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これは一話などで報告しておいた方が良かったのですが…今回8話完結として投稿しているのですが、完結したら話が終わりというわけではなく、物語の途中を切り取った形で今回の話は書いています。

なので、この小説は次の話がありそうな終わり方をします。

図書館で調べ物をした後、俺はサイラスとミリアと夕食を取り初心者でも出来る程度の武器の手入れをして寝た。

次の日は朝いつものようにガイルさんに挑んだ。今回はサイラスも一緒だったが軽く遊ばれて終わった感じ。その後ずっとサイラスと訓練をして、昼食の後は休憩して半日を過ごした。


「おう、ユート」


「あ、どうも。ガイルさん」


俺が名前を呼ばれ振り向けば、そこには逞しく憧れてしまうような筋肉の持ち主のガイルさんがいた。

…。

……。

………ガイルさんがいる。

なんでもないです。


「お前ら今日カーリックの駆除依頼受けたんだったよな?」


アホらしいことを考えていた俺にガイルさんは続けて話しかけてきた。


「えぇ、今の俺達で相手できる魔物の討伐依頼が無いので、とりあえず繋ぎとして」


「カーリックの駆除依頼は今の時期は低ランクの冒険者の受けられる依頼じゃ一番楽で報酬も美味しいからな。

受けられて良かったな。人気だからなかなか受けられない事もあるんだぞ」


「サイラスが受付のおじさんに言って、とっといてもらったんですよ」


「あぁ、あいつはサイラスがお気に入りだからな」


ガイルさんがある方向を向いたので、そちらを俺も見ればサイラスがシリウスと一緒に受付のおじさんへ依頼について話していた。

本当は依頼をとっておくなんて事は出来ない…というより不公平な事なのでしてはいけないはずだ。

でも、ギルド役員だって人間だ。

少し気に入ってたりする冒険者にどうしてもと頼まれれば、少しぐらいは融通してくれたりする。さすがに長期間は無理だが、一日ぐらいは大丈夫だろう。

まあ、さすがに堂々とは出来ないので皆他の人に聞こえない見られないという様にやっているが。


ちなみに俺はミリアの父親である受付のおじさんは、ちょっと苦手だ。

何故か睨まれるから。


「…ん?」


俺はふと頭の上に乗せられた感触に疑問の声を上げていた。

何故かガイルさんが俺の頭に、その大きな手を乗せている……地味に、すごく重い。


「俺も今回はお前らとおんなじ辺りに用事があんだよ。まあ、さすがに手伝ったりは出来ないが何かあった時は手助けできるかもしれねぇ。

困ってどうしようもなくなったら俺探せ。たぶん近くに居ると思うからよ…まあ、もしかしたら同じ村に宿泊するかもしれないがな」


「ああ、確か大規模な討伐でしたよね。

了解です」


「そういえば、カーリックてのは中々美味うまいんだよ。

特に体の部分が酒と合う。足についてる筋肉とかマジで美味い」


「へぇ…じゃあ何匹かどうにかして捕まえてお土産として持って帰りますよ」


「おう、楽しみにして待ってるぜ。

そん時は一緒に飲もうな」


ガイルさんは大きな口でニィ…と笑うと、そのままこちらに背を向け去っていった。

正直、お酒は遠慮したい。

そんな事を内心思いつついると、サイラスたちが戻ってきた。


「あと十数分後の馬車に乗っていけば依頼場所へ行けると教えてもらいました。

なので、それに乗ることに決めましたが、別に構いませんよね?」


「あぁ、それで構わないよ」


シリウスの問に答える。

依頼場所へ行ける馬車がすぐにあるのは結構幸運な事だ。いくら簡単な依頼でも依頼をした時間よりも、馬車がなくて時間がかかるというのもよくある話だ。


「そういえばカーリックの駆除依頼の達成証明の仕方って?」


「カーリック10匹以上の戦利品をギルドに持ち帰ればいいらしいぜ」


「まあ、僕がやるのは戦利品を回収出来ないかもしれないので10体ぐらい余裕で超えると思いますけどね。

戦利品を10匹分回収してから僕の魔術で殲滅しましょう。

おそらく、それが一番楽です」


「ああ、宜しく」

そんな会話をしながら俺たちは馬車乗り場へと移動していた。

今回のカーリックは馬鹿なので複雑な罠も必要でもないので、俺とサイラスが2つに分けてそれほど大きくはない袋に入れて持ち歩いていた。

まあ、罠と言ってもホントに大したものじゃないんだが。





俺は馬車の中は、少しだけ好きだと思う。

尻から伝わる定期的な振動は長時間座っていると痛くなってくるが、それをあまり考えないでいると変わって行く外の風景などを見ているだけでも結構楽しい。

外の風景を気にしなくても、剣の手入れやら罠を持っている時は罠のチェックやらをするのだが、それをする時間があるだけでも俺にとっては有意義な時間だと言ってもいいだろう。


