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究極のカオスリング   作者: I.A. Janovit
27/27

自然3

「えっ、ここに手がかりがある。」

俺は深い森の真ん中に立つ案内板を、戸惑いながら見つめた。

『この森林区域への立ち入り禁止。この区域はウイルスから隔離されなければならない!』

「その“ウイルス”って、ルドの仕業じゃないのか? タムズが連れてきたあの存在の……?」

俺はアルヴィナの母から聞いた話を思い出しながら尋ねた。

「分からない。でも気をつけたほうがいい。厄介なことが起きるかもしれない。」

ルンがそう言った。

「それもそうだけど、まずは食べ物と飲み物を確保しないと。……あれは何だ?!」

俺は一本の木を指差した。幹に絡みつく根の隙間に、木と一体化したような筒が埋まっている。

「これは何の木だ? 変だな……人工の木みたいじゃないか?」

俺は首をかしげた。

「やっぱりね。君は本当にダメだな。もし“ベニー”っていう君の友達がいたら、長い説明になっただろうけど。」

ルンはまた俺をからかった。

彼女は背負っていたルラを見事に眠らせていた。

「ほら、妹が寝たよ。」

「そのままでいい。ルラが泣いたら大変だ。それに、ここにどんな恐ろしい生き物がいるか分からないし。ところで、俺の質問にはまだ答えてない。」

俺はその筒に触れた。

「詳しくは知らない。でも知識によれば、“自然のクラン”はすべて木を源としている。彼らの資源は、木に宿るエネルギーに依存しているんだ。もちろん、君の出身である下位クランにある普通の木とは違うけどね。」

「なんでいちいち人をバカにするんだ?! 皮肉抜きで、簡単に説明できないのか?」

俺は納得がいかなかった。

「さあね。ただそうしたいだけ。」

ルンは小さく笑った。

数分間、俺たちは森の中を進み続けた。とても平和で、脅威となるものはまだ現れていない。

空を飛ぶ象、風船のように膨らんだ羊、四本の角を持つサイ――。

自然のクランにいる生き物は、地球のものとはまるで違っていた。

新しい世界なら、すべてが新しいのも当然だ。

「さっきから、食べ物が一つも見つからない。」

俺は不満を漏らした。

腹の鳴る音が大きく響き、ルンにも聞こえてしまう。

「誰かさん、お腹空いてるみたいだね。」

ルンはまた意地悪そうに言った。

「うるさい!」

「ところで……ずっとルラを抱えていて疲れないのか? どれくらい歩いたか分からないけど、普通は腕が痛くなるだろ。抱っことか。」

俺は眠っているルラを見つめた。

「平気だよ。」

ルンは首を横に振った。

「私にも弟がいるから。こういうことは慣れてる。」

そう言って、安らかに眠るルラを見て微笑んだ。

「……面白いな。」

「何が?」

「いや、君と戦っていたときは全然違う印象だった。でも、たった数時間でも友達になってみたら、口は辛辣で意地悪だけど、実は妹思いの“お姉さん”なんだなって。」

俺はゆっくりと両手を頭の後ろに組んだ。

「そんな短時間で私を判断するの? まだお互い信用できる段階じゃないでしょ。」

ルンは眉をつり上げた。

「君、意外とバカだな。」

俺は笑った。

「何を笑ってるのよ?!」

今度はルンが怒った。

俺は足を止め、ルンに近づいた。

「前にも言っただろ? 裏切るかどうかは後でいい。友達になるなら、まずは信じることからだ。」

俺は彼女の鼻をボタンみたいに軽く押した。

いつの間にか、不安は消えていた。

俺は、いい人だと思った相手には、自然と心を開いてしまう。

「ちょっと、それ失礼でしょ! なんでそんなことするの?!」

ルンはさらに怒る。

「別にいいだろ。君の鼻がボタンに見えたから押しただけ。」

俺は気楽に答えた。

まだ少し不機嫌なまま、ルンは俺の背中を見つめ、やがて小さく微笑んだ。

「……信じる、か。」

彼女はそう呟いた。

――その瞬間。

シュッ!

突然、縄が俺の足に絡みついた。

俺はそのまま木の上へ引き上げられ、逆さまになる。

幸い、木はそれほど高くなかった。

「何だこれ?!」

俺は叫んだ。

「カエリン?!」

ルンが声を上げる。

「見ろよデクスター、なかなか良い獲物を捕まえたぞ。」

誰かが高い木の上へ跳び移った。

波打つ白い髪、ベストのような服、裂けたような筋肉。

両手首のブレスレットには遠距離武器が装着されている。

「ソラの狩人が来た。早くここから離れろ!」

そう言って、青く輝く美しい瞳をこちらに向けた。

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