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黒き風の皇女(おとめ)  作者: 吉田さゆか
特別番組
1/14

特別番組「これが黒き姫騎士(ブラックライダー)だ‼」

始めに

このお話には副音声が収録されています。台詞以外の(かっこ)がそうです。

このお話を読むときは、部屋を明るくして、画面に近づきすぎないようにしましょう。

それでは、「これが黒き姫騎士だ‼」をお楽しみください。


ギギィ...(倉庫の扉が開き、ドレス姿の少女が現れる)


カッカッカッ...(少女がバイクに歩みより、またがる)


ブォォォン、ブゥゥゥゥン...ガシャン!!(バイクが窓ガラスを突き破る)


(タイトルロゴ)

『これが黒き姫騎士(ブラックライダー)だ!』


クリオシタス(以下ク)&湊「「お待たせいたしました!!」」

湊「さていよいよ来週から皆さんが待ちにまったスーパーヒロインが姿を現します。その名も、」

ク&湊「「黒き風の皇女(おとめ)!!」」

湊「今回案内役を勤めさせていただきます、親友のKこと神楽坂湊(かぐらざかみなと)です。」

ク「クリオシタスです。」

ク&湊「「よろしくお願いしまーす!」」

ク「さてみっちゃん、」

湊「(みっちゃん!?)はい、何でしょう?」

ク「よいしょっと。見てください、番組が始まる前から御便りがこーんなにたくさん(ホクホク)。」

湊「うわぁスゴいですねぇ。どれどれ...(白紙じゃねぇか!てか全部白紙じゃねぇか!)。えぇと、オホン、黒き姫騎士(ブラックライダー)の必殺技を教えて下さい。」

ク「こちらはとても可愛らしい字ですねぇ、どれどれぇ...。黒き姫騎士(ブラックライダー)のへんしんをおしえてください、ですって(ニコニコ)。はい、これ、みっちゃん読んで(小声)。」

湊「(おおっ、ちゃんと字が書いてある!)二話で出てきた組織は今後もストーリーに影響しますか?また、戦闘シーンは合気道をモチーフにしているのですか?教えてください!(.....これ、放送前特別番組の体だよね。何で内容知ってる感じの質問出すの!?はじめてもらった感想で嬉しかったからか!?え!?)」

ク「皆さん知りたがりですねぇ。というわけで、黒き姫騎士(ブラックライダー)とは誰か、どんなパワーを秘めているのか、どの様にして誕生したのか、敵の正体は何か、等々、黒き風の皇女(おとめ)の全てを今日は特別にお知らせしようというわけです!」(クリオシタス、肘で湊を小突く)

湊「あぁ、まずひとつ目はこちら」


『これが変身だ!』



やがて それ は人の形をなした。金属の四肢、頭部に輝く6つの光。その姿は機械に形作られた”巨人”、その圧倒的な質量が、ココナを叩き潰さんと襲いかかる。

「チイイイ…!」

 ココナは迫り来る拳をなんとか避けた。ココナの身長よりも大きいその拳は、コンクリートの地面を深々と抉り取った。”巨人”の力は恐ろしいものだ。今のココナでは相手にならない。


ーーーーでも、「あれ」を使えば…


 ココナは”巨人”に向き直り、全身を怒りに震わせた。細胞に稲妻がほとばしり、血液は流れに逆らい始める。


ーーーー変態(へんしん)!


 瞬間、周囲を紅い閃光が包み、辺りは真昼のように明るくなった。”巨人”はそれに怯まずココナのいた辺りに拳を放った、が空を切った。そこに取り残されたように、湯気が煙のように漂っている。そのときココナは、すでに”巨人”の後頭部をその拳でとらえていた。”巨人”の頭が変形し、その身体は海へと落ちた。



ク「これが変身か、と思うでしょう?実はこれは最初の変身じゃないんです。」

湊「そうなんですか?確かに、なんだか小慣れている感じがしますね。」

ク「実は黒き姫騎士(ブラックライダー)、ココナさんは狂気の科学者『神坂奏人』に改造される前、つまり人間だった頃の記憶がないんです。ココナさんは今(自称)21歳ですから、はじめての変身から20年程経っているんですよ。では、どの様にして変身が起こるのか、その様子をみてみましょう。」



ココナは距離を積めようとした、が’’蜘蛛”の糸に阻まれた。

「グウッ!」糸が絡み付いて動けなくなってしまった。ほどこうとすれば、粘着性の糸はさらに絡み付く。


ーーーー変態(へんしん)!


