#04 旅立ち
歩が気付かぬ内に失っていたモノ。
ウンディーネは遠くに指を指して言った。
「この先に街がある。まずはそこに行きなさい。武器を備えなければ、戦えるものも戦えませんよ」
僕は叫んだ。
「ちょっと待って! 君達なんで僕の意見を無視するの! 魔王となんて戦いたくないから!」
サフィールとウンディーネが一斉に言う。
「人間界に戻りたいなら魔王と関わるしかない!」
「アユム……男でしょう? 少しくらい踏ん張りなさいよ」
「ちょ、2人共、キャラ変わってません?」
2人に圧倒されて、僕とサフィールは街を目指す事になった。ウンディーネは僕達にこう言った。
「私は行きませんが、心から貴方達の幸運をお祈りしています。またここに戻って来る事があったならば、その時は何なりとお力を貸しましょう」
今までの人生でこんなに心強い言葉を貰った事はないと思った。そして、ふと疑問に思った。
(僕は冴木歩だ。至って普通の高校生だった。でも……僕の家族は? 友達は? 思い出せない)
サフィールが心配そうに見つめてきたので、何でもないよ、とだけ返して歩き出した。
何か大切な人の事を忘れている気がする。
百夜(作者)「たまには短いのもいいかなとか思って?」
歩「嘘つけ。ちゃんと書きなさい」
百夜(作者)「すいませんでしたあああああ」