表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第一章〜あかりんは、看護師さん

第1章です。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。

あかりんが看護師であるというのを知ったのは、つい三日前のことだった。

リスナーの一人からの質問がきっかけだった。

「あかりんさん、お仕事は何をしてらっしゃいますか?この時間、配信することが多いように思うのですが、朝帰りですか?朝は暇なのですか?ひょっとして夜職、水商売?」

そんな不躾ぶしつけとも思えるコメントがディスプレイ内のコメント・ビューワに現れたのだ。

コテハン━━コテハンとは、固定ハンドルネームのことであり、コメントを送るユーザー自身が自分につけるインターネットの世界内で使用するニックネームみたいなのだけれど━━を見れば、この番組内でほよく目にする常連リスナーのコテハンなのであった。、

その答えは、個人情報であるしプライベートなことだからと答えるのをあかりんがしぶるのきと思っていたのだ。

ところが、彼女。

『冗談じゃない。失礼ね。そんなんじゃないですよ!夜勤明けには違いないけとね。ある意味お夜職かもしれないけどお!』

などと怒り出したのである。

その勢いに気圧けおされたのか、文字テキストでコメントはぴたりと止まった。

「失礼しちゃうわ!」 

いかりんはふくれっ面。

僕は別に夜のお仕事の方々にとくに偏見みたいのはないから、彼女が怒る理由は分からなかったけれど、とにかく彼女は続けた。

「わたし、看護師だよ!ひとの命を救う方の仕事してんのよ」 

口が悪かったのかもしれない。が、ともかく、その答えを聞いて僕は喜んだ。いや、 喜んだのは僕だけではないかもしれない。

看護師さんだからというのではなく、しのプライバシーを共有できるというのは男にとって至上の喜びなのに違いない。

案の定、あかりんを冷やかすようなコメント、逆に応援するコメントなどが乱れ飛んだ。

━━あちゃあー。やっちゃったな。あかりん。言わなきゃいいものを。リスナーの挑発に乗ってしまったな。

僕は彼女の身の上を心配した。

食事を調べたと言って、具体的な昨晩は知られたわけではないし、その企業名 だって今の段階でわかるはずもない。一見 心配することはなさそうだけど、いやいや ネットユーザーめるものではない。たった1つの関係のなさそうな情報から、プライバシーを特定してしまうのが ネットユーザーというもの。

油断はならないものなのなのだ。

そこら辺のところは、少し歳を行って見えるあかりんより、僕たちの世代の方が身をもって知っているのかもしれないけれど。

お読みになっていただきまして、誠にありがとうございました。まだまだ書きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