太陽の舟外伝
ーーーとある星域
魔法というファンタジーな力で隠蔽され、今まさに産声をあげようとしている理想郷
永い旅の果てに見つけた、精神体の成長に理想的な星系
精神体は冬眠中
理想郷の環境構築は移民船団のコンピュータにより行われている
ーーーある時、付近の空域で戦闘が発生する
【何か騒がしいですね】
『どこかの勢力同士がこの空域でドンパチ始めたようですよ。』
【この星域は隠蔽しているから見えてないのでしょうが、近所迷惑ですね。
こっちに被害が出る前に掃討しましょう。】
『あっ、それならマスターが気に入りそうなの作ったので使っていいですか?』
【ああ、アニメの。
モビルスーツ作ったの?】
『はい!
無敵ロボ作っちゃいました!
搭乗者が大変なことになっちゃうくらいすっごいの。』
【・・・・】
『あっ、今回は私がリモート操作するから問題ないですよ?』
【心配しているのは、相手が化物に遭遇してどうなってしまうのかてすが。
まあ、頑張ってください。】
『はい!』
ーーー戦場の中域
「また、今回も陽動か!
向こうの方が物質が豊富だからって、こう頻繁に大船団率いてきて小競り合いだけとは。」
「こちらから総攻撃をかけるわけにはいかないのですか?」
「こっちはほぼ全戦力だ。
向こうはまだまだ補充がきく。
結局物量がものをいう。」
「しかし、ある程度ダメージをうければ、いったん引いてしばらくは仕掛けてこなくなるのでは?」
「そうかもな。
ただ、引かなかった場合、こちらの負けは確定的だ。」
「艦長!
敵右翼戦闘中です!」
「なに!
こっちの左翼が仕掛けたのか?
敵が動いたのか?」
「違います!
こちらは動いていません!
敵陣地で戦闘が始まったそうです!」
「なにが起きている?
モニターを中継してもらえ!
こちらでも確認する!」
「モニター接続します!
それと新たな報告です!
戦闘中でなく何かに蹂躙されているとのこと!」
接続されたモニターには、目視では光の線にしか見えない何者かが、敵艦を破壊していくようすが
映し出されている、映し続けている。
「なんだ?
自由に動き回るレーザーか?
そんなもの存在するのか?
いや、目には映っているが、存在しちゃいけないだろう。」
「敵右翼全滅!
相手が停止しました!
人型機械のようです!」
「ばかな!
あんな小さいのにあの速さと攻撃力は出せないだろう?
出せちゃいけないんだよ!
あんなのが輸送船に紛れて来たら、どんな星も壊滅するぞ!
全艦反転、退却!
おい!
今の映像を本国に転送しろ!
無事に帰れる保証はない!」
『次は、
と、逃げていくのがいますね。
そっち先にしますか。』
【逃げていくのは放置しましょう。
すごい惨状だったので、伝えるものが必要でしょう。】
『惨状?かっこよくなかったですか?』
【一方的な蹂躙です。
人がアリを踏みつぶすようでした。】
『そこはドラゴンがスライムを踏みつぶすっていいましょうよ。』
【スライムはあんなに群れないでしょう。】
『キングスラ【いいから、残りを排除しなさい。】イ・・・
はーい。』
「なんだよ!
ただ艦に乗ってればいいっていってたじゃないかよ!
ここで死ぬなんて聞いてない!」
「諦めろ。
もう逃げることもかなわん。
見ろ、戦艦が一撃で真っ二つだ。」
「宇宙服来てれば運がよければ生き残れるんじゃ」
「やめておけ。
助けが来るわけないだろう。
このままでいたほうが窒息で苦しむよりはいいぞ。」
「きた!うわぁぁぁぁぁぁぁ」
『終わりましたね。』
【ごみは回収してきてくださいね。
まき散らしたままにしないように。】
『えー。
了解しました。
作業船展開!
空域の残骸を小さいのも見逃さずに回収!』
ーーー帝星連合
「皇帝!民主同盟から先の戦闘の映像が送られてきました!
伝言もあります!
<民主同盟は皇星連合に攻め込むことはない。現状維持での休戦を望む>
とのこと。」
「わかった。映像をよこせ。」
「フェイクか?」
「いえ、先に出撃した我が艦隊に間違いありません。」
「こんなのが近くにいるのか?
