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究極のカオスリング   作者: I.A. Janovit
31/39

自然7

「不可能なことを想像しろ、カエリン!」

俺は心の中で自分自身にそう叫んだ。

「よし、今なら何をすべきか分かる」

俺は呟いた。

「うるさい! 口数が多いんだよ!」

ソラはすでに俺の目の前に立ち、エネルギーの剣を振り下ろす構えを取っていた。

「今回は違う」

俺は体を大きく反らすほどに身をかわし、ソラが立っていた足場を蹴り飛ばした。バランスを崩したソラが倒れる。

「さあ、これも壊してみろよ」

俺は意識を集中させる。次の瞬間、手にぴったり合う二つの鉄製のグローブが出現し、即座に装着された。甲の部分には、スピーカーのような装置が取り付けられている。

「何をするつもりだ? 踊るのか?」

ソラは嘲笑い、笑った。

「できない奴ほど、そうやって馬鹿にするもんだ」

俺は言い返す。

「ちくしょう!」

ソラは忍者のように木々の間を駆け抜ける。その速さは、目で追うのも困難だった。

「これを喰らえ!」

ソラが突進してくる。

俺は動きを察知し、わずかに跳んでエネルギー剣の突きを避けた。

ソラは舌打ちする。攻撃は地面を抉っただけだった。

「こっちへ来い!」

怒りを露わにし、容赦のない攻撃が始まる。

「なあ、なんでそんなに俺の指輪を欲しがる!?」

俺は必死に避けながら叫んだ。

「家庭を持つ身なら、自分の家族を大事にしろ!

その強大な力を持つ指輪は忘れろ!

さもないと、全て失うぞ!」

ソラは攻撃の手を緩めない。

汗が滲み、呼吸が乱れる。このまま長引けば、いずれエネルギー剣に斬られて死ぬ――そう直感した。

「いつまで逃げてるつもりだ?」

ついに剣が俺の腕を掠めた。焼けるような痛み。

「いいぞ。攻撃を続けてやる!」

ソラはさらに攻め立てる。

痛みが腕から広がる。一本、二本。

息が荒くなり、剣の一振り一振りが、より近く、より致命的に感じられた。

俺は後退し、木の根に足を取られる。

「くそ……」

ソラは間を与えない。嵐のような斬撃。

跳び、転がり、必死に受け流す――だが体は小さな傷だらけだ。

温かい血が流れ、頭がぼんやりする。

「なぜ反撃しない!?」

ソラが怒鳴る。

「それとも、もう諦めたか!?」

胸の痛みに耐えながら、俺は薄く笑った。

「まだだ」

小さく答える。

「ただ……お前を待ってただけだ」

「何?」

俺は走り出した。逃げるためじゃない。

理屈に合わない方向――森の中央にある開けた場所へ。

「止まれ!」

感情に支配されたソラが追ってくる。

――いい。

上空から突き刺そうと跳び上がった、その瞬間――

ドンッ!

俺は両手のグローブで地面を叩いた。

音は聞こえない。だが、体で分かる。

空気が波打ち、地面が微かに震える。

ソラは後方へ吹き飛ばされ、乱暴に地面へ落ちた。

「……今のは……?」

俺は足を引きずりながら立ち上がる。

グローブが低く脈打っていた。

「エネルギー妨害装置だ。

電磁音波――お前の剣はエネルギー依存だろ?」

ソラは立ち上がろうとするが、動きが鈍い。

剣のオーラが不安定に揺れる。

「……ありえない……」

俺は待たない。

地面を踏み鳴らすと、足元にエネルギーのトランポリンが出現した。

空へ跳ぶ。

遅かった。

上空から叩き落とす。

横、背後――次々とトランポリンが現れ、

俺の体は予測不能な軌道で跳ね回る。

現れるたび、拳を叩き込み、

振動波が追撃する。

「ぐっ――!」

「なっ――!」

「くそっ――!」

反撃しようとするソラの剣は、波動に歪められる。

次のトランポリン。

考える隙を与えない。

一撃。

二撃。

三撃。

地面がわずかにひび割れた。

ついにソラは倒れ伏し、荒い息を吐く。

エネルギー剣は弱まり、やがて消えた。

俺は数歩離れた場所に着地する。

膝が震え、手も激しく揺れていた。

それでも――立っている。

ソラは苦しそうに笑った。

「はは……本当に……妙な奴だ」

彼は腕輪の通信装置を起動する。

「デクスター……出ろ……」

返事はない。

「デクスター?」

空気が一変した。

重い足音が、木々の向こうから近づく。

現れたのは、一人の人間。

黒い服に身を包み、顔は影に隠れている。

その手には――

動かないデクスターの体が握られていた。

ソラは凍りつく。

「この猿の名前はデクスターか。ほら、返してやる」

謎の人物は無造作に、その体を地面へ落とした。

「……デクスター?」

ソラの声は震えていた。

俺は唾を飲み込む。胸が締め付けられる。

やがて、その人物は顔を上げ、俺たちを見た。

静かだが、抗えない圧。

「面白い戦いだった」

淡々とした声。

「だが……お前たちは騒がしすぎる」

彼は俺とソラを指差した。

背筋が凍る。

さっきまでのソラが――一歩、後ずさった。

そして初めて見た。

ソラが、恐怖を見せた瞬間だった。

俺は拳を握りしめる。

誰だか分からない。

だが、はっきりしていることが一つある。

――最悪の敵が、今ここに現れた。

そして俺は……

もう、限界に近かった。

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