瞬間、紅い閃光が工場内を支配した。そして、これらのことが一瞬で起こった。

・閃光と共に服が消失。

・〔賢者の石〕のエネルギーが蒸気となって蜘蛛の糸と体表の皮膚を吹き飛ばし、筋肉があらわになる。

・むき出しの筋肉を覆うように赤黒い強化外骨格が発生する。

・その外骨格を包み隠すように新しい皮膚が生成される。

・新しい皮膚から赤や黒の毛が生えてドレスの形をとる。

・ドレスのベルト部分に金属製のバックルが生成され、そこに赤と白の結晶体が発生する。



ク「痛そうですねぇ。」

湊「確かに、痛そうです。そう言えば、変身の途中であれはいったい何に...?」

ク「あぁ、あれはですね、一度サソリとバッタの中間の存在になるんですよ。体内の超エネルギーによって変身が起こる訳ですけれど、その形態の1つ、といったところでしょうか。」

湊「なるほどー。(あいつも結構考えてるんだなぁ)」

ク「では、次をどうぞ!」


『究極のヒロイン!』


ク「あれぇ?みっちゃん何処だろ?まぁいいか!お邪魔しまーす。」(クリオシタス、部屋の扉を開ける)

ク「この人が黒き風の皇女(ココナさん)(と私)の生みの親、吉田さゆかさんです。って何で湊さん、じゃなくてみっちゃんがもうここにいるんですか!?」

湊「言い直さなくていい、湊さんにしてください、頼むから。それといるのがおかしいのは君の方でしょう、ここは二次元じゃ無いんだから。」

ク「細かいこと言ってたら頭に十円ハゲできますよ?湊さん。えと、実は私はさゆかさん(が構想中)の他の作品の登場人物なんです。探偵見習いをしています!」

さゆか(以下さ)「実はこのお話、その作品のスピンオフ小説という位置づけなんです。湊には前に話したよね?」

湊「それは確かに聞いたけど、何で本編ほっぽりだしてスピンオフから書いてんの?」

さ「それはね、本編の方はマンガ媒体で出したいからよ。でも私の友達に絵が描ける人っていないでしょ?私自身も絵が下手だし。だから小説で書き出せそうなやつから作ることにしたの。」

ク「...そもそも、さゆかさんに友達がいませんよね、ほとんど。」

さ「...それ、言わないで。精神にこたえるやつだから。」

湊「気を取り直して、今日はココナについて聞きに来たんだよ。」

ク「ココナさんは本編に関係しているんですよね?」

さ「ええ、スピンオフだもの。」

湊「そういえば、質問の1つにアクションシーンについてのものがあったけど、何か参考にしているものがあるの?」

さ「仮面ライダーの殺陣を参考にしてるよ。特にBLACK辺りの、まだCG技術がそこまで発達してない時期のやつ。だからといってカタログスペック通りの描写を心がけると、その限りじゃなくなっちゃうんだけどね。それでも、武道は空手をちょっとかじった程度の知識しかないから、殺陣っていう完成形があるのはすごく頼もしい。」

ク「そういえば、作品タグに『黙示録の四騎士』ってありますよね。確か、黒の騎士(ブラックライダー)って...」

湊「飢餓の象徴?」

さ「その通り!ココナの怪人態は群生相の黒いバッタがモチーフになっているの。それと、闘争を意味する赤の騎士(レッドライダー)としての側面を持たせるためにサソリもその中に盛り込まれているよ。尻尾とか。」

湊「何でサソリなの?」

ク「赤、特に赤い星は共産主義を象徴するとも言われていますからねぇ。蠍座にはアンタレスという赤い星があります。ま、ようはこじつけですね。黙示録にはサソリの尻尾が生えたバッタがいますが、赤い騎士(レッドライダー)とはなんの関係もありませんからね。」

