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究極のカオスリング   作者: I.A. Janovit
28/53

自然4

「ハンター……? どういう意味だ?」

俺は心の中で呟いた。

体が前後に揺れ始め、動けば動くほど、プロペラのように回転してしまう。

「放せ! おい、ハンターさん!」

めまいを感じながら叫んだ。

「お前たち、例の無責任な連中だろ? しかも驚いたことに、神聖な森にウイルスをばら撒こうとする夫婦を見るのは初めてだ! それにだ、独り身の俺の目の前で堂々とイチャつきやがって!」

その男は自分の髪を整えた。

一瞬の静寂。

聞こえるのは、鳥のさえずりだけだった。

「……は?」

俺は首を傾け、眉をひそめる。

「夫婦?」

「誰のことを言ってるんだ?」

下にいたルンも同じように困惑していた。

「ふざけるな! まだ幼い子どもの脳まで毒しているじゃないか! 闇の力を、子どもに植え付けるなんて許されるはずがない!」

白髪の男はルラを指さした。

その言葉が放たれてから数秒。

俺とルンは互いに顔を見合わせ、そして眠っているルラを見て、ようやく彼が誰を指しているのか理解した。

「俺たちは夫婦じゃない!」

俺とルンは同時に叫んだ。

「おい、白髪男。どうやら勘違いしてるみたいだな。俺たちはただの友達だ。その小さな子は俺の妹だ。こんな口の悪い女と結婚するわけないだろ。」

俺は説明した。

「何ですって?!」

ルンが怒鳴る。

「こっちこそ願い下げよ! たとえこの世界に男が一人しか残ってなくて、それがあんただとしても、一生独身のほうがマシよ!」

「茶番はもういい!」

白髪の男は叫んだ。

「騙す気か? 夫婦じゃないなら、その指輪は何だ?!」

今度は、俺の指にある指輪を指差す。

「指輪をしてるからって、結婚してるとは限らないだろ! 脳みそどこ行ったんだ、羊頭!」

「何だと?!」

男は激昂し、右腕を突き出す。

手首のブレスレットに装着された武器が俺を狙った。

右は遠距離武器、左は……レーザーで形成された剣?

「死ね!」

弾丸が高速で飛んでくる。

俺は必死に体を揺らし、なんとかかわした。

「危なかった……」

安堵の息をつく。

「本当に?」

再び弾丸の音。

次の瞬間、俺を縛っていたロープが切れた。

体が宙に放り出される。

「くそっ!」

俺は叫びながら落下した。

――今の、何だ?

ルンが右手を空に掲げる。

「月のクッション!」

雲のような塊が現れ、トランポリンのように俺を受け止めた。

「……柔らかい。これ、雲か?」

立ち上がりながら尋ねる。

「そう言えなくもないけど、実際は雲じゃない。」

ルンはそう言って、俺から顔を背けた。

「……どうした?」

俺は目を細めた。

「自分で考えなさい! 男って本当に最低。あんたみたいな夫? ありえない。」

怒りを隠さない声だった。

「今はそれどころじゃない。先にあいつを片付けよう。」

俺はルンを落ち着かせようとする。

全員の命が懸かっている。

彼女の機嫌を損ねたままでは、最悪、俺や妹まで殺されかねない。

「これが終わったら、何でも言うことを聞く。約束する。」

「嫌よ。」

ルンは首を振る。

「どうせあんたは“イマジネーションの指輪”の継承者でしょ? 私が手を貸す意味ある?」

――この女……。

正直、一発殴りたくなった。

だが、こういう展開には慣れている。

アルヴィナも怒ると、まったく同じだ。

俺は額を叩いた。

「おい、そこの二人。」

男が高い木の上から降りてきた。

骨を折ることもなく、完璧な着地だ。

「今、彼が“イマジネーションの指輪の継承者”だと言ったな?」

男はゆっくりと近づいてくる。

「なら、その指輪を渡せ。そうすれば家族連れのお前たちは見逃してやる。」

冷たい声だった。

「どうだ?」

白髪の男から、強烈な圧が放たれる。

空気が重くなる。

「……性格、変わったわね。」

ルンが小声で言う。

俺は首を横に振った。

「この指輪は渡さない! それに何度言えば分かる? 俺たちは夫婦じゃない! ルンが抱えてるのは俺の妹だ!」

警戒本能が強く働く。

「頑固だな。」

男は頭をかきながら言った。

「ならこうしよう。決闘だ。勝ったほうが指輪を手に入れ、負けたほうは勝者の命令に何でも従う。」

「そんなの選ばない!」

俺は叫んだ。

「今すぐ決めろ。さもなくば、妻と子どもが死ぬ。」

その瞬間、ルンの足元に光の檻が出現した。

鉄格子ではない。レーザーの檻だ。

中には――俺の妹とルラ。

「ルン! ルラ!」

俺は叫ぶ。

ルンは一瞬驚いたが、ルラを起こさないよう必死に平静を保つ。

檻はそのまま宙へと引き上げられ、鳥かごのように木に吊るされた。

「……どうやら、強制参加みたいだな。」

白髪の男は歪んだ笑みを浮かべた。

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