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スプーンで世界はすくえますか?  作者: 木林森
第一章 イスト編
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「バトルロイヤルですか?」9

 作戦のトップバッターはロマン。

 まずはロマンがお決まりの攻撃でやつの注意を引く。

 だが、今回はいつもとは少しやり方が違う。


 ロマンがいつものように杖を構えると、無数の手が地面から出てくるのだが、

 今回はバースの足元からではなく、その両サイドから徐々にバースへと近付けるように指示を出した。

 だが、


「二方向からなら攻撃できるとでも思ったのかぁ!? 甘すぎんだよ! リバース!」


 やはり攻撃は通用しなかった。

 しかし、これはあくまで陽動。むしろ成功すればラッキーとしか考えてない。

 本命は⋯⋯


「よそ見してる暇があるのかしら? フレイム!」


「あぁ?」


 二方向からの攻撃をすることでバースの視線を逸らす。

 その作戦通り、バースの視線はロマンの攻撃に気を取られている。

 そんなバースがエルの方に視線を向けた時には、既にもうフレイムが放たれていた。

 そして、幸運にもこの作戦で一番の懸念材料だったエルのフレイムもしっかりとバースめがけて向かっていく。

 やればできるじゃねぇか、エル。


「はっ、俺の気を逸らしてこっちが本命ってか!? だがそんなんで俺は倒せねぇぞ! リバース!」


 しかし、真っ直ぐ向かっていたフレイムはまたしてもバースの目の前で軌道が逸れる。

 だが、これも当たらないだろうとは思っていた。

 ここで終わりじゃない。まだ作戦は続いている!


「それで⋯⋯お前はそこで何してんだぁ?」


 ちっ、気付かれたか。

 俺はこの作戦中どこにいたのか。

 実は、エルのフレイムと同時にその真下を通って、バースの足元にいた。

 さっきエルが躊躇ってたのは、俺が通れるスペースを確保できるかどうか。

 まあ、たしかにエルのコントロールじゃ最悪俺は燃やされていたかもしれない。

 だが、何とか俺は燃えカスにならずに済んでいた。

 そして何で足元にいるのか。

 それは、


「何の作戦か知らねぇが、わざわざ近付いて来てくれるとはなぁ!」


 俺に向かって蹴りをくらわせようとするバース。

 しかし、


「ーーっ!」


 その両足は曲がったスプーンで固定してあるため、蹴りをくりだせない。

 わざわざ足元まで近付いたのは、こうしてバースの身動きを封じるためだった。

 そして、そのバースのすぐ近くにエルが来ている。


「てめぇ! 小細工を!」


「どんな技使ってるか知らないが、この近距離ならどうだ? いけ、エル!」


「フレイム!!」


 これが、本命の作戦。近距離でのフレイムだ。

 いくらなんでもこの距離での攻撃は通じるだろう。

 そして次の瞬間、高火力のフレイムがバースに向かって放たれた。

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