7話
藤田ゆきえの面談は昼休みが終わる10分前までかかり、それでも残っている2、3人の生徒は放課後にやる事になった。
僕と律は、僕の机を挟んで昼ごはんを食べ終え、くだらないお喋りをしている所だった。
海斗が帰ってきた時、僕は購買で買った惣菜パンを食べ終えていた。
「やっと終わったー。パンもう売り切れてるよな」
と、海斗は残念そうな顔をして、廊下を見ると前髪をぐしゃりと掴んだ。
「海斗の分、買っておいだぞ。焼きそばパンで良ければだけど」
と、僕は自分のとついでに買っておいた焼きそばパンを海斗に差し出した。
「優しいねー、謙一は」
そう言ったのは鮭のお握りを頬張っている律だった。
海斗は、僕の手から焼きそばパンを取ると、照れくさそうに小さく礼を言った。
「お、おう。ありがとう、謙一。優しいな」
「絶対に終わらないと思ったからさ」
「謙一のそういう所、すげー……」
と、海斗は何かを言いかけた。が、はっきりと放つまでに、一瞬だけ言葉がつっかえた。
「最高だ!」
海斗はいつもよりも大きな笑顔で、親指を立てた。海斗が隣の空いている椅子を引っ張って座り、僕らの中に混ざった。
そこで律が、急に話題を振ってきた。
「ねえ、今週の土曜、皆で勉強会しない?」「勉強会?」
僕は聞き返した。
「勉強会か、いいな。やろう。謙一、親父さんのプレハブあっただろ?そこ使ってさ、皆でやろう。いいだろ?謙一」
海斗は僕の方へ顔を向けた。あまり使用されていないプレハブは、子供の頃に三人で、よく遊び場として使っていた。僕は、律の提案は単純に楽しそうだと思い、プレハブでの勉強会の許可をした。
「うん、いいよ。しよう。勉強会」




