第13話 どう考えてもそういう行為に及んだ後に体を洗ったからとしか思えないぞ
「ところで今日は帰ってくるのがやけに遅かったような気がするが何をしてたんだ?」
「ああ、火曜日と金曜日は図書室でさっきの子に勉強を教えてるんだよ」
「なるほど、蓮お得意の優等生プレイを楽しんでたわけか」
俺の言葉を聞いた楓姉は呆れたような表情を浮かべながらそう声をあげた。ぶっちゃけその通りだがもう少し別の言い方でも良かったのではと思ってしまう。優等生プレイは俺を馬鹿にしているようにしか聞こえない。
「優等生プレイって言い方をするのは辞めろ」
「でも事実だろ?」
「まあ、そうだけどさ」
本当のことなので何も言い返せなかった。楓姉は俺の本性をよく知っているためその辺りに関しては本当に容赦がない。そんなことを思っていると楓姉は何かに気付いたようで突然表情が険しくなる。
「……なあ、蓮は図書室で勉強をやった後まっすぐ家に帰ったのか?」
「いや、寄り道したけど」
一体何故楓姉が何かを警戒するような表情になったのかは分からなかったが、俺はひとまず質問に対して正直に答えた。すると楓姉の表情はますます強張る。
「ま、まさかとは思うが女子の家に上がったんじゃないだろうな……?」
「えっ、何で分かったんだ!?」
柚月さんの家に寄ったことなんて一言も話していなかったはずなのに言い当てられたため、俺は驚きのあまりそう声をあげた。すると楓姉は俺の肩を思いっきり掴んでくる。
「女子に手を出すなんて何を考えてるんだ、いくら何でも流石にそれは駄目だろ」
「……えっ?」
「確かに蓮は優等生の皮を被っているかもしれないが、まさか本物の屑になるようなことをするとは思わなかった」
突然のことに頭がついていかず楓姉から何を言われているのか理解できなかった俺だったが、すぐにとんでもない誤解をされていることに気付く。
「いやいや、手なんか出してないから」
「じゃあ何で蓮の体からシャンプーやボディーソープの匂いがするんだよ? どう考えてもそういう行為に及んだ後に体を洗ったからとしか思えないぞ」
「一緒に帰ってる最中にトラックに水しぶきを浴びせられて全身びしょ濡れになったから服を乾かすついでにシャワーを借りただけだ」
「……えっ、そうなのか?」
「当たり前だろ、楓姉の想像力が豊か過ぎて普通にドン引きなんだけど」
ヒートアップしていた楓姉だったが俺の言葉を聞いてようやくトーンダウンし始めた。どうやらシャワーを浴びた時にいつもの癖でシャンプーとボディソープを使ったせいでこんな誤解を招いてしまったらしい。
「楓姉って昔から思い込みだけで暴走する癖があったけど相変わらず直ってないんだな」
「うっ、すまない」
「そもそも恋愛経験が全くない俺がそんなこと出来るわけないだろ」
「確かによくよく考えたら蓮は優等生プレイしか眼中にないし、恋愛関係なんてそもそも興味なんてなかったな」
確かに俺は自分の私利私欲を満たすことを優先しているが、別に恋愛関係のことに対して興味がないわけではなかった。
俺も健全な男子高校生なんだからエロいことには普通に興味がある。だが、承認欲求や自己顕示欲を満たす方が俺の中では優先度が高いため、結果的に後回しにしているだけなのだ。
「って訳で俺は柚月さんとは何も無かったから」
「……ん、柚月さん? 図書室の子は確か伊丹さんって名前だったような気がするんだが」
うっかり余計なことを喋ってしまいまずいと思った俺はこれ以上墓穴を掘るのを避けるために会話を終了させようする。
「こ、この話はそろそろ終わりにしないか?」
「いや、蓮が詳しく話してくれるまでは辞めない」
結局、母さんが部屋に呼びにくるまでこの話は続き、食事が終わった後も根掘り葉掘り追求された。口は災の元とはまさにこのことだろう。
以上で第1章は終了です、お読み頂きありがとうございました!第2章からはヒロイン同士が少しずつ絡み始めます。
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