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3

説明回です



ーーんで、話を戻すとだ。ーー


俺はリーンの後を追いながら、『黄昏』の話に耳を傾ける。


なぜ、魔物が振るえないのにも関わらず、俺が『黄昏』を振るう事が出来るのかーーー


それは確かに、聞いた時に思った事である。


『黄昏』が話し始める。


ーーオレは、基本的に振るえるか振るえないかを、魂によって判断してる。つまり、体…容れ物に関しては、特に制約は無い。要するに、特殊な魂を持っている事が条件って訳だーー


なるほど。

確かにそれなら、俺がスケルトンであっても振るう事が出来るということになるんだろう。

だが、疑問点はある。


特殊な魂ってのは?


ーー…世界にはお前達……いや、もう違うな、リーンとかいう奴のような人族種、魔物種、そして太古から存在する精霊種に、頂点に立つ神が存在する。そこまでは良いか?ーー


あぁ、特段問題は無い。

一つ言うとするなら、神の実在についてだろうが……。

まぁ、聖教会の奇跡については疑わしいものから、奇跡を見た本人やらからよく聞いたものだし、まぁ、いるのだろうなとは思っていた。


ーーんで、その中での特例みたいな連中がオレを振るうに値する訳だ。ーー


……特例、ね。


ーーあぁ、特例だ。じゃあはっきりオレの選定条件を言おうかーー


『黄昏』は少しタメを作ると、こう言った。




ーー人族種が死んだ際に、その魂そのままアンデッドとなり、かつ、発狂しない事が条件だーー




発狂しない事、ね。

そういえば、この体になった時に自我が崩壊しかけたような……。

って事は、何だ、アレ死にかけてたみたいなもんだったのか…。

もう死んでるとかの突っ込みは聞きたくない。


ーー………まぁ、そういうわけだ。人族種がその意識を持ったままアンデッドになった場合は、高確率で発狂し、そのままアンデッド化する。……乗り越えおめでとう、と言った方が良いのか、オレには判断がつかないがーー


……俺もコレに関しては、ありがとうと言うべきかどうかは迷うところだ。

別に望んでこの状態になった訳で無し、むしろ不都合だらけすぎるんだよな。


普通に人間の姿の方が良かった。


ーー……………まぁ、そりゃそうだろうな…。前の主人も、よく似たような事で愚痴っていたもんだ。強さなんていらないから、せめて人間の姿の方が良かったってなーー


うん、気持ちはすごくよくわかる。

…別に、アンデッドの姿でいる事には、特に抵抗は無かったりする。

でも、普通に話したいし、何より…


いや、いいや。

そこで、俺はかぶりを振る。


そして強く思う。


アンデッドだから何だってんだ!

あぁ、そうだ。

この見た目、話すこともできないこの状態。

だが、こうして俺はリーンと(騙し打ちもあったが)こうして人間の都市に向かえているのだ!

全ての人間種と、分かり合えるわけじゃきっと無い。

だが、そもそもそんなこと人間の時でも不可能なのだ!

出来うる限り誠実であろう。

出来うる限り、親切でもあろう。

そうすれば、きっと誰かが認めてくれる。


よし、後ろ向きはお終いだ!

そう決意する俺に、『黄昏』は、


ーー………うん、演説ぶるのは良いんだが、話の途中だ。最後まで聞けやーー


と、すごく冷静だった。





ーーで、話を戻そう。こうして晴れて、人間とも魔物とも言えない異物に成り果てたお前は、魂の異常性から、何点かの変化が生じているはずだーー


…魂の異常性?

変化については何点か心当たりがあるので、引っかかったそちらについて聞く。


ーー魂の異常性ってのは、本来あるべきではない所に魂が馴染んだ結果、起きるものだ。要するに、入った魂がそこにあった魂を取り込んだ状態にあたる。ーー


ふむふむ。

今の俺にはスケルトンである部分と、元々あった人間の部分があるって訳か。


ーーそういうことだ。お前の様子じゃ変化にはすでに気付いているっぽいな?ーー


まぁな。

とりあえず、変化点を思い出してみるか。


ゴブリンやトレントを喰らった時のことを思い出す。

あんな事を生前にやった覚えはない。

そして二つ目。

それに対しての忌避感が無いということ。

俺はアレをやった最初のゴブリンこそ戸惑いはしたものの、すぐに順応した。


アレがアンデッドとして…スケルトンとしての俺ってわけだ。


他にも、死への忌避感が無くなっていたりする。


ーーうん、大体そんな感じか。そういった訳で、お前はオレと出会い、使い手となったというお話しでしたとさーー


そう言って、『黄昏』はふぅと息をついたような気配を出し、話を閉じた。


その時ちょうどリーンが振り返り、こう言った。


「あともう少しよ」


俺は顔を上げる。

が、



何もない。

見渡す限り、ただの草原だ。


どういう事だと、リーンを見る。

そこでリーンは笑うと、俺を手招きをする。


俺が近づいたのを確認した彼女は、手に持った、何か紙切れのようなものをこちらに差し出して言った。

「反対側を握って」

素直に反対側を握る。


そして、起きた事に目を疑った。






何も無い草原に、


街が突然出現したのだ。



彼女はアハハと笑ってこう言った。


「ようこそ、都市アネンムアへ」




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