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沈んだ願い、海の底。
ただ、あの人に会いたかった……
それだけなのに、想いは空しく散ってしまった。
なぜ?
何度も繰り返した疑問。果たせなかった想い。
なぜ?
私が何をしたというのだろう……
異国の地に住むあの人の元へ、〝会いたい〟という一心で向かっていただけなのに……
世界は厳しく、私を貶める……
大海原に散った私の想いは、今は誰も見る事の叶わない海の底。
沈んだ船の中、哀しみを帯びてサマヨッテいる。
ああ……
どうしてこんな事になってしまったのだろう……
なぜ、私がこんな目に遭ってしまったのだろう……
神様は不公平だ。
そんな事を考える。
幸せな人だっているのに、私はこうして海の底にいる。
想いを届けられずに、こうして眠っている。
ああ、神様……
なぜ……
なぜ私はここにいるのでしょう?
もし私が何か罪を犯したというのならば、赦して下さい。
私は、もう十分に苦しみました。
ただ想うだけの日々。
もう、あの人の顔も声も覚えていない。
ただ想いだけが、強く、強く残っている。
ああ、神様……
どうか、もうお赦し下さい……