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1〜5


死は突然に訪れるものだ。


昨日笑ってた同業者が、迷宮で死んだって話はざらにある。通い慣れているはずであるにも関わらず、何の前触れなくあっさり死ぬ。

迷宮に限らず、陸に、海に、空に魔獣がいるこの世界では、何の前触れもなく死んでしまうことが多い。



なぜこんな話をするのかって?


そんなの、自分がそうなったからに決まってるだろ?

正直やられた、と思った。ゴブリンだからとあまりにも油断しすぎた。まさか追いかけた先に伏兵を潜ませておくとは…。

薄れていく俺の視界が最後に捉えたものは、俺の兜を頭に被り、ギェギャイ、ギャイギャイと何を言っているのかよく分からない、おそらく指揮官級にまで成長した大柄のゴブリンだった。


……………。


とまあ、俺の死んだ経緯をざっくりと思い返してみたんだが…。



暇だな。


お迎えみたいのがあるのかと思ったんだが…。視界が真っ暗のままだし、意識も消える気配すらない。



…まさかこのまま発狂するまでこの暗闇の中とかはないだろうな…。


…まぁ、とりあえずもうすこし待とう。時間感覚もないから、実は死亡してまだ1秒とかそんくらいかもしれないからな。

死んだことが無いから分からないだけで、実はみんな通る道なのかも知れない。もしくは人が死にすぎて順番待ちの状態とか…?


と、考えていると、



いつのまにか、ぼんやりと小さな光が遠くに見える。

あぁ、あれがお迎えか?

何となくそう理解する。

あの光を見ていると、どんどん意識が薄れていくのを感じる。



心なしか、体も、ふわふわした心地にーーー




と、突然


ガッ!!!!

凄まじい力で握られた。


そのままものすごい勢いでどこかに引っ張られる。


ヤバイ。


直感で感じる。このまま引っ張られるとロクなことにならない。

あの小さな光もどうやら想定外のことのようで、こちらに近づこうとしているようだ。


だが、こちらが連れ去られる速さの方が上のようで、どんどんと光が遠くなっていく。


俺も何とか抜け出そうとしてみるが、全く動く気配がない。


結局抵抗らしい抵抗もできずに俺は何処かに引っ張られていってーーーー







俺は白い光に包まれた。



う…ううん…?

気がつくと、俺は倒れたままだった。生きてはいる…ようだ。正直言って。そこら辺のスライムにでも食われていると思ったんだが…。運が良かったのか?

俺はそう思いながら立ち上がろうと右手を地面につけ…………ん?

そこで俺は自分の右手を見た。見てしまった。そこにあったのは血肉の通った手ではなく、真っ白な、ほ


「!?!!!??」


骨!?


俺は右手を掲げる。ダンジョンの謎の明かりに照らされた俺の手は間違いなく骨。骨しかない綺麗な白い骨の手だった。

呆然としつつ、俺は左手を見る。骨だった。

足元を見る。骨。

胸の骨も見える。胸の骨の先の地面までスカスカだ。


………。

…………………。




ハッ!?

どうやら気絶していたようだ。

俺は恐る恐るまた自分の手を見る。


やはり骨。どう見ても骨。

これは、一度自分の顔を殴ってみるしかないだろう。

己の手を握りしめ、思い切り自分の顔面を殴る。


ガンッ!


…微妙に痛い。


夢じゃないのか、と言いたいところだが…。

手を握ったり開いたりする。感度はかなり微妙だ。


握ってもぼんやりとしか分からない。分厚い手袋越しに触っているような、そんな感覚だ。

…これはまさかだとは思うんだが、もしかして今、俺、


スケルトン…なのか……?


………マジか。


夢、と思いたい。だが、夢の中で感覚があるとは思えない。

骨の指で地面を引っ掻いてみる。鈍い感触とカリカリといった音が聞こえる。


…耳、聞こえるんだな。

そんな事を思いながら、俺は溜息をつこうとして、息すら出ないことに気がつく。


イライラや焦燥感から、そのまま右の拳を壁に叩きつける。


ガァン!!


