
「それで、さっきの話の続きを聴かせてほしいんですが」
「あっ、そうだった。地球外生命体は本当にいるのか? ていう話だっけ?」
「全然違います!」
「アハハ、冗談だよ。冗談」
「冗談ですか」
「宇宙の大半を占めるダークエネルギーとは何か? だったよね?」
「それも違います! 嘘の情報と本当の情報を見分ける方法です!」
「あー、そうだった、そうだった。ごめん、ごめん」
天瀬はまったく反省していない様子で適当に謝った。
こんな人が本当に嘘を見破ることなんてできるのか?
中津は不安な気持ちが強くなった。
「ところで、さっきの二つのことについて、キミはどう思う?」
「さっきのって、地球外生命体とダークエネルギーのことですか?」
「そう。それ! キミの意見を聴かせて」
「んー、あまり詳しくないので、個人的な意見になりますけど…」
「うん。それでもいいよ」
「そうですね。ダークエネルギーについてはまったくわからないので、何も言えません」
「アハハ、キミ、正直なんだね。学年主席だから何でも知ってるか、知らなくても知ったかぶりするかと思ったんだけど」
「俺にも知らないことはたくさんあります。それに、知らないことははっきり知らないと言わないと、学ぶことができないので」
「ふーん。じゃあ、地球外生命体については?」
「それは、個人的にはいると思います。というより、いて欲しいと願っている、と言った方が正しいかもしれません」
「へぇー、どうしてそう思うの?」
「現に宇宙の一部である地球に生命がいるから、広大な宇宙のどこかに生命体がいたとしてもおかしくないと思います」
「……そうだね。じゃあ、キミはいずれ、地球人と地球外生命体が会える日が来ると思っているの?」
「んー、それは難しいんじゃないかと思います」
「どうして?」
「今、宇宙ってものすごいスピードで膨張してますよね?」
「そうだね」
「ということは、地球から遠く離れた宇宙のどこかに仮に生命体がいる星があったとしても、その星と地球は常にものすごいスピードで離れ続けていることになります」
「うんうん」
「つまり、もし地球を出発したとしても、宇宙の広がる速さより遅い乗り物だったら一生辿り着けないってことになるので、会うのは難しいかと…」
「ふーん。そういうこと!」
「あっ、でも、もし他の星の生命体が地球よりもはるかに優れた技術を持っていて、ワープとか可能だったら、会えるかもしれないですね」
「……キミって、リアリストなのか、ロマンチストなのか、よくわからないね」
「そうですか? 自分ではリアリストだと思ってたんですけど」
「まっ、どっちでもいいか。とりあえず、キミの意見が面白かったから教えてあげる。私が今まで集めた情報を」
どうやら中津は、先程の質問で天瀬に品定めされていたらしい。そうとは気づかず正直に答えたが、気に入ってくれたようで安心した。
天瀬は先程とは表情が変わり、真面目な顔になった。
「今までいろんな人から夢人の話を聞いて気づいたんだけど、本当のことを言っている人は、みんな記憶が曖昧なの」
「記憶が…曖昧? それって嘘つきの方じゃ…」
中津は天瀬の発言に驚いた。
人は嘘をつく生き物である。最低でも一日のうちに男は六回、女は三回嘘をつくと言われている。また、初対面の相手に良い印象を与えたいときに、人は最も嘘をつくのである。大体一〇分間に三回程嘘をつく。
人は嘘をついて図星をつかれたときには、ある特徴が顕著になる。たとえば、「実は~かも」や「正直言うと~だろう」という風に前置きと語尾が変化したり、聞いていないことを勝手に話し始めたり、あまり楽しくないことに対して妙にポジティブな言葉が増えたり、急に距離を置こうとしたり、一人称が減ったりする。
これらの特徴を意識していれば、相手が嘘をついているのかどうかを見破る可能性を高められるだろう。さらに、相手の言動に違和感を抱いたときは、相手をガン見したり、相手と同じような状況になった自分を想像してみたり、声だけを聴いてトーンや声色の変化に注目したりすると、嘘を見抜ける確率を高められる。
そもそも人の記憶というものは、曖昧なことが当たり前なので、嘘をつくつもりがなくても、間違って記憶していたり、自分なりの解釈で捉えたりしていると、結果的に嘘になってしまうことがある。
嘘をついてはいけない、と教えられたことがあるかもしれないが、人はみんな嘘をついているし、嘘にはいろんな嘘がある。人を騙して悪さをする嘘もあれば、人を悲しませないためにつく嘘もある。相手のことを想っての嘘は、時に真実を伝えるよりも良いことではないかと思う。
