6.
エルフの里での平和な日々が続く中、突然現れた迷い人、ツクロー。彼は意外にも強靭な力を持っていた。木刀での勝負で、魔法は禁止された。アレンは一方的に不利な条件下で試合に臨んだが、ツクローの実力に圧倒され、自らの実力不足を痛感した。
しかし、ツクローは優勢だと分かるや否や、傲慢な態度を取り始めた。「俺が勝ったら、エルフ達は全員奴隷だ。お前は殺す」と言い放ち、気色悪い笑みを浮かべながら、アレンの攻撃を軽々と躱した。
アレンは怒りを抑えながらも、冷静さを保ち、ツクローとの対決に集中した。彼は自らの実力と技術を最大限に発揮し、ツクローに立ち向かった。
試合は白熱し、ついには場外へと出てしまった。近くで観戦していたエルフ達の顔や身体を木刀の先端で切り付けながら、ツクローはアレンに迫った。
焦りと怒りが心をかき乱す中、アレンはツクローの攻撃をかわしつつ、自らの実力を振り絞って戦った。しかし、ツクローの技量は依然として圧倒的であり、アレンは苦戦を強いられた。
そんな中、ツクローの振り下ろした一太刀が幼いエルフの顔面を強打した。その瞬間、アレンの心に激しい怒りと悲しみが渦巻き始めた。その怒りによって、彼の力が解放され、ツクローを吹き飛ばした。
ツクローは驚愕の表情を浮かべながら地面に叩きつけられ、動けなくなった。アレンは彼の傲慢な振る舞いに対する怒りと、エルフたちを守るための強い意志を胸に抱いていた。
アレンはツクローに木刀を突き付けると、彼は試合を放棄した。しかし、アレンの怒りは収まらず、逃げるツクローを一瞬で消し炭にした。エルフたちは驚きと戸惑いの表情を浮かべながら、アレンに問いかけた。
「何故彼を殺したのですか?」と。
アレンは静かに答えた。「彼は強かった。生かしておけば君たちの脅威になるだろう」と。
その言葉に、エルフたちは困惑しつつも理解を示した。アレンは彼らに謝罪し、自らの行動に巻き込んでしまったことを深く後悔した。そして、その場から逃げるように去った。
彼の心は複雑な思いで満たされていた。彼は自らの力を恐れ、同時にその力を使う責任と後悔に苛まれた。
しかし、それとは異なる、奇妙な感覚も芽生え始めたーーー。