凄まじい音が鳴る。

見ると右拳が完全に壁に埋まっている。

……おいおい、マジかよ。

生前にこんなことが出来た記憶はない。となるとスケルトンになったからできるってのか。

死んだ方が強いなんて、冗談じゃないな……。

まぁ、いくら強くたってこの状態じゃあなぁ……。

あぁ、考えない考えない。

俺は立ち上がる。

まったく、どうしろってんだ。




さて、立ち上がったのは良いが本当にどうしたものだろう。


町に帰る。

論外だ。ふつうに門番にブチ殺されておしまいだろう。

神のご加護があって入り込む事ができたとして、顔がどうなってるのかは分からないが、ほぼ全身骨なのが確定しているこの姿だ。遠からず自警団か同業者の冒険者に殺されるだろう。隠れるにも限度はあるし、何より隠密の技には自信はない。鎧と顔全体を覆う兜、腕全体を覆う手甲とかがあれば話は別だろうが…。

と、此処で気づく。


俺の荷物がない。


当たり前だが、迷宮に潜る以上剣や鎧、応急処置のためのポーションなどは持ち込んできている。

だが、それらが一切無い。

周りを見渡してみるが、迷宮の謎の光で仄かに明るい通路しか目に入ることはない。


…俺の装備を持ってった奴がいるのか?


まぁ死んでいる奴が剣を振るうことなんて、アンデッドにでもならない限り基本ない筈だから仕方ないと言えば仕方ないだろう。


ない、んだがなぁ…。


もやもやした気持ちが湧いてくる。

とりあえず気持ちを切り替えよう。考えても仕方ないし、別に悪いことでもなんでも無い。

そもそも冒険者なんて明日も知れない身の上だ。何を今更という気持ちもある。


よし、気にしないことにしよう!


…はぁ。


そんなこんなをやっていると自分の背後の通路から


ギャイギャイ!ギュギュイィ!


と、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


斬られたゴブリンの首も驚きの表情のまま飛んで行った。

もう一方のゴブリンも目を剥いてこちらを見ている。


一瞬の静寂と硬直を解いたのは飛んでいった首が壁に当たったゴッという鈍い音だった。


「ギィィギィアァァァァァァ!?」

先に動いたのは、悲鳴と思しきものを叫びながら背を向けて、棍棒すら投げ捨て逃走を開始したゴブリンだった。


待てや、ゴラァ!!


と声を出そうとして、何も出ないことに気がつく。

そりゃそうだ息も出ないんだから、声なんか出るわけもねぇ!


そのまま魔力を足に込め走り出そうとする


が、


おっとっとっと!?


一瞬何が起きたのか分からなかったが、すぐに気がついた。あまりにも早く動き出そうとしたため、転んでしまったのだ。


そうして俺が立ち上がっている間に、素晴らしい速さでゴブリンは迷宮のどこぞに消えていってしまった。


………………。


俺は自分の手を見る。紫の血がベットリと付いている。

次に首と体が泣き別れしてしまったゴブリンを見る。

…夢じゃない、んだろうな。


俺は左手で頭を撫でる。ゴリゴリと音が鳴る。

それを聞きながら俺はさっきのそれを思い出す。


何なんだ、この威力は?

首に手刀を叩き込んでやろうとは思ったが、まさか切断までいくなんて…。

ゴブリンとは言え、俺が出来るような芸当じゃないのは明らかだった。

そんなことができるなら、武闘家にでもなっている。

だが、実際この手はゴブリンの首を簡単に刎ねてしまった。骨や肉の抵抗すら感じずに…。


どう考えてもこの体の影響なんだろうな…。

強いのはいいんだがな。


…はぁ。


まぁ、とりあえず棍棒を拾っておくとしよう。

そう思いながら、ゴブリンの死骸に近づき棍棒を拾い上げようとーーーー


ズグリ。


俺の中で何かが疼いた。


っ!?


