レイヤー1 2
超小型の立方体ドローンが、ベニーの攻撃をさらに困難なものにしていた。
「くそっ、やりづらすぎだろ……ほんっと厄介なドローンだな!」
ベニーは悪態をつきながら、アーマーの腕部から雷撃を放つ。
「分かっているのか、下等な人間よ。地球のクランが他のクランより優れているなどという話は存在しない。貴様らは最弱だ」
恐ろしい存在が冷たく言い放つ。
――ジリィン……!
ドローンは容赦なく攻撃を続け、いくつものレーザーがベニーの身体を掠め、あるものは直撃した。
「仕方ねぇ……あの能力を使うしかねぇか。リスクはデカいが……やってみるしかねぇ!」
ベニーは小さく呟く。
五か所に配置された円形装置が、次第に高速回転を始める。
そこから生まれる青い雷は、先ほどよりもはるかに巨大だった。
やがて円形装置はアーマーから分離し、空中に浮かび上がる。
それぞれが別々の地点へと高速移動し――ただ一つだけ、胸部の装置が残された。
「喰らえ! ライトニング・ゾーン!」
雷で構成された、立方体状の檻が形成される。
そしてベニー自身も、その中にいた。
「それで何をするつもりだ? 無駄だ」
敵は嘲笑する。
「トカゲ野郎。オレの戦略、分かってねぇだろ?」
ベニーは不敵に笑った。
次の瞬間、数千ボルトの青い雷が一体のドローンを直撃する。
それは連鎖的に起こり、次々とドローンが機能停止していった。
再び青い雷を全身に纏い、ベニーは高速で突進する。
「今度は違う結果になるぜ!」
彼の拳が、透明なバリアを打ち抜いた。
「何が違う?」
敵は嘲る。
だが次の瞬間――
胸部に残された円形装置へ、青い雷が落ちる。
一度、二度、三度……
合計十回もの雷撃。
「死んでいるはずだろう!? 貴様、正気か人間?!」
敵は明らかに動揺した。
本来なら即死してもおかしくない雷撃。
だが天才であるベニーは、この世界の科学者たちの想像を超える“狂気”に辿り着いていた。
ベニーは豪快に笑う。
「オレの心配してんのか? それより自分の身を案じろ。次はこれだ!」
胸部の円形装置が超高速回転を始め、内部に莫大な雷エネルギーが蓄積されていく。
拳を覆う青い雷は、限界まで膨れ上がっていた。
「ライトニング・フィールド・エクスプロージョン!」
胸部だけでなく、立方体の雷の檻そのものが、同時に透明なバリアへ雷撃を放つ。
「貴様……本当に狂った人間だ!」
異形の存在は震え、全神経を集中させてバリアを強化する。
それを見て、ベニーは確信したように笑った。
「無駄だ!」
雷の出力はさらに上昇する。
アーマーは過熱し、システムエラーを起こし始めていた。
「人間を甘く見るな!
人間を強くするのは技術じゃねぇ!
未来をどう考えるか――その“思考”こそが、俺たちを簡単に諦めさせねぇんだ!」
限界まで高められた雷撃。
ベニーの拳がバリアを押し込み、透明な壁に亀裂が走る。
「これで終わりだ!」
――ドンッ!!
眩い閃光が炸裂し、図書館の大半の書架と物品が焼き尽くされた。
――静寂。
身体の一部が焦げ、立っているのも奇跡の状態でありながら、ベニーは倒れなかった。
完全に破壊されたアーマーを見下ろし、次に、焼き尽くされた敵を見つめる。
「ゼロ・サンダーって名前、付けてやろうと思ってたのによ……」
ベニーは壊れたアーマーを押さえた。
「……終わった、か?」
「本当にすごかったよ、ベン」
俺はルンを抱えたまま、彼の元へ駆け寄る。
「カエリン? 指輪が光ってる……?
それに、あれだけ能力使ってたのに、倒れてねぇのか?」
ベニーは驚いた表情を見せる。
「長い話になる、ベン」
俺はそう答えた。
ベニーは微笑んだ。
「一つだけ聞かせろ……なんで、そいつを殺さなかった?」
意識が途切れかけた次の瞬間――
――ドサッ。
力尽き、ベニーは倒れた。
俺は気を失ったベニーを見下ろし、そして腕の中のルンを見る。
「分からないよ、ベン……」
俺は静かに呟いた。
「ただ……体が勝手に動いて、助けてた」
やがて俺は再び“どこへでも行ける扉”を開き、
ベニー、異形の存在、ルン、そして残された201番ラックの書物を連れて、その場を後にした。
数分後――
黒い煙と共に、巨大で長身の、黒衣の人物が現れる。
彼は焼け落ちた書架の残骸を踏み砕きながら呟いた。
「……どうやら、私は彼らを甘く見すぎてい
レイヤー 11 のストーリーの結末をもう一度読んでみてください。ストーリーに若干の改善が加えられています。
ありがとうございます




