小さなバイバイ
快調なバイクの音と共に風を切る。
通勤時、毎朝コンビニでパンを買うのが私の日課だ。
バイクを店の脇に止め、ヘルメットを脱ぐ。
心地よい朝の香りと冷たい風が今日の始まりを告げる。
ふと前を見ると一台の車が止まっており、
小さな女の子が車内から窓越に私を見ている。
一時目が合った瞬間、理由は分からないが
女の子は私に好奇心を寄せる。
その時女の子は私にバイバイをしてくれた。
小さな手の小さなバイバイ。
何か言っているように見えたが、その言葉は分からなかった。
でも私には分かる。
お兄ちゃん気をつけてねと優しい言葉をかけてくれているのだ。
その優しさに
私は大きなバイバイで応えた。