さ「関連性があると思ってたのよ。ネットで調べてみたら皆無だったけど。だからといって今さら設定の練り直しは出来ないからね。」

湊「なるほどな。(やっぱこいつなんにも考えてないや)」

ク「では、最後に読者の皆さんに一言。」

さ「皆さんこんにちは、吉田さゆかです。この度は『黒き風の皇女』を手にとっていただき、ありがとうございます。ご覧のような設定ミスや投稿の遅れなどまだまだ至らぬところがある私ですが、このお話が皆さんのお気に召しますようにと願っています。これからも『黒き風の皇女』をよろしくお願いいたします!」


(場面が変わり、スタジオに戻った2人)

ク「黒い飛蝗と赤い蠍、これがどう関係してくるのか?これからの展開が楽しみですね!」

湊「そうですねー。では、次をどうぞ。」



そこにあったのは'彼女'だったであろう肉片とそれをむさぼり食う’怪物'。最も、その見た目は端正で美しく、怪物などと言う呼称はあまりに合わない。だが、ひとを喰らうそれは人間とは呼びがたい。少年のようでも少女のようでもあり、また青年のようでもある。眼球があるはずのところには黒い穴が空いている。そのないはずの瞳がこちらを見た。ゆっくりと立ち上がる。


「ダ、レ、ダ....?」

「名乗る必要があるのかしら?」ココナの硝子玉のような瞳が冷たい怒りに染まる。’怪物’に反応はない。いや、あった。肉体の様相が変わり始めた、人…女だ。女になろうとしている。



湊「何ですか?この怪物は?」

ク「それは〈天使〉と呼ばれる精神生命体です。というわけで次のコーナーはこちら!」


御使(みつか)いの魔手!』



’怪物’はピクリとも動かない。ココナは念のためにトドメを指しておこうと近づいた。


ーーーーでも、本当に人そっくり。


乳首がなかったり、背中に翼らしきものがある以外はどこをどう見ても人である。



湊「確かに、天使といった風貌ですね。」

ク「ココナさんの敵、ココナさんは一括りに〈天使〉と呼んでいますが、それぞれ性質は異なるんです。上に挙げたのは肉体がないと生存できないタイプ。補食することで相手の様々な情報を取り込むことができます。知能はそこまで高くありませんが、姿が補食した存在に依存して変化するので諜報にはもってこいです。他にも、精神だけで生存できるタイプ、こちらは知能が高く、高位の存在ですね。指揮官タイプ、といったところでしょうか。劇中には『大神官』という名で三人出てきます。」

湊「なるほど。でも、それがココナさんの敵になるのはどうしてでしょうか?」

ク「それにはまず【惑星(ほし)皇女(みこ)】について語らなければなりません。」



「君、本当に敏朗さんにそっくりね。」

「父さんのこと、知ってるの!?」そこからはココナの長い昔話を聞いた。15年前、オーストラリアに来ていた父、敏朗が、先住民族にまつられたココナを見つけたこと。彼らが言うには【惑星(ほし)皇女(みこ)】たるココナを絶望の渦から救い出す(おのこ)は世界の崩壊を止める使命がある、ということ。それに敏朗が選ばれてしまったこと。そして、〈風穴〉と呼ばれる場所で

「彼は私をかばって、死んでしまったの。」そう話すココナの紅い瞳は今にも壊れそうなガラス細工のようにだった。

「あの時の私は心がバラバラになって、本当に絶望の渦中にいたの。敏朗さんはそんな私を救ってくれた。彼は私の命の恩人なの。」



湊「この〈風穴〉というのが関係していそうですね。」

ク「さゆかさんによると『風穴より現れるのは異世界の使途、風穴が閉じないときは世界が完全に繋がることを意味するが、大抵の場合その時の衝撃で宇宙そのものが消滅する(ビックバンの逆、ただし威力はそれ以上)。それを防ぐためには完全に繋がりきる前にどちらかの世界を消滅させるしかない。その際、【惑星皇女】が世界のシステムによって自動的に誕生し(めざめ)、各世界の代表者として勝負する。』だそうです。」

湊「つまり、負けた方の世界が消滅する、ということですよね。それじゃあココナさんを狙う理由は...。」

ク「世界の命運をかけた戦いに必ず勝利するため、試合前に殺して不戦勝を狙う。といったところでしょう。」

湊「なにそれキタナイ!!」

ク「その代わり、消滅する世界の住人を自分の世界に移住させたりしているようですよ。彼らにとって一番最悪のシナリオは対消滅ですから、それを防ぐためにはどんな手段も辞さないのでしょう。」

