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究極のカオスリング   作者: I.A. Janovit
8/22

レイヤー7

「ベン、あんたの図書室は遠すぎる!

今ここを出たら、ルンに見つかるリスクが高すぎる。今の俺たちじゃ、まともに戦えない!」

俺はベニーの提案に反対した。

「誰が普通の方法で行くなんて言った?」

ベニーは肩をすくめた。

「お前がいるだろ。想像力の力で“どこでもドア”を作ればいい。

……その前に聞かせろ。能力、もう何回使った?」

ベニーは椅子から立ち上がり、いくつかの部品を手に取って溶接を始める。

「十二回中、六回だ。」

「カエリン。俺はさっき、お前についての調査を終えた。」

「親父の――医者で、昔お前を診察したことがある――記録も全部洗った。」

ベニーは手を止めずに続ける。

「結論から言うと、お前の能力には“回数制限”なんて存在しない。」

「……どういう意味だ?」

俺は眉をひそめた。

「脳の検査データを詳しく見たらな、親父ですら見逃してた生物学的異常があった。」

「お前の力は、“想像の規模”に比例してる。」

「簡単に言えば――想像が非現実的であればあるほど、脳の神経にかかる負荷は増す。最悪……死ぬ。」

ベニーは別の部品を取り、何かを組み立て続けている。

「ちょ、ちょっと待てよベン……」

「能力の使いすぎで頭が痛いってだけでも限界なのに、

想像力が強いほど脳が危険って……もう訳分かんねぇよ。」

「信じないなら、図書室で俺の研究データを見ろ。」

「分かったよ……」

「でもさ、さっきから何してんだよ? 行ったり来たりして。今めちゃくちゃ重要な場面だろ!」

ベニーは俺の文句を聞いて笑った。

「カエリン。まさか、準備なしで行くと思ってるのか?」

「……まだ何かあるのか?」

俺は髪をかき上げた。

「もし本当に“月の姫”――いや、ルンが異世界の存在ならだ。」

「お前を狙ってるのは、あいつ一人じゃない可能性が高い。」

「最後に聞く。ルンが欲しがってるのは……お前以外に何だ?」

ベニーはコンピューターを操作し始めた。

無数のケーブルが、鉄のパーツ――よく見るとアーマー――に繋がっている。

その時、俺はようやく気づいた。

ベニーは最初から、自分用の装甲を準備していたのだ。

「……この指輪か?」

俺は手にしている、奇妙な菱形模様の指輪を見せた。

「でもこれ、医療用のデバイスじゃなかったか?」

「……その指輪、見覚えがある。」

「確か……どこかの本か、資料で見た気がする。」

「――プログラム、完了。」

ベニーのAIが無機質な声で告げる。

ベニーは立ち上がり、俺の方を向いた。

「見ろよカエリン! 俺はいつだって準備万端だ!」

彼は金属製のアーマーを装着した。

驚くほど体にフィットし、動きも全く妨げられていない。

「やべぇ……仮面ライダーじゃん……」

「既存のフィクションと一緒にするな。」

「仮面ライダーは空想。これは現実だ。」

「それに見ろ――頭部に装甲はない。」

俺は頷いた。

ベニーのアーマーは本当に格好良かった。

今日の出来事を一瞬、忘れそうになるほどに。

胸部、手の甲、そして脚の後部には、用途の分からない奇妙な装置が付いている。

多角形――十角形か、それ以上か。無数の角を持つ円形の構造体だった。

「さあ、扉を作れ。」

「アルヴィナはここで休ませる。向こうじゃ戦闘になる可能性が高い。」

「なんで分かる?」

「いいから作れ!」

ベニーに急かされ、俺は集中した。

今回は邪魔もなく、落ち着いている。

――チン!

扉が現れる。

俺たちは中へ飛び込んだ。

だが――

そこには、すでに“誰か”がいた。

小柄な体をローブで包んだ人物。

だが、放つ雰囲気から分かる。

――こいつは、技術の専門家だ。

その人物は、何の遠慮もなくベニー家の図書室を荒らしていた。

紙は散乱し、棚は倒れ、見るも無惨な状態だった。

ここは世界最大級の私設図書館。

一般公開されていないのは、機密情報が大量に保管されているからだ。

やがて、その人物は俺たちに気づき、こちらを見る。

「……その指輪を渡せ。今すぐだ。」

掠れた、不気味な声。

「カエリン、棚番号201だ。」

「そこに答えがある。お前の力で全部動かせ。」

ベニーが俺の肩を叩いた。

「無理だ! あんな量、想像でも不可能だろ!」

「想像力ってのはな、“可能”と“不可能”の境界を壊すもんだ。」

「お前ならできる。今すぐ行け!」

「ここは俺が引き受ける。後で一緒にドアで戻るぞ。」

ベニーは、黒衣の人物を真っ直ぐ見据えた。

「……分かった。」

俺は走り出す。

「逃がすか!」

黒いローブの人物がトライデントを取り出し、そこからレーザーが放たれた。

間一髪――

だが、ベニーが装甲でそれを弾いた。

「ノー、ノー。」

「お前の相手は――俺だ。」

ベニーは肩を回し、戦闘態勢に入った。

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