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究極のカオスリング   作者: I.A. Janovit
9/22

レイヤー8

ベニーの腰、手の甲、そして脚の後部にある円形の装置が回転し始めた。

「はぁ……親父にバレたら絶対怒られるな。図書館を壊されるなんて。」

ベニーは肩をすくめて笑う。

「ほんと、お前は史上最悪の厄介な客だよ。今までにも迷惑な侵入者は山ほどいたけど……間違いなく、お前が一番だ。」

「人間、地球クラン。」

その存在は低く響く声で言った。

「貴様らは、この宇宙に存在する数多の星系の中でも、最も劣等な生命体だ。」

そいつがローブを脱ぐ。

現れたのは――トカゲのような頭部。

腕はタコの触手の集合体。

そして下半身は、蛇のように長くうねっていた。

全身は未知の機能を備えたアーマーで覆われている。

「うわ……すげぇな。」

ベニーは目を輝かせた。

「お前の装備、俺のより進んでるかもしれない。」

「なぜ私が来ると分かった?」

かすれた声が響く。

「……待て。貴様、私の言葉が分かるはずがないだろう?」

ベニーは一瞬、言葉を失った。

――なぜ理解できる?

「……おかしいな。なんで分かるんだ?」

だが、すぐに考えるのをやめる。

「第一!」

ベニーは自分の疑問を無視した。

「俺の友達が“狙われてる”って聞いた時点でな、敵が単独じゃない可能性は高い。」

「待て……貴様、私の言葉が理解できているのか? 地球の下等生物が?」

「第二!」

ベニーは相手の問いにも答えない。

「異世界から来たなら、情報が必要になる。

で、一番自然で目立たない場所はどこだと思う?」

ベニーは腕を広げる。

「図書館だ。しかもここは世界最大級。」

「誰でも入れる場所じゃない。知識を求め、価値のある者だけが入れる。」

「……なのに、お前は不法侵入した。」

円形の装置が、さらに高速回転を始める。

「仲間が、俺の大切な二人を傷つけやがった。」

「その礼、きっちりさせてもらう。」

ベニーは前に踏み出した。

次の瞬間――

装置から青い雷光が噴き出し、全身を包み込む。

ドォン!

重く、激しい一撃。

電撃を伴った拳が叩き込まれた。

「……それだけか?」

冷たい声。

煙がゆっくりと晴れる。

ベニーの目が見開かれた。

――当たっていない。

殴った感触は、まるで硬い空気。

敵は元の場所から、一歩も動いていなかった。

「……は?」

「俺、空気殴ったのか? なんだよあの硬さ……」

「地球クランは、やはり愚かだ。」

その存在は指を鳴らした。

次の瞬間――

ベニーの体が吹き飛ばされ、立っていた本棚に激突する。

「くそっ……!」

「貴様は、このクランの中では優秀な部類だろう。」

「その兵器を作るのも容易ではなかったはずだ。」

怪物は嗤った。

「だが無駄だ。

私の“透明障壁”には通じない。」

――透明な、バリア……?

だから攻撃が当たらなかったのか。

「本物の技術というものを、見せてやろう。」

そいつは腕時計のボタンを押した。

数秒後――

立方体型のドローンが、次々と空間に現れる。

「……ますます面白くなってきたな。」

ベニーは口角を上げ、目を輝かせる。

「まだ俺が知らない技術だ。」

「最高だよ。」

ベニーは構えた。

「持ってる技術、全部出せ。」

「どっちの発明が最強か――ここで決めようぜ。」

彼は、不敵に笑った。

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