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もう少しだったのに

本日も私の物語に足を踏み入れてくださりありがとうございます。


今回は、多少目を瞑る描写も含まれています。

どうぞ理解の上でお読みください。

何度謝っても殴られ続ける一方だった。この時間が過ぎていく度に「死にたい。楽になりたい。」そう願い始めていた。


一瞬、雄介の手が止まり、寝室を出ていった。私は「今しかない」と思い、走って玄関に向かおうとした。しかし、その考えも束の間、床に押し倒された。勢いのあまり、軽く頭を打ちつけ目眩がした。そして雄介は私に馬乗りし、殴りかかってきた。


 「ゴンッ」


一瞬の出来事で全く覚えていなかった。部屋は静まり返り、私は殴られていなかった。重圧のかかる低くも激しい音に、私は何かで殴られたと思った。しかし、現実は異なっていた。雄介が額から血を流して倒れていたのだ。私の手には鉢植えが握られており、血が垂れていた。


 「わ、たし…?」


そっか。殺しちゃったんだ。やっとこの苦しみや痛み、日々の怯えに解放されるんだ。殺してしまったことや恐怖なんかよりも、この現実に笑みすらも浮かべていた。


雄介の首元を触り、脈拍を図った。多分、死んだ。念の為、もう一発殴っておこう。結局何発殴ったのかわからなかったけど、私が満足するよりも先に鉢植えが割れたので雄介の顔はギリギリ原型をとどめられていた。


 「はぁ。もう少しだったのに。」


今の心情も何もわからないまま、冷静になっている自分が居た。あとは自分が死ぬだけだ。警察に捕まらないように、満足のいく死場所と誰の迷惑にもならない場所を探そう。小旅行だ。



私は、雄介の財布からあるだけの現金を持ち出した。そして、自分のスマホを粉々に打ち壊しトイレに流した。どうせ私の名前や雄介との関係はすぐにバレる。だからせめて、私と繋がりのある人たちに迷惑のかかるまでの時間を稼ごうと思った。


ある程度の準備を済ませたあと、ボロボロな顔と体のまま、上着を羽織って家を出た。


玄関を出て走り出すと、清々しい気持ちになってきた。死ねば、殺してしまった柵からも解放される。お願いだから死後の世界では幸せであってくれ。そう願うことしかできない。そう願いを込めながらアテもなく走り続けた。


こんにちは。


本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日はお休みの方が多いのでしょうか。

少しでも休日のリフレッシュになっていれば嬉しいです。(内容的には相反しますが…)


では、また遊びに来ていただけると嬉しいです。

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