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スプーンで世界はすくえますか?  作者: 木林森
第一章 イスト編
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「バトルロイヤルですか?」23

「じゃあ次だが⋯⋯」


 攻撃を回避し、後方へ下がった俺は再びロマンと話していた。


「わかりました」


 そして、会話が終わると再びバースへ攻撃を。

 初めはさっきと同じ。ロマンによる撹乱だ。


「リバース!」


 ただ、毎度のごとく、それはあっさり消されてしまう。

 怪物に紛れていた俺はというと、前回と同じく直進だ。


「また同じ手かぁ? おい」


 バースの言う通りそこから先の展開も変わらない。

 直進して殴りかかる。さっきと一緒だ。

 だが、それは体を横向きにして回避されてしまう。


 しかし、これは一連の流れの一つ。気にする必要はない。

 回避された直後、俺はバースとは逆方向に横っ跳びする。

 それと同時に、俺の後ろの怪物は逆サイド、バースの方へ横っ飛び。


 バースの視界の斜め後ろに入り込んだ怪物であったが、


「リバース」


 あっという間に消滅。

 それでも、一瞬、バースの気をひくという役目を怪物はしっかりと果たしてくれた。

 その間に俺は地面に着地し、低い姿勢のままでバースの方へ走り出している。

 斜め後ろからこちらへ視線を戻したバースもそれに気付いたが、視線の逸れていた一瞬で、バースとの距離は縮まっていた。やつはもう、目の前にいる。

 俺は、次の一歩を前に大きく踏み出すと、その勢いで後ろにバク宙。

 俺が跳んだ場所からは怪物が足払いをしている。


「⋯⋯リバース」


 ただ、怪物の攻撃は不発。

 だがまだ、攻撃は終わっていない。

 バク宙した後は、再びバースの方へ走り出した。


「ったく、何考えてるか知らねぇが、見えなくとも消しちまえばいい話だ。リバース!」


 そう唱えるバースだったが、俺はお構いなしに拳を放っている。

 まるで、


「なっ! もしかして、お前⋯⋯」


 最初から後ろに怪物などいなかったかのように。

 これまで数度、怪物のパターンを見せてきた。

 その後にフェイクを入れればその効果は絶大。

 驚くバースだったが、その後ろには二体の怪物。

 これも、フェイクに一度『逆転』を使わせることで出来た隙を利用した。

 そして、


「っ! ちっ! リバ⋯⋯」


 使うなら、このタイミングしかない。


「やれ!」


「はぁ⋯⋯ライトニング!」


 バースの頭上に広がる大きな黒雲。

 その雲が光り輝き、今にも落雷を落とそうとした時だ。


「⋯⋯なーんてな」


「ーーっ!」


 俺の攻撃を受け止め、そして、怪物達の攻撃を防ぎも躱しもせずその身に受けたバースは、不敵に笑っていた。

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