モノクロの世界
もしも世界が終わろうとしているのなら、世界はどんな顔を見せるのだろう?
様々の想いが交錯する世界。
その価値を決められるモノなんてあるわけがなくて――
それでも、どこかで「そんなものなんだ」と決めてしまう誰かがいる。
世界は色づいている。
――赤――青――黄――
――白――黒――緑――
――紫――橙――灰――
世界は色鮮やかに活きている。
それでも、その世界が終わろうとしているのならば、もしかしたら色を失うのではないだろうか?
それは例えば赤かもしれない。
それは例えば青かもしれない。
色は一つずつ消えていき、やがては原色だけが残る――
そして失われていく意識――
そこに残るのは何か、そこに在るのは何なのか――
誰もいない、何もない世界。それは、原色だけが生きるモノクロの世界。
それが世界のスベテ。
本当の姿――
我々の生きるセカイ――
誰かがいるから〝色〟が生まれる。
何かが在るから〝色〟が生まれる。
さあ、世界に灯火を。色鮮やかな、灯火を――
いつの日か、ただ原色だけが生きる世界に戻るその日まで……
いつの日か、ただ何もない、モノクロの世界に戻ってしまう、その日まで……