こういう時間はサイラスは動きたくてウズウズしてる感じになっている事が多く、その結果シリウスや俺に頻繁に話しかけてくる。

シリウスは時々罠などのチェックを手伝ってくれたりもするが、基本的にはサイラスの相手してることの方が多いだろう。

罠などの管理は俺が基本的にやっているので、こういう暇な時間にやるようにしている。

本当はサイラスもちゃんと罠のチェックなど出来るのだが、管理は俺がやると言い出した事なので二人共任せてくれている。

今回の依頼では最初に簡単なものを用意してみて駄目だったら、使う予定のものばかりだ。もし今回使わなくても次回使えるものも多いだろう。



その後、近くの村に着き依頼主と少し話した後昼食を取り、十分に休憩してからカーリックの駆除をするために動き出していた。

俺達…といっても俺とサイラスの二人はある程度距離を取り、獲物を追い込むように走っていた。

体力仕事は基本的に俺とサイラスの仕事になるのでシリウスは探知系の魔術を使用し俺たちとカーリックの群れの位置を特定。

そして風属性の魔術の『伝心』でどう動けばよいのかを指示する形の作戦をとっていた。


カーリックは簡単に言ってしまえばアホだ。

何かに追われれば反射的に逃げる。それも何かから逃れるためにまっすぐと……足元をすくうように貼られた紐に気づく事もなく、まっすぐと走る。

なので、罠に…と言ってもいいものなのか分からないが、紐に足を取られたカーリック達は次々と転倒し、そこにシリウスが強い光と大きな音を発生させる魔術を放ち一時的に混乱状態へとする。

そこを俺とサイラスがナイフでトドメをさしていくだけで達成証明となる10匹分の戦利品を手に入れることは可能だった。

今日用意してきた罠は必要なさそうだ。


「どうする? もう戦利品は十分だろ?」


「せっかくだしもう少しやってこう。出来たら1か2匹お土産として捕まえておきたいんだ。

ガイルさんがカーリックは美味しいって言ってたからお土産として持ってく、て言っちゃったんだよね。あ、お土産だから当然生け捕りで」


「これを食べるのですか…まあ調理されれば関係ないのでしょうけど」

シリウスは目の前に転がったカーリックの死骸を少し複雑そうに見ていた。


「じゃあ、少し休憩してからあと一回群れを集めて一気に駆除。

そん時に俺たちの分も含めて三匹ぐらい生け捕りにして持ち帰ろうぜ! 確か食堂に材料出したら比較的安いお金で食べれたはずだしな。

シリウス、麻痺の魔術は使えたよな?」


「初歩の初歩なので当然使えますよ。

…確か、どんな料理にするかまで注文できましたよね? 出来たら原型をとどめていないような料理にして欲しいのですが」


「シチューとかそういうスープ系にしてもらえばいいんじゃないか?」


「お、シチューいいな! 楽しみだ」


そんな話をし、続行を決定した後、少し休憩してからカーリックの駆除を再開しようとする。

カーリックを見つけるのは探知の魔術を使ってシリウスの仕事だ。


「……可笑しいですね」


「どうした? シリウス」


シリウスの言葉にサイラスが反応するが、シリウスは辺りを改めて自分の目を動かして確認し始めていた。


「ここら一帯にカーリックと思われる魔物が居ません」


「…? どういう事?」


「分かりません。

ユートは風属性の探知魔術を使えたはずですよね。それで細かく調べてくれませんか?」


「ああ、分かった…『風に揺れる鈴』」


俺は魔術を発動させる。

普通の探知魔術は無属性の魔術に入るのだが、無属性の魔術にあえて属性を加える事で強化した魔術の一つが今俺が使ったものだ。

無属性の探知魔術は単純で魔物の居場所を知ることが出来るが、それの大きさは曖昧にしか知れず、形などを知ることは出来ない。

俺が使った魔術は無属性の探知魔術よりも圧倒的に情報量が多く、木や岩、そして魔物などの探知魔術の範囲内にあるもの全ての形や大きさなど様々な物を感じ取れる魔術。

しかし情報量が多すぎて不便な場合の方が多く、シンプルでわかりやすい無属性の探知魔術の方が好かれている。


俺の周りに風が一瞬集まり、すぐに拡散する。

それと共に鈴の様な高く綺麗な音が響いた。それは俺が魔術を発動した合図だった。


1話から8話まで、台詞と地の文の間にも空欄を入れてみました。

少しして、自分が違和感を感じたら元通りにするつもりです。


誤字・脱字があればご報告よろしくお願いします。

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