熱い夜はこれから!?
「嘉人くんー、仕事片付いた?」
「はい、なんとか!」
奥から咲夜さんにそう質問され、返答を返したあと、俺は時計を確認した。時計の針は8時を指しており、部活の指導が終わった俺は、職員室で仕事に打ち込んでいた。今日は咲夜さんと飲みにいけるからか、1時間もしないで片付けることが出来た。
「こっちも終わったから、飲み行こ!」
「そうですね、そうしましょう」
俺は咲夜さんの言葉通り居酒屋へ向かうため、パソコンや生徒の課題などを鞄に詰め込む。
「今日、飲みに行くんですか?咲夜先輩と……」
「――――うわあっ!?」
「っ!?なんですか、いきなり大きな声を出さないで下さい」
「いや、緑川が隠密スキルで近づいてくるのが悪いんだろ……」
俺は音を立てずに近づいてきて、耳元で話しかけてきた緑川に驚かされた。心臓が早いリズムで鼓動を刻み、胸を強くうちつけていた。
「ああ、そうだよ」
「ふーん、そうですか。楽しんできてください」
そう言うと緑川は、鞄を持って退勤してしまった。一体、何がしたかったのだろうか。まあいい、そんなことよりも俺は咲夜さんと飲みに行かなければならないんだ。俺はそう楽しみにし、咲夜さんに連れられ居酒屋へと向かっていった。
「いらっしゃいませー!」
「すいません、2名なんですけど空いてますか?」
「はい、あちらの奥のお座席にお上がりください」
咲夜さんに連れられてやってきた居酒屋は、和の要素を取り入れた大衆居酒屋であり、大勢の客で賑わっていた。俺たちは、店員に案内された奥の座席に上がり、向き合うように座り合った。
「嘉人くん、何飲む?」
「……とりあえず、生ですかね?」
「そっか。私も生にしよ」
咲夜さんはそう言うと店員を呼び出し生2つと、適当にツマミを注文していった。
「咲夜さん、ここよく来るんですか?」
「うん、まあね。私こう見えても、飲むの好きだから」
「…………」
「なんで無反応っ!?」
「いや、結構性格通りだなと思いまして……」
「ひどーい!」
メニューを見ないで店員に頼む姿通り、ここの居酒屋には結構通っているようだった。多分、緑川と飲みに行った際も、ここを利用したのだろう。
「それじゃあ、乾杯しよっか?」
「そうですね!乾杯」
「うん、乾杯ー!」
最初に届いたビールを手に取り乾杯すると、咲夜さんは勢いよく口へ流し込んだ。俺はその姿を見て我慢できず、俺も倣うようにキンキンに冷えたビールを喉奥へ流し込んだ。アルコールと麦の臭さが、口に広がる。これだよ、これ。仕事でへとへとになっていた体がまるで生き返るような、そんな気分にさえなってしまう。
「今日ごめんねー、勝手なことしちゃって」
「いや、大丈夫ですよ。ただ、なんであんなことしたのか教えてくれませんか?」
咲夜さんはグラスを机に置くと、今日の部活でしたことについて話し始めた。




