表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スプーンで世界はすくえますか?  作者: 木林森
第一章 イスト編
37/55

「バトルロイヤルですか?」18

「おらあああぁ!」


 バースは真っ先に俺めがけて走ってくる。


「ロマン! エル!」


 ロマンは杖を構え、怪物を召喚し、エルはライトニングを放つ。

 これでリバース対策はしっかり出来てーーーー


「ーーっ!」


 しかし、バースはリバースを使うことなく回避する。

 具体的にはジャンプをすることで足元の怪物を回避、そのまま走り去ることでライトニングの範囲からも外れた。


「言ったろ! 次は無いってな!」


 どんどんバースは距離を詰めてくるが、それならこちらにも考えがある。

 リバースを使わないのならば⋯⋯こうすればいい。


 俺がロマンに指示を出すと、ロマンは再び怪物を召喚する。

 今度は地面にではなく、バースの目の前に。


「はっ! そういうことか」


 エルにはいつでもライトニングを放つ準備をさせている。

 こうすることでバースは安易にリバースを発動できない。

 そんな中、召喚された怪物達は一斉にバースに襲いかかる。


「いいねぇ、上がるぜ!」


 バースは襲いかかる怪物達と組手を始める。

 三人相手に戦っていた時もそうだが、身体能力はかなり高く、バースはほとんど、いや、全く攻撃を受けていない。

 逆に怪物達はバースの攻撃を一方的に受けている。

 しかし、その後ろからはロマンが召喚し続ける新規の怪物達が組手に参加する。

 改めて見ると、中々にロマンの召喚術ってのは恐ろしい。

 ほぼ無限に怪物達が湧き出てくるんだからな。


「ちっ、めんどくせぇ」


 そして、その一体一体がタフだ。

 一撃で消えてしまったりなどしない。


 そんな怪物達と組手を続けるバースであったが、僅かに最初より動きが鈍くなっている気もする。

 まあ、あれだけの大群だ。それで僅かしか鈍っていないというのはさすがというべきか。

 だが、この無限に湧き出る状況。持久戦にでもなればいずれ果てるだろう。

 一つ心配があるとすれば、


「大丈夫か? ロマン」


 ロマンが消耗していないかどうか。

 この不思議な召喚術も魔法のように魔力を消費するのなら、いずれロマンにも限界がくる。

 そして、それが早ければ早いほど、バースには勝機となってしまう。


「はい。とりあえずは大丈夫です」


 だが、俺の心配とはよそに、ロマンは依然、涼しい顔、と言っても見えないのだが、涼しそうな顔の雰囲気で召喚を続けている。心配は杞憂だったようだな。


「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」


 しかし、対照的にもう一人の方、エルは思いの外限界に近かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