高市総理は自民党役員人事&内閣改造で何をしたかったのか?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。今回は26年9月16日に自民党役員人事と、翌17日に行われた内閣改造について個人的な分析をしましたのでよろしくお願いします。
◇維新の会から初入閣
質問者:
でも、基本的な「骨格」と呼ばれる部分は変わらなかった印象を受けましたけどね。
木原官房長官、片山財務大臣、木内成長戦略大臣、赤沢経済産業大臣、茂木外務大臣、小泉防衛大臣、小野田経済安保大臣などが替わりませんでしたからね。
筆者:
基本的な骨子としてある「責任ある積極財政」などについては方針転換しないという事なのでしょうね。
今回最も注目されたのは維新の会から誰がどのポストで入閣するのか? という話でした。
結果として中司宏衆議院議員(大阪11区、当選3回)が行政改革担当大臣が就任しました。
維新の会と言えば「規制緩和」の代表格である竹中平蔵氏が未だにガバナンス委員会のメンバーに選ばれているぐらいなので、何かしら「行政改革」に関して規制を緩和して外国人の方でも就労しやすくするぐらいのことをしかねないですね。
質問者:
筆者:
気になるのはこの大臣に選ばれた中司氏は枚方市長時代、清掃工場建設工事を巡る談合に関して最高裁で有罪が確定しているんですね。(懲役1年6カ月、執行猶予3年) https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0604A_W3A200C1CC1000/
https://www.ktv.jp/news/articles/?id=29669
上のの記事では「”身体検査”などで、総合的に見て中司さんに落ち着いた」とありますけど、談合はそのうちに入らないのか?
しかも、執行猶予がついたとはいえ最高裁で有罪が確定したことについてあまり記事で取り上げていないことも気になりますね。
質問者:
一方で、下の記事のように「談合に関して日経新聞と和解」とあるのはどういう事なんですか? 談合は無かったという事なんですか?
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0901F_Z01C12A1CR0000/
筆者:
これは「市長、頻繁に接待を受ける」という日経新聞の記事内容が過剰表現だっただけに過ぎません。
「談合そのもの」については最高裁で有罪なのでそれとこれとは話が別なんです。
その後に当選しなおしているという事で「国民から負託を受けている」という事で正当化しているんだろうとは思いますけどね。
質問者:
市長が府議と結託して談合……これは、大臣になってからも質疑で出てきそうな感じがしますね……。
筆者:
もっとも談合があったのは2005年、最高裁判決が出たのは2013年なのでこれを国会の貴重な時間を消費するのはどうなのかなとも思いますけどね。ただ、「維新第一号の大臣として相応しいのか?」と言われると怪しいと思いますよ。
他はもっと怪しくて健全そうな人が維新の会の中で極めて少ないだけなのかもしれませんけどね(笑)。
この規制改革担当大臣と言うのは「少子化担当大臣」も含むようなので、少子化対策として一体何をするのか? 注目したいところですね(マイナスの政策をしないかという意味で)。
◇「裏金問題」を過去のものにしようとしている
筆者:
また今回は「裏金問題」として挙がっていた議員が大臣として取り上げられたことも注目されました。
関芳弘文部科学大臣(当選7回 兵庫3区)は安倍派出身で836万円の不記載、簗和生農林水産大臣(当選6回 栃木3区)もも安倍派出身で1746万円の不記載があったようで、それぞれ役職停止処分6か月の処分を受けました。
関氏、簗氏は高市総理が24年の総裁選に出る際の推薦議員として名乗り上げていたので、非常に関係が近いと言えるでしょう。
質問者:
筆者:
「裏金議員」は結局追徴課税などは受けたという話も無いですからね。
会社や個人は普通収入を除外した場合は追徴課税を税務署から取られるので平等性に欠けるという批判もあります。
なんか法律で出来ないとかそう言う話もあるそうですけど、追徴課税を出来るように法改正するという話もありませんからね。ホント「自分に甘い」と言わざるを得ないです。
また、自民党は最も急所とも言えた「企業団体献金」も守ることが出来ました。
野党は自民党の弱点を押し切ることが出来ずに「終結させられた」と言っても過言では無いわけです。
質問者:
でも、時事通信の世論調査では『自民派閥の裏金事件に関与した議員を閣僚や党役員に起用することに対し、「反対」が68.6%で、「賛成」の11.8%を大きく上回った。自民支持層で見ても反対は53.6%に上った。』とありますけど、それについてはどうなんですか?
