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始まりの始まり
プロローグ
ここはどこだろう。寒くはないし。
何故だろう、少し暖かい。心が落ち着くようだ。
「君、大丈夫?具合でも悪いの?」
近くで心配している声が聞こえた。
返事をしようとしたけど、声がでない。
喉の奥がはりついて、だせない。
(どうしよう。せっかく心配してくれているのに,,,。)
「こいつ、どうする?」
「俺が家につれて帰る。」
「わかった。」
私はそのやりとりをただ聞いてるだけだった。
急に体が軽くなった。
(あれ、死んだのかな?)
そう思った時、今までの人生を振り返っていた。
(楽しかったな。)
ふと、何かにつかまれた。
私は思った。死んでなんかいない。生きてると。
安心して涙が出そうになったけど、なんとかこらえた。
その時気づいた。
誰かの温度を感じる。とても心地いい。
そして私は揺られるままに、また目を閉じた。
そのまま、深い眠りについた。