episode1
「ふわぁ~」
「いまは…6時か」
もうそろそろミリアさんが来る頃かな?
ミリアというのは私の専属メイドのミリレーア・ツァイルさんの事
「お嬢様、失礼します」
「もう着替えましたか?」
「ううん、今から着替えるところ。手伝ってくれない?」
「もちろんでございます、リルも手伝って」
⦅あぁ!姫しゃまだ!おはよーです⦆
「おはよう、リル」
ミリアさんの能力は【共感覚】
この能力は契約している精霊や耳に聞こえる小さな音、見ているものなどと感覚を共鳴させる能力のことなんだって。
そしてミリアさんの契約している精霊リルは【シルフ】という4大精霊に分類されるらしいの。
正式名は『リーリル・シルフ』、能力は【風を操る能力】なんだって
「もう朝食はできてますので食卓へ行きましょう」
「分かった。リル、またあとで遊ぼうね」
⦅うぅ…でも私にも仕事があるから我慢するのー⦆
「いい子ね」
「お嬢様のおかげで仕事に集中してくれるようになりました」
「そうなの?よかったー」
私は12歳。この国ではもう能力が開花していないとおかしい歳になった。
でも私は、能力なんて持っていない。この国の頂点に君臨する精霊術師の娘なのにってよく虐められる。でも、私にはこのぬいぐるみがあったからよかった。
名前は『フィンギー』目は完璧・浄化を意味するクリスタル、全体的に淡い紫色のテディベア。
ギュってすると安心するの。
「お嬢様、食事の場に持っていくとまた言われますよ?」
「分かってるよ、だからミリアさんに毎回持たせてるじゃん」
「おはようございます。お母様、お父様」
「おはようリリア、今日もいい天気ね」
「時間通りだな、フィンギーはどうした?」
「私が持っております」
「あぁ、ミリアおはよう」
「おはようございます、旦那様」
「ねぇ、ミリアさん。今日の予定って何?」
「本日は午前中に魔法のお勉強と実技、午後は何もなければ自由ですが」
「そのことだがリリア、今日の午後ちょっと来てくれ」
「何かあったの?」
「話したいことがあるからな」
「分かった」
やっと僕のこと知ってくれるみたいだね。
よかったぁ~、このまま僕の事知らないまま終わるのかと思っちゃったよ~笑
はやく開放してくれないかな~