「ううん。夢人に関しては、曖昧な方が信ぴょう性あるの。成功している人たちに話を聴くと、みんなあまり覚えてないって言うの。だけど、夢人に助けてもらったことは、はっきり覚えているんだって。逆に、たいして成功していない人たちは、夢人について詳細に教えてくれるんだけど、気になったことを質問すると無理やり思いついたことを言うから、矛盾することが多いの」
「そういうことか…」
「私の推測だけど、夢人は人の記憶を操作することができるんじゃないかと思ってる。手助けした人が夢を叶えたあとは、自分の記憶を消す。だから、夢人はいつまでも謎の存在なんだと…」
たしかにそうかもしれない、と中津は思った。
天瀬の話に矛盾はないし、嘘を見破る方法を意識してみてもおかしな点はなかった。
ただ、もし天瀬の推測が当たっているとしたら、夢人の正体を暴くことはできないだろう。仮に夢人を見つけたとしても、記憶を消されたら意味がない。
夢人は自分の正体が絶対にわからないという自信があるから、俺に挑戦状を送って来たのか? いや、そんな感じはしなかった。
どう考えても勝ち目のなさそうなことだが、負けず嫌いの中津は簡単に諦める性格ではなかった。
「夢人に助けてもらった人たちは、どうやって夢人と会っていたんですか?」
「それはわからない。覚えてないんだって」
「メールは残ってないんですか? 夢人とやり取りした証拠になりそうですけど」
「メールを受け取ったって言っている人はみんな嘘つきで、メールも自作自演だったわ」
「え!?」
「本当のことを言っている人たちは、メールをしたとは言っているんだけど、履歴が残ってないの」
「履歴が…残ってない!?」
「うん。もしかしたら、夢人が消したのかもしれない」
中津はこの情報を聞いて違和感を抱いた。現在中津は、夢人らしき相手とメールのやり取りをしているし、そのメールは履歴にちゃんと残っている。これは天瀬の情報と食い違っている。ということは、何かが間違っている可能性が高い。天瀬の推測が間違っているのか、それとも中津がメールのやり取りをしている相手が夢人ではないのか、そのどちらもということもあり得る。しかし、中津は今までのメール内容を見ると、相手が偽物だと思えなかったし、天瀬の推測が間違っているようにも思えなかった。二人がまだ気づいていない何かがあるような気がした。
その後、天瀬はノリに乗った様子で夢人の情報集めの武勇伝を話し始めた。天瀬はたくさんの人から話を聴いたらしく、職業も多種多様だったらしい。たとえば、プロスポーツ選手、成功したベンチャー企業の社長、ある大発見をした科学者、ベストセラー作家などなど。話し始めると、一向に止まる様子がなく、マシンガントークになっていた。
そのまましばらく天瀬の話を聴いていると、突然「ガチャ!」と部室のドアが開き、「失礼しまーす」と言って国東がやって来た。
「あっ、国東ちゃん! いらっしゃい」と天瀬が言った。
「国東さん!?」
「ん? あ、キミか」国東は一度中津を見てから天瀬の隣に座った。
「えっ、国東ちゃんと中津くんって知り合いなの?」
「うん。ちょっと前にね」
「そうだったんだ!」
「国東さんはどうしてここに? もしかして、夢人見つけ隊の部員ですか?」
「ううん。あたしは違う。ただ遊びに来ているだけ」
「あ、そうなんですか」
「キミこそ、どうしてここにいるの? ひょっとして入部希望?」
「いえ、俺は夢人の話を聴こうと思って」
「夢人の? ……どうして?」
「ちょっと気になったんで」
「ふーん」
「ところで、もう少し待っていれば他の部員も来ますか? できればいろんな人から話を聴こうかと思うんですけど」
「あっ、それは……無理…かな」と天瀬が言った。
「えっ、どうしてですか?」
「今、この部活でちゃんと活動しているのは私だけなの。他の部員はほとんどが幽霊部員。最初に面白半分で入部して、あっという間に飽きちゃう人が多いの」
「そうですか」
「それに私と考え方の違う人も結構いて…」
「考え方の違う人?」
「その人たちは手当たり次第に情報をばら撒こうとするから、その中には嘘の情報がたくさんあるの。自分が注目を浴びたいがためにやっている人もいた。私はそれが嫌だったから、そういう人たちには辞めてもらったの。そうしたら、独りになっちゃった」
「そう…ですか」
「でも、私は独りでも大丈夫。元々独りで活動することが多いし、独りの方が面倒事少ないから」
天瀬は笑顔で言っていたが、それが作り笑顔だということはすぐにわかった。
