2.
リリアンが仲間になり、アレンとの旅が始まって数日が経った。二人は険しい山を越え、深い森を抜け、ついにリリアンの故郷であるエルフの王国にたどり着いた。王国は美しい自然に囲まれ、魔法の力が満ち溢れていた。
「ここが私の故郷、エルフの王国だわ」
リリアンは懐かしそうに辺りを見渡し、アレンに紹介した。アレンはその美しさに感嘆の声を漏らしたが、同時にリリアンの故郷を守る決意を新たにした。
二人が王宮に到着すると、リリアンは王と会うための準備を始めた。しかし、その時、突然の警報が響き渡った。王国の警備兵たちが慌ただしく動き回り、何かが起こっていることを知らせていた。
「侵入者が現れた!王宮の門を破ろうとしている!」
警備兵の叫び声に、リリアンとアレンは顔を見合わせた。アレンはすぐに行動を起こし、リリアンに向かって言った。
「リリアン、私が行く。君は王と話して、彼らの安全を確保してくれ」
リリアンは一瞬ためらったが、アレンの決意のこもった眼差しに頷き、王宮の奥へと急いだ。
アレンは門の方へと駆け出し、侵入者が現れた場所へと向かった。そこには、黒いローブをまとった数人の魔法使いが集まっており、強力な魔法を使って門を破壊しようとしていた。
「これ以上の破壊は許さない!」
アレンは叫び、両手を前に突き出した。瞬間、彼の周りに強大な魔力が集まり、眩いばかりの光が放たれた。侵入者たちはその光に驚き、立ち止まった。
「お前は何者だ!」
一人の魔法使いが叫んだが、その声は恐怖に震えていた。アレンは冷静に答えた。
「私はアレン。この王国を守るために来た魔法使いだ」
侵入者たちは再び攻撃の構えを見せたが、アレンの圧倒的な力の前に全く無力だった。彼は片手を振り上げ、一気に強力な攻撃魔法を放った。火炎の竜が現れ、侵入者たちに向かって突進した。彼らは抵抗する間もなく、瞬く間に炎に包まれ、跡形もなく消し去られた。
「これが、私の力だ」
アレンは静かに呟き、戦いの跡を見つめた。彼の圧倒的な力を目の当たりにしたエルフの警備兵たちは、驚愕と感嘆の声を上げた。
「なんという力だ…」
「彼が本当にあの伝説の魔法使いの後継者なのか?」
アレンは周囲の視線を感じながらも、リリアンの元へと戻った。彼の心には、さらなる試練が待ち受けていることを予感していた。エルフの王国を守ることで、彼の旅は新たな段階へと進むことになるのだった。
リリアンと再会したアレンは、王と面会し、彼らの協力を得るための話し合いを始めた。ゼイロスの脅威が再び世界を襲う前に、彼らは結束し、その力を最大限に発揮する必要があると感じていたーーー。