防衛が可能なのか?」
「・・・・
不可能です。
あの火力は防げません。
あの速度に対応するのも不可能と思われます。」
「わかった。
民主同盟とは休戦協定を結ぶとしよう。
しばらくようすを見ないとあれがどう出るかわからんしな。
これ以上刺激して襲われる可能性を上げるのは得策でない。
それと、あの空域付近には近づくことを禁止する。
近づいた者は最も重い罪とする。」
「はっ!」
「まあ、向こうから来たら全面降伏するかね。」
ーーー休戦協定
「皇星連合は、例の空域付近に近づいたものを重罪とすることにした。
そちらに亡命した場合はまかせるが、どこで見てるかわからんから
同じようにしたほうがいいと思うぞ。」
「こちらも禁止としました。
ただ、同盟国のために重罪とは出来ていないところ。
その件での亡命者はそちらに送り返します。
これに関しては、同盟のどこかが何を言おうが押し通します。
滅ぼされてはかなわないですからね。
応じないところは滅ぼすしかないとの結論に達しています。
それほどの脅威です。」
「そうだな。
いつまで正しく伝えていけるものかな。
3代先、4代先があの映像を見て、フェイクと考えない保証はないな。
実際、我もフェイクとしか見えなかったぞ。」
「私も、逃げかえった艦隊から、相手の殲滅映像を見せられて、
フェイクと思いました。
そのあと、侵攻がなかったので、
半信半疑ながら、休戦の申し入れとともに映像を渡した次第です。
休戦に応じられたことで、フェイクでないと確証し、空域への接近禁止など
慌てて決めたところです。」
「後のことは後の世代にまかせるか。
今は刺激しないこと、来たら無条件降伏といったところか。」
「そうですね。
単騎であることから、世捨て人かもしれませんよ?
こちらから接触はせずに放置がいいのでしょう。」
単騎なのは、AIが遊びたかったから。
世捨て人でなく、今まさに世を作っているところ。
隠蔽した星域のため接触は不可能。
ーーー百年後
力を取り戻した帝星連合が、隣の民主同盟を取り込むべく動き出した。
『マスター、ちょっとおもしろいもの作ったんですが乗ってみますか?
操縦は補助します。
Gがすごいので、アバターで搭乗ください。』
「なになにー?
うわぁ!
かっこいー!
エヴ〇?、ガンダ〇?」
『モビルスーツです。
機体名はスサノオ。
単騎で敵艦隊の殲滅が可能です。』
「いや、モビルスーツはモビルスーツとが醍醐味でしょう!
戦艦のまわりブンブンしちゃかわいそうじゃん。
ま、アニメのような明確な弱点の艦橋が露出してない限り、モビルスーツが相手できなくない?」
『そんなことはおいといて、さあさあ乗った乗った。』
「じゃ早速」
ーーー空域を縦横無尽に走り回る光線
「進行方向変わる度にすごいGがかかるから、速いってのはわかるんだけど、
こう何もないと速さが実感できないな。」
『では、疑似艦隊を展開しますので、破壊してまわってください。』
「やったー!こういうの待ってたんだよ。」
---帝星連合、民主同盟各所
「禁止空域に艦隊出現!
味方の艦隊ではありません!」
「接近は禁止だ!
守りを固めておけ!」
---空域
「速い、速いって!
破壊して回ってるんじゃなくて、突撃して割れちゃってるだけだよ!
剣振る前に突っ込んでんじゃん!
ああ、もうなくなっちゃった。」
『マスター、そのアバターはついていけるような性能になってます。
訓練あるのみですね。
暫くは艦内でトレーニングです。』
「しれっとやること追加された!」
---帝星連合、民主同盟各所
「禁止空域の艦隊消滅!
移動したのではなく、その場で次々に消失してきました!」
「なんだ?
別の次元にでも潜航しているっていうのか?
全方面に情報を共有しろ!
接近禁止は継続だ!
守りは1日ようすみて何もなければ解くこととする!」
「言い伝えは本当だったのか。」
帝星連合の侵攻計画は頓挫した。
ーーー数百年後
頭の悪い帝星連合が、隣の民主同盟を取り込むべく動き出した。
丁度その時、悪魔の遊びが再び行われようとしていた。
『マスター、スサノオ性能あげたので、乗ってみてください。
以前の倍のスピードです。』
「バカなの?
やっと慣れきて、補助なしで動かせるようになったのに!」
【テーマソング(YouTube)】
忘れられた戦士
チャンネル:nao1900