「天瀬ちゃんは独りじゃないでしょ」
「えっ!?」
「あたしがいる」
「……そうだったね。ごめん、ごめん。私には国東ちゃんっていう心強い仲間がいるんだった!」
「部員じゃないのに?」と中津が言った。
「うるさい!」と国東が言った。
「国東ちゃんは部員じゃなくてもいいの!」
天瀬がそう言うと、国東はドヤ顔して中津を見た。その顔が可愛かったので、まったく不快ではなかった。
「でもまさか、学年主席のキミが夢人の話を聞きに来るなんて、ちょっと意外なんだけど」と国東が言った。
「そうだよね。私も最初驚いたよ!」と天瀬が言った。
「そうですか? こういう話は人並みに好きですよ。逆に俺は天瀬さんのリサーチ力に驚きましたよ。ここまで真剣に調べている姿は尊敬します」
「えっ……尊敬!?」
「はい。天瀬さんの情報は、他の有象無象と違って信ぴょう性があるので、価値があります。それを惜しみなくいろんな人に届けているなんて、すごいです」
「そう…なんだ」
「そこが天瀬ちゃんの強みだよね! どんなことだろうと気になったことはとことん追求する。周りの意見に振り回されないところは、カッコイイと思う」
「国東ちゃん…!」
明らかに天瀬の表情が良くなっていることがわかった。そして天瀬が「じゃ、じゃあ、さっきの話の続きなんだけど…」と言って再びマシンガントークが始まる気配を感じ取った中津は「あっ、今日はいろいろ教えてくれてありがとうございました。このあと用事があるので、失礼します」とお礼を言ってから部室を出て、速足で帰った。
帰り着いてからは、図書館で借りた本を片っ端から読んでいった。プロスポーツ選手の自伝には、挫けそうになったときに支えてくれた存在と書かれており、ピアニストの自伝には、人生に迷ったとき、進む方向を示してくれたと書かれていたりした。また、夢人の考察本もあったが、どれもありきたりなことしか書かれていなかったので、あまり参考になりそうではなかった。
中津は寝る直前、ベッドの上で今日得た情報を簡単にまとめてから、振り返っていた。
夢人は人の記憶を操作するかもしれない。これは正直どうしようもないので、考えても意味がない。
次はどうやって情報を集めようか。そう考えていたとき、ふとメールの内容を思い出した。夢人は「夢人はみんなのそばにいる。ただ、みんなそれに気づいていないだけ。キミのそばにもいるよ」と言っていた。この言葉の意味は、みんなのそばにいるから、きっと中津のそばにもいる、という意味なのだろうが、もしそうじゃなかったら。本当に中津のそばにいるとしたら、一気に候補者を絞ることができる。なぜなら、中津の知り合いは少ないからだ。
そう考えた場合、夢人候補になるのは、叶愛、安心院、別府、姫島、津久見、国東、速見、宇佐、天瀬、そして雲海ということになる。今まで接した感じでは、誰も夢人というファンタジーな存在には思えなかったが、このとき中津はハッと閃いた。
もしかして、理事長が夢人じゃないのか?
中津は雲海が夢人ではないか、と推測した。なぜなら、夢人は数年、数十年前のOB、OGの頃から存在していると言われているからだ。夢人を人と仮定した場合、歳をとっているはずである。そう考えると、もし生徒の中に夢人がいた場合、歳をとっている人は明らかに目立つ。つまり、夢人は大人である教師たちの中にいる可能性が高い。その中でも特に理事長である雲海なら柔軟な行動がしやすいだろう。
しかし、この推測はすでに考察本に書かれていたり、天瀬がSNSで述べていたりしていて、結構有名な説である。ただ、誰も本人に確認したことがないということだった。
なので、中津は、思い立ったら即行動ということで、早速雲海に明日会って話がしたいというメッセージを送った。すると、数秒後に「オーケー! 放課後の四時以降ならいつでもいいよ!」という返信が来た。中津が「ありがとうございます。では、明日夕方四時三〇分に理事長室にお伺いします」と送ると、サングラスをした筋肉ムキムキのキャラが親指を立てたグッドサインをしているスタンプが返信で来た。雲海は、実年齢七〇歳とは思えない程、パワフルで若々しい人である。近くにいるだけで、まだまだ現役で若い人たちには負けないという意識が伝わってくる程だ。それは身体的だけでなく、精神的にも若いということである。
俺も歳を取ったときは、理事長みたいに元気でいたいな。
そう思った中津だった。
読んでいただき、ありがとうございます。
次回もお楽しみに。
感想、お待ちしております。