俺は慌てて後ろに飛び退いた。


何だ今の!?

棍棒に触れようとした瞬間、何か、何かが俺の中で…。


その蠢きは飛び退いた瞬間にスッと消えてしまった。だが、その感覚は間違いなく感じたものだった。


ゆっくりと棍棒に近づく。

ズグリ、とまた何かが蠢くのを感じる。

その感覚に耐えながら、棍棒を拾い上げる。


…特に何ともない。


蠢きも収まっていない。

俺はゴブリンの死骸を見る。

…僅かにだが、蠢きが強くなっている気がする。



俺はゴブリンの死骸にふらふらと近づき跪く。

最早蠢きは甘い疼きとなっていた。


俺はその疼きのままゴブリンに顔を近づけると、



思い切り噛み付いた。


味などする訳もない筈。

それなのに、俺は薄っすらと甘美な味を感じ取っていた。

齧り付き、千切り、顔を上にあげ口に落とす。

肉の覆いのない喉から、勢いそのままに首の後ろから、または背骨に張り付きゆっくりと落ちて行く肉片。


自らの体が紫の血に汚れていくことも厭わず、噛みつく事を繰り返しーーーーー




気がつけばゴブリンは俺の歯で八つ裂きにされていた。



俺はゆっくりと退がり、ゴッと尻から座り込む。俺の口から紫の色をした肉塊が垂れ落ちる。


何だ…………今のは………?


俺は自らの両手を見る。

その手は紫の血に汚れていた。


疼きは、消えていた。最初から何もなかったかのように。

そして気づく。どこか俺が満足げな事に。

まるで、久し振りに飯にありつけたかのような充足感がある。


………………。


これはもしかして、スケルトンになった弊害って奴…か?


だとしたら危なすぎる。

スケルトンとなり人目に出られない体をしているが、余計に人前に出られない体だということが判明してしまった。


だが今なら人間を襲うことはない、とだけ分かる。

今俺は満腹といったところなんだろう。

多分。自分の事の事なんだからハッキリしろとは自分でも思う。

だが、考えてもみてほしい。人間からいきなりスケルトンだぞ?

犬から猫に変化するよりも酷い変化だ。





…それはともかく、そういえば今俺は何を食べていたのだろうか?

