表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/52

種なし葡萄

いよいよ殺家ーのアジトに突入。壊滅作戦は山場を迎える。

そして、明らかになる敷島刑事とボスの関係とは・・・!?

「警察だ! 手を挙げろ!」


声が上がり、ドアから続々と警官が入り込んできた。

全員がヘルメットをかぶり、透明な盾と銃を手にしていた。

横一例に整列すると、グレープに向けて一斉に銃を構えた。 

その数ざっと50名。


間もなく、横隊の中央から敷島が姿を見せた。


「手を上げろ!」


いくらグレープと言えども、50の銃口が向けられているとなれば従わざるを得なかった。

右手の銃を離すことなく両手を挙げた。


「銃を捨てろ!」


言われて右手を開いた。

銃が落下した。


パン! 


ギャー!


床に落ちた瞬間、銃が暴発し、警官の一人が被弾した。足を抑えてのたうちまわった。


その場にいた全員に一瞬の隙が生まれた。

その一瞬をグレープは逃さなかった。


前転で、ある人物に近づくと背後から首に腕を回し、側頭部に銃を突きつけた。


床に落ちたはずの銃はなくなっていた。

その場にいた誰もがまるで手品を見ている気分になった。

床にあった銃が消えて、いつの間にかグレープの手に握られている。

殺家ー随一の殺し屋、そのすごさを全員が目の当たりにした。

ジミヘンがギターの魔術師ならグレープは殺しの魔術師だった。


グレープが銃を突きつけている人物は銭湯「あまこ湯」の番台に座るバアさんだった。


「今度はお前らが銃を捨てる番だ!」


グレープが叫んだ。


「さもなければこのババアが死ぬことになるぜ!」


「やっちまいな」


敷島はすかさず言った。

顔には笑みを浮かべていた。


「そのババアも殺家ーの一員だ。お前がやればこっちの手間が省ける」


「このババアが殺家ーだと?」


グレープは目を見開いた。


「知らなかったのか? お前の先輩だ」


敷島は苦笑した。


「善良な市民をつかまえて何言ってんだい。あたしゃ銭湯の番台さ。早いとこ助けておくれ」


首に回されたグレープの腕の中で、ばあさんはもがいた。が、彼の腕はびくともしなかった。


「善良な市民が聞いて呆れるぜ。あんたがあの銭湯に何人沈めたか、こっちはちゃんと分かってんだ」


「あたしに人を沈める力があると思うかい? 老いさらばえた骨と皮だけのこの細い腕をみりゃわかんだろ?」


グレープに捕まりながらも、ばあさんは七分袖のヨレヨレのTシャツをまくり血管の浮き上がった細い腕をあらわにした。


「なあ、ばあさん。どうせほっといたってアンタにはすぐにお迎えが来るんだ。今ここで死んでも大して変わらんだろ?」


「市民を見殺しにすんのかい!? あんたそれでも警官かい!? 」


「あいにく俺は警官さ。あんたは警官にも見放されたクソババアさ」


敷島の銃口がグレープ目掛けて今にも火を吹かんとしていた。


「おい! 俺を忘れてもらっちゃ困るぜ」


ボスだった。


彼は銃を敷島に向けた。


「久しぶりだな兄貴」


ボスが言った。


兄貴?


警官、殺家ー、その場にいた全員が耳を疑った。


「悪ふざけがすぎたな」


視線と銃口をグレープに向けたまま敷島はボスに答えた。

兄貴と呼ばれて否定しない敷島にボスは笑みを向けた。


「兄貴、久しぶりに兄弟喧嘩でもするか」


(つづく)

下にある☆☆☆☆☆から、作品への評価をいただけたら幸いです。

コメント、ブックマークをいただけると大変励みになります。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