sadness world-4-
〝この世界には、哀しみが満ちている……〟
例えば、好きな人に想いを伝えられなかったり……
例えば、好きな人と離れ離れになったり……
例えば、自分の命の限りが短かったり……
何も出来ないから、と諦める。
何もしたくないから、と自分に言い聞かせる。
例えば、孤独であったり……
例えば、それは出会いだったり……
恋人と、上手くいってなかったり……
何がしたいのかもわからず、
何をしたいのか考えもしない。
例えば、それは思い出だったり……
例えば、それは願いだったり……
世界は哀しみに満ちている。
誰かが、そう言った。
例えば、突然家族と住む場所を失ったり……
例えば、社会から疎まれたり……
例えば……
例を挙げればキリがなく、世界は哀しみに満ちている。
それを知る事は出来るだろう。
それを嘆く事も出来るだろう。
しかし……
それをどうこうする事は出来ない。
悔やむ事は出来る。
無視する事も出来る。
しかし、解決は出来ない。
哀しみはただそこに〝在る〟だけで、猛威を振るうわけではないから。
ただ静かに、そこに〝在る〟だけだから。
だから、世界は哀しみに満ちている。
変わらずに、ずっと変わらずに……
この世界に捧げよう。
哀しみの唄を。
そして、喜びの唄を。
せめて世界が枯れない様に……
この哀しみの世界が失われない様に……
喜びを糧に、水をやろう。
それでも世界は、哀しみに満ちたまま。
だからこそ、こうして人々は生きている。
何かを求めて……
そう。哀しみと共に……