1.
遥か昔、まだ世界が若く、魔法が大地に満ち溢れていた頃、五つの大陸は平和と繁栄に包まれていた。しかし、ある日、闇の魔法使いゼイロスが突如として現れた。彼は強大な力を持ち、その魔力は闇を呼び寄せるものであった。ゼイロスは古代の魔法書「エルダーグリモワール」を手に入れ、その力を使って世界を闇に包もうと企んだ。
エルダーグリモワールは、無限の知識と魔力を秘めた古代の書物であり、それを手にした者は全てを支配する力を得ると言われている。ゼイロスはその力を使い、無数の恐怖を生み出し、各地に混乱と破壊をもたらした。彼の闇の軍勢は次々と都市を襲い、人々は恐怖に震えた。
そんな中、一人の勇敢な魔法使いが立ち上がった。彼の名はセリウス。セリウスは強大な光の魔法を操り、ゼイロスの闇に立ち向かうことを決意した。彼は幾多の試練を乗り越え、仲間たちと共にゼイロスの城へと向かった。
最後の決戦は激しく、長きに渡り繰り広げられた。闇と光がぶつかり合い、大地は震え、空は裂けた。セリウスとゼイロスの戦いは、まるで世界そのものが崩壊するかのようだった。しかし、セリウスは諦めなかった。彼は全ての力を振り絞り、最後の一撃でゼイロスを打ち倒した。
ゼイロスが倒れると同時に、エルダーグリモワールはその力を失い、セリウスはそれを封印することに成功した。彼はグリモワールを安全な場所に隠し、二度と悪用されないようにした。そして、ゼイロスの闇の力もまた、封印された。
時は流れ、世界は再び平和を取り戻した。だが、ゼイロスの存在とエルダーグリモワールの伝説は、人々の記憶の中に深く刻まれていた。いつの日か、再び闇が蘇ることを恐れ、人々は警戒を怠らなかった。
そして現代、若き見習い魔法使いアレンは、まだ知らぬ運命の試練に立ち向かうこととなる。彼の師匠エリオットは、アレンに託された使命を果たす時が来たことを悟り、彼を異世界へと送り出す準備を進めていた。エルダーグリモワールと闇の魔法使いゼイロスの伝説が再び動き出す時が来たのだ。
ーーー
アレンは、魔法学院の中でも飛び抜けた才能を持つ見習い魔法使いであった。彼は生まれつき膨大な魔力を持ち、幼少の頃からその力を制御する術を学んできた。師匠であるエリオットは、アレンの潜在能力を見抜き、特別な訓練を施してきた。
ある日、エリオットはアレンを秘密の書庫に呼び出した。
「アレン、君の最終試練の時が来た」
エリオットの厳しい表情に、アレンは背筋を伸ばした。彼は常に師匠の期待に応えたいと願っていた。
「この試練は、異世界で失われた古代の魔法書『エルダーグリモワール』を見つけ出し、強大な闇の魔法使いゼイロスを倒すことだ」
アレンの目が輝いた。彼は自分の力を試すことに興奮を覚えた。
「分かりました、師匠。必ず成功させます」
エリオットは微笑み、特別なアミュレットをアレンに手渡した。
「このアミュレットは君を導いてくれる。君の力と知恵を信じなさい。そして決して自分を見失わないことだ」
アレンは深く頷き、アミュレットを握りしめた。エリオットが魔法のポータルを開くと、アレンは迷わずその中に飛び込んだ。