ふと俺は疑問に思う。

床に散らばった肉片を歯に挟み、噛み切ってみる。血が噛み切るのと同時に溢れ、より俺を紫に染める。


…何の味もしない。


では肉や血の味ではない。まぁ、当たり前だ。

だが、充実感があるということは、アンデッドにも有効なものを喰ったという事だろう。


…何かの本で読んだが、アンデッドの中には相手の命そのものを啜り、生きながらえる類のモノがいるらしい。

その手の連中になったと考えるべきなんだろうか。


だが、スケルトンにそんな記述は載っていなかった、と思う。

俺もそんな個体は見たことがない。…まぁ、変異種なんかであれば話は別なのかもしれないが底辺冒険者がそんな危ない奴が出る場所に出向くわけもない。

本の記憶がだいぶ曖昧だが、そんなに興味のない本だったからか、あまり内容を覚えていないんだよな。


…とはいえ今の自分を知るには有益な情報源であることは間違いない。どうにかしてもう一度読んでおきたい。

となると一度街に繰り出したいところだ、が…。


改めて両手を見る。骨と紫の血。

顔なんて酷い有り様だろうことは考えるまでもない。

うん、殺されない理由がない。


両手を組み、額に軽く付けた後跪き、そのまま地面に体を折りピタリと付ける。


ティティヌスよ、どうか私を導いてください。


効果があるとは思えないが……まぁ、気分だ。

滅多に祈らない信仰対象に祈った後、どうするか考える。


まぁ、街に行くのならばやる事は一つなんだが。


冒険者から装備を剥ぎ取る。


それしかない。



しかし、だ。冒険者から装備を剥ぎ取るというが、そもそもそう都合の良い具合に来てくれるとは限らない。

さっきはゴブリンだから突撃したが、人間相手に多対一をやる気はさらさらない。

おそらく死ぬし、何より勝てるとしても相手も殺してしまうのが目に見えている。

手加減する余裕があるとはとても思えないからな。

スケルトンになって、命を啜る怪物…かどうかはまだわからないが、それでも人を装備を引っ剥ぐという理由で殺したくはない。

やるとするなら最終手段だ。


できれば一人、もしくは不意打ちで二人が限界だ。


まず必要なものは、

フードもしくはフルフェイスヘルムなんかの顔を隠す類のもの、

鎧やローブ、

ガントレット

ズボン

ブーツ

だな。一箇所でも見られたら間違いなく殺しに来るだろう。

…皮の加工とかが出来るのなら、もしかしたら誤魔化せたのかもしれないが。


いや、言っても意味のない事だ。こんな状況になる事を予測できるやつは頭がイッてる奴だろう。

とりあえず狙い目は魔術師だな。運が良ければフード付きローブを着用しているかもしれない。頭と胴体を丸ごと隠せるからな…。

どうかエルフの魔術師には会いませんように、神様お願いしますよ?





というわけで迷宮を彷徨っている。

いや、しかしあれだな。こうやって迷宮を彷徨っていると自分がスケルトンになったんだなと無駄に実感が湧いてくる。

いやだって、ゴブリンがこっち避けるんだよ。こっち見るなりサッと逃げたり隠れたりしている。

こっちがいくらゴブリンの血で汚れていても関係なしに襲って来ていた生前とは大違いだ。

スライムにもあったが…こっちを気にする様子もない。

正直言ってスライムは襲ってくると思ってたんだが…。

スライムは迷宮の掃除人と呼ばれる程の雑食だ。俺も一度だけスライムが生きたゴブリンを丸呑みにして食ったのを見たことがある。

あれは酷かったな…苦しみ悶えるゴブリンがゆっくりと溶かされていく姿を見て、流石に同情したぞアレは。それからというもの俺はスライムだけは特に気をつけるようにしている。彼

ゴブリン

の犠牲は無駄にはならない。


いや本当にオスかは知らんが。


と、そこまで考えて俺はようやく襲われない理由に気づく。


あぁそうか。食べる身が無いからか…。





しばらく経った…ように思う。迷宮内部だと時間の感覚が薄れて仕方がない。

土となんかよく分からないところから滲み出る光、道ぐらいしか無いからな。

日差しを恋しく思う日が来るなんて思わなかったな…。


まぁそれよりもだ。


俺は彷徨いながら違和感を感じていた。


…微妙にだが、道が変わっているように感じる。


大筋は俺の知っている迷宮どおりのようだが、何処かが違うようで、一向に出口にたどり着かない。

俺が知っている出口に向かったらただの壁だったからな。

いつも来ている迷宮だから出口は簡単に見つかるかと思ったんだが…。


仕方ない、一つ一つ道をしらみつぶしに探すしか無いか。



…ようやく出口を見つけた。

一本一本丁寧に探してようやくだ。

外を見れた解放感から叫びたくもなるが、声も出ないんだよな…。

俺の前のゆるい上り坂の上には穴が空いており、そこから夜の暗闇とそこにぶちまけられた、キラキラした砂のような星々が見える。


俺はゆっくりと確実に坂を登りきり、辺りを見渡す。


人は…居ないようだ…が。


ここ…何処だ…?


目の前には草原と森が見える。

出て左手に行けば草原、右手に行って小さな川を越えれば森、遥か向こうには山脈が連なり立っている。




いや、本当に何処だよここ!?