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026091700746&g=pol
筆者:
まず、時事通信の調査は比較的自民党にとって辛く出がちです。その上で「やってる感を出したら忘れてくれるかもしれない」と高市総理と安倍派出身者は思っているはずです。
前回の衆議院選挙でも争点にはなりませんでしたし、多くの国民からしたら「過去のこと」又は「投票行動に影響しないこと」として認識されている可能性が高いのです。
質問者:
確かに世論調査の設問であったから「そう言えば裏金はいけないよね」って思いだしただけかもしれませんし、時間が経てば経つほど忘れてしまう可能性は高そうですよね……。
筆者さんみたいに陰湿でいつまでも覚えている方は少なそうですから……。
◇党役員人事まで含めると「総裁選の構図」まで見える
筆者:
陰湿な性格だから覚えているわけじゃなくて大事なことだから覚えているだけですけどね(笑)。
さて、党役員人事まで含めるとかなり来年秋の総裁選の構図まで見えてきます。
特に石井準一氏(当選4回 千葉選挙区)を参議院幹事長から更迭したのは非常に大きいと世間では分析されています。
質問者:
全体の幹事長が重要なのはわかりますけど、参議院幹事長ってそんなに重要な役職なんですか?
筆者:
「参議院幹事長」って立場微妙じゃね? と思うのは言葉のイメージでありますよね。大抵は名前が長くなれば長くなるほど地位が下ですからね。
しかし、現実では参議院幹事長は参議院では非常に権力が強く参議院内でのまとめ役の中心になっているんです。
また、参議院は「独立性」を保とうとプライドを持って行動しており春の通常国会で予算が会期内で通過しなかったことや、衆議院で再可決で強行突破をすることが出来なかったことも石井参議院幹事長の影響が強かったためだと見られていました。
特に今は参議院は自民党が過半数を割っている状況ですから相対的に地位を高めている状況だったのです。
そのために高市総理としては石井氏を更迭したかったでしょうし、逆にこれを実行できたのは党内の求心力は高いままと見ることが可能でしょう。
※僕自身は石井氏の行動の方が予算の在り方や組織として健全であったと言えると思います。
質問者:
逆を言えば石井さんを中心に総裁選では「敵」に回る可能性も高いと……。
筆者:
今回、「大物」の中では唯一総務大臣だった林芳正氏が閣外になりましたからね。
林氏も今は衆議院ですが、21年までは参議院の山口選挙区でした。参議院と出身の岸田派をまとめ上げて高市氏と勝負をかけるかも分かりません。
ただ、衆議院だけで大差の状況なので高市氏は閣僚人事で最大派閥の安倍派を取り込むことで来年秋の総裁選に有利に働くと見ているのでしょうね。
質問者:
なるほど……総裁選の構図まで見えてきたという事ですか……。
当たり前ですけど衆議院選挙で大勝した高市さんが圧倒的に有利っぽそうですけどね。
来年秋にある自民党総裁選への「構図」が決まったように思いますね。
その前の春には統一地方選挙がありますが、その結果で何か変わるという事はあるのでしょうか?
筆者:
ただ、自民党が推薦している地方選挙は「高市人気」とは無関係に負けていましたからね。
「その地方固有の問題」として処理される可能性が高いのではないかと思います。
高市政権が警戒するべきは強硬な国会運営での支持率低下でしょう。
強硬的に様々な法案を通過させる方がマイナスポイントとして評価される可能性が高いのではないかと思います。
参議院幹事長だった石井氏はある意味「ストッパー」として存在していたので、やりたいことをやれるという環境は「吉とも凶とも出かねない」ということです。
ただいずれにせよ、安倍派出身者が閣内に入ったのを見るに、党内人事は石井氏の更迭、内閣改造は総裁選を見据えた人事固めと言うのは間違いないかなと思いますね。
質問者:
なるほど、秋の国会と27年の通常国会がどういう法案がどのように通過していくかが注目という事なんですね。
筆者:
自民党の話をする際についマイナスの方向ばかり話になりがちですが、自民党政権のままいい方向になってくれたらそれに越したことはありません。
ただ、過去の経験では暴走し続ける可能性の方が高く、国民側がダメな政策は駄目だと言っていかないと悪い方向に進んでいってしまうという事です。
という事でこのように政治の情勢について個人的な分析をしていきますのでよろしければご覧ください。
※9月18日追記 戦後の日本を悪い意味で作った笹川良一氏の孫である笹川博義氏が環境大臣に入閣したことも注目されています。一族が運営する「笹川平和財団」は「塀の無い刑務所」といった珍妙な提言をしたり、「自衛隊に外国人を受け入れろ」と言ったとんでもない提言を行っています。