湊「その様子だと、何度もその戦いに勝ち残っていることが見てとれますね。地球にとっては未曾有の危機なのに。これはかなりのハンデですよ。」

ク「えぇ、そんな強大な敵と戦うココナさんに会いに行ってみましょう!次の場所へ!」

(舞台は誰もいない競技場へ)

湊「神有月ココナさんです。」

ク「こちらは彼女の相棒モトさんです。人の姿をしていますが、ココナさんのバイクなんですよ。ココナさんがピンチの時にはバイクになって駆けつけるんです。」

湊「(うわぁ、今度は俺が二次元にいるよ...)〈天使〉に乗っ取られた人々は無事なんでしょうか?」

ココナ(以下コ)「分かりません、そもそもやつらが何者で何が目的なのかも私には分かりませんから。ただ、何人かは意識を取り戻したので、精神が完全に死ぬ訳ではないみたいです。」

ク「(あ、そうか、ココナさんは知らないんだ)彼らの本拠地にはどうすれば行けるのでしょうか?」

コ「さぁ、でも必ず突き止めてみせます。手がかりを見つけ出して。」

湊「その為に旅をしているんでしたっけ?」

コ「本当の目的は違いましたが、今はこちらが最優先ですね。でも、〈天使〉がいつ、何処から現れるか検討もつかない。全く奴等は神出鬼没だから...。」

ク「変身するときはどんな感じなんですか。」

コ「最初は引き裂かれそうな怒りに身を任せていたのでなんの痛みも感じませんでしたが、自分の意思で変身するようになってからはとても痛かったです。もうなれましたけど。」

湊「〈天使〉を絶対に倒す自信はありますか?」

コ「あります。奴等は次第に強い怪人を造り出すでしょうが、私も自分の力の引き出し方は心得ていますから。」


ク「なるほどぉ。ところで湊さんは、変身して悪いやつをやっつけたいと思いますか?」

湊「うーん、そうは思いませんね。強い力を持っていても、もて余してしまいそうで...」

ク「流石神坂奏人のモデルになった人なだけあって、現実主義ですねぇ。...あれ、知らなかったんですか?」

湊「えぇ、聞いたことありませんでした(アイツ後でシメる(怒))。逆にクリオシタスさんは欲しいですか?そんな力。」

ク「私は女性ですもの、強い男性に守って貰いたいわ。(なんで怒ってるんだろ)」

(場所が変わる)

ク「さっきはなんで怒ってたんですか?」

湊「怒ってませんよ?ぜーんぜん。それよりここは?」

ク「今からここでココナさんが『黒き風の皇女』の主題歌をレコーディングするそうなんです!」

湊「主題歌、ですか!?(そういうのはアニメ化してから考えろよ!?)」


(ココナ、歌を歌う。)


湊「な、なんというか力強くてパワーを感じさせる歌ですね(これ下手、音痴とか言う部類なんじゃ...)。」

ク「(上手い×下手×ココナ◎ですね、さゆかさん♪)もしアニメ化されれば、この音楽と共にココナさんがやって来るんですね!」

湊「(なら、人気出てもアニメ化しない方がいいかと...)そ、そうですね。」

ク「それでは皆さんさようなら!『黒き風の皇女』本編もお楽しみください!」

さて、次話から「黒き風の皇女」本編が始まります。はじめて読んでくださった皆さん、これで予備知識はバッチリです。既に何話か読んでくださっている皆さん、何となく話の内容が分かれば、よりいっそう楽しめると思います。

ココナの歌ですが、まだ完成してません。もし歌詞が思い浮かんだら書こうと思いますが、なにぶん作詞のセンスはないもので。もしいい案があれば教えていただけると幸いです。

さて、それでは.....って湊、どうしたの?この時間だったらまだ歌の収録終わってないでしょ?って何でそんなに怒ってるの⁉私がなんかやったんだったら謝るから.....許してくれないのぉ~!いやぁぁぁ助けてぇ~!(このあとめっちゃしばかれました)


※この作品はフィクションです。実在する人物、団体とは、一切関係ありません。

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