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第二章 龍族1

第一節 交流


≪心配ない。われらの集落に案内しよう。頼むからそのように警戒しないでくれ。私は丸腰だ。≫


正体不明のヒトはそう言った。

ジェイクとしては重要人物レベルなのだから、案内してくれると言うのはありがたかったが、ミリアは警戒を緩めていなかった。

ジェイクも警戒していないわけではないが、明らかに敵意がないのだから問題ないと判断したのだ。

第一、ミリアがいる。彼女の戦闘能力はスペックの限界値まで高めてあるから、それこそ命の危険はないと思っていい。

なかなか警戒を解きそうにないミリアを困ったような表情で眺めている惑星の住人を再度確認したジェイクはミリアに耳打ちした。


「とにかく、一旦警戒を緩めてくれ。じゃなけりゃ、この惑星(ほし)の調査も進まん。代わりに、リミッターの全解除を許可する。いいな?」


ミリアはようやく、構えを解いた。が、同時に目の色がブルーからゴールドに切り替わった。

リミッターを解除したからだ。

ミリアを見つめていた住人は一瞬、不思議そうな顔をしたが、さほど気にならなかったのかジェイクに向き直った。


≪感謝する。ああ、ようやく言語に慣れてきた。おそらく、もう違和感はないはずだが・・・どうだろうか、旅の人。≫


確かに、ほとんど標準語に近い。こんなに適応力の高い種族は初めてだ。


「そうだな。限りなく標準語に近い。俺たちも話が通じるのは嬉しい。すまなかったな、連れは警戒心が強くてな。なかなか他人を信用しない。」


ジェイクがそう言うと、住人は、当然だろうから気にしていない、と答えた。


≪集落はそう遠くはない。あちらに見える山の麓辺りだ。≫


住人の言葉に引きつった。

遠くない?

歩いてこれる距離じゃないだろう!


≪あははははっ!いや、すまない。我らは旅の人らと違うのだったな。我らにはこれ(、、)があるのだよ≫


住人がそう言うと同時にバサッと音がした。

それは、コウモリのような翼だった。

しかも、相当な大きさの。

今まで、そんなもの(、、、、、)はどこにもなかったのに・・・!


≪旅の人よ。そこにある乗り物に乗ると良い。それごと私が運んでゆこう。案ずるな。我ら龍族(りゅうぞく)は、心より歓迎するぞ!≫


ジェイクもミリアも耳を疑った。


----【龍】----それは、遠い遠い遙か古の伝説----


いるわけがない。

そう思っていた生き物(、、、)

いや・・・。

【神に準ずる獣】

そう。

神獣-------。


≪改めて歓迎しよう!ヒューマン族の子よ!ここは、我らに選ばれたもの(、、、、、、、、、)しか入ることの叶わぬ聖域!500年ぶりにこの地に旅人が訪れた。私はとても嬉しい!長も喜ばれる。さあ!行こう!!≫


住人、いや、龍族が爽やかな笑顔でジェイクらを見つめていた。

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