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3.

リリアンと共にエルフの王サリヌンティウスに面会するため、アレンは王宮の奥深くへと案内された。長い廊下を進み、豪華な装飾が施された扉の前で立ち止まったとき、アレンは心の中で次なる試練に向けて気を引き締めた。


扉が開かれ、二人は大広間に通された。そこには威厳に満ちた王サリヌンティウスが玉座に座り、周囲には護衛兵が厳重に警戒していた。サリヌンティウス王の目は冷たく鋭く、アレンとリリアンを見つめていた。


「アレン殿、貴殿が我が王国を守るために来たとリリアンが申しておる。しかし、先ほどの侵入者との戦いを見ていた。貴殿の力はあまりにも強大すぎる」


王の言葉に、アレンは緊張感を覚えた。護衛兵たちが徐々に二人を取り囲む中、アレンは冷静に王の目を見つめ返した。


「王サリヌンティウス様、私はただ王国を守りたいだけです。侵入者は確かに私が倒しましたが、それは皆様を守るための行動でした」


サリヌンティウス王は深く考え込むように眉をひそめたが、やがて厳しい表情のまま言った。


「貴殿の力が善なるものであることを証明するためにも、少しの間、こちらで身柄を拘束させてもらう」


リリアンが驚きの声を上げようとしたが、アレンは彼女を制し、静かに頷いた。


「わかりました、王様。私はその間に、私の真の意図を理解していただけるよう努めます」


護衛兵たちはアレンを連れて獄へと向かった。彼は冷たい石壁に囲まれた狭い牢獄に入れられ、扉が重く閉じられる音が響いた。


狭く暗い牢獄の中、アレンは一人座り込み、自分のこれからを考えた。彼の力は確かに強大だが、その力をどう使うかが重要であると悟った。今ここで、焦って力を振るうことは逆効果だと理解していた。


アレンは静かに瞑想を始め、自分の心を落ち着かせた。彼の頭の中には、師匠エリオットの教えが浮かんだ。


「アレン、真の力とは、ただ強いだけではなく、正しい目的のために使うことだ」


エリオットの言葉が彼の心に響き渡り、アレンは決意を新たにした。王サリヌンティウスに自分の真意を理解してもらうために、どうすればよいかを考え続けた。


数日が経ち、リリアンが訪ねてきた。彼女は心配そうに牢の前に立ち、アレンに声をかけた。


「アレン、大丈夫?何かできることはないかしら?」


アレンは微笑み、リリアンに感謝の意を示した。


「リリアン、ありがとう。大丈夫だ。王に私の真意を理解してもらうために、もう少し時間が必要だ。君はその間、王に私のことを説明してほしい」


リリアンは頷き、アレンの言葉を心に留めて去っていった。アレンは再び瞑想を続け、自分の力をどう使うべきか、何を目指すべきかを深く考えた。

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