とりあえず、落ち着いた。

思い出そう。確か俺のいた迷宮は街にほど近くて入口からは街の姿を確認できたはずだ。

だが……近くに森こそあったものの目に付く場所に川は無かったし、何よりもこんな草原は存在していない。



迷宮は確かに細部は違ったが、大筋は同じだった。それに違和感はあったが、稀に迷宮の構造が変化するという事は知っていたためそういう事もあるのかと思っていたが、流石に出る場所が違うなんてのは聞いたこともない。

確認されていないという可能性もある…が、まだ分からないな。

とりあえず言える事はただ一つ。

俺が死んでスケルトンとして蘇った以上、俺が有り得ないと思っていた事は何割かは有り得るという事だろう。


…しかし、それはともかくとしてこれだと都合が悪い。

俺はもう一度外を見渡してみる。


だだっ広い草原、川、深そうな森…。

人の来そうな気配すらしない。

今が夜ってこともあるんだろうが…って、


気のせいか、周りの様子がよく見えるような気がする。


確かに月明かりで辺りを照らされているというのもあるが…だからと言って此処まではっきりと見えるものだったか?


スケルトンには目も耳もないから何か違う手段で知覚してるのかもな。


…まぁ、そっちはともかく。

冒険者がこの迷宮に近づかない可能性が出てきたな…。

となると俺の立てた計画がおじゃんになってしまう。

人が集まる町やら村やらがあったりすると良いんだが、全く見覚えのない場所に居るからな……全く見当もつかない。



………まぁ、行くのなら夜だろうという事だけは決まってるな。

日の光があると遠目でもバレバレだからな、暗い夜の方が良い。今の俺は夜の闇も見通していて条件的に有利でもある。

そして、行くのなら………森か?

森の中であれば人に見つかる事も少なくなるはずだ。心情的には草原を進みたいんだが、あんなに見晴らしのいい場所を歩いていたらバレバレじゃないか。服も何もないから余計に。

森で迷う可能性もあるが…、まぁ喰われることはほぼ無いと考えても良いだろう。少なくとも肉を食べる類には襲われないだろう。


身が無いしな。食べる側も御免被るだろう。



俺は迷宮から一歩外に出る。その瞬間に虫の音が一斉に聞こえて来た。


うるっさ!


あ、いや特にうるさくないか。いきなりだからビックリしたぜ。

しかし、さっきまで聞こえなかったんだが…一体どういう事なんだ?

俺は迷宮に戻ってみる。スッと辺りが静まり返った。


…防音魔術でも掛かってんのか?


疑問が増えるばかりだ。


なんだか違和感しかないな…。見える空も星の配置が微妙に違う気もする。まぁ、そっちは転移したと考えるのなら当たり前か。場所によって見える星も違うと聞いた気もする。

生まれてから死ぬまで旅なんてしたことなかったからな…、そこら辺の知識はどうにも疎くてならない。近場でできる仕事しかしてなかったからだな。


まぁ、とりあえず行くか。後のことは後にしかわからない。その時になって考えよう。










馬鹿か!馬鹿だな俺は!!

俺は今森の中を全力疾走している。後ろには



『グルゥゥウオオオオォーーン!!』


魔狼がいる。アホか!あほ!!死ぬわ!!え、何で!?何で追っかけられるんだ!?

今はなんとか追いつかれてはいない。普通ならとっくの昔に捕まっているが、そこはそれスケルトンの軽すぎる体と魔力強化によるものだ。しかし今の状況だから完全に分かったが、今の俺は明らかに生前よりも魔力量が多い!前と同じならとっくに魔力切れだ!


って、危な!!


俺は上に跳躍して蔦を掴む。さっきまで俺がいた場所に魔狼がちょうど食いついたところだった。俺は掴んだ蔦に勢いをつけて前に飛び出した。

『グルゥゥ……!』

イライラした唸り声が聞こえる。やめて下さいまだ死にたく無いです。

そもそもなんで骨の塊みたいなやつを追いかけるかな!?

ガランっと着地した俺はまた全力疾走する。そして魔狼も追跡してくる。


…あぁ!!もしかして俺こいつのナワバリ荒らしたな!?


マジかよ!運が悪いってもんじゃ無いわ!だれかに嫌がらせされてないか俺!?


すまーん!


そう頭の中でだけ謝りながら俺は夜の森を魔狼と一緒に走って行く…。






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