有森雪
亮は女性の好きな健康とスタイルの
話題を話を終えると時計を見て確認した。
「そろそろ、打ち合わせが有るので」
「ああ、すみません。じゃあ連絡先の
交換良いですか?」
それぞれスマフォを出してバーコードを読ませた。
「あっ」
亮が立ち上がって入口を見ると
美喜が腕を組んで立っていた。
珠美が美喜に気づいて話しかけた。
「幸田美喜さんですよね」
「は、はい」
「私ファンなんです」
「ありがとうございます」
美喜の目は珠美の肩越しに
亮の顔を見た。
「亮!」
美喜は亮に向かって手を振った。
「文明が待っている」
「わかっています。どこに?」
「隣のホテルカオルーンシャングリアホテル」
「了解」
「統領が明日私を直に指導するって」
「それは大変だあ」
亮は小声で美喜の肩を叩いた。
「うふふ」
「ああ、團さん幸田美喜と付き合っている
んですか!」
細川が声を上げた。
「いいえ、仕事の付き合いなんです。
今度美喜さんがスポーツジムで
ウォーキングレッスンをするので」
「美喜さんがウォーキングレッスンを素敵
習ってみたいわ」
「ぜひ、来てください」
亮は疑いを逆に営業に切り替えた。
「では、お父様によろしく」
亮は深々とお辞儀をしてホテルを出た。
シャングリアホテルに着くと文明がバーで待っていた。
「すみません、大阪の細川建設の娘さんが
CAで香港に来ていたものですから」
「そうか、その細川建設って大きいのか?」
「上場している中堅のゼネコンです」
「そうか、親しくしていた方が良いな」
文明は亮の交流が広がるのが楽しみにしていた。
亮は土曜日に起こった事件を文明にすべて話した。
「本当にそんな事が有ったのか、
良くそれを止めたな」
「はい、日本は確実に危なくなっています。
ただ、日本では外国人が目立つので
組織が作りにくいので何かをするにしても
日本人を使うしかないんです」
「つまりやくざと組まなくてはならないのか」
「ええ、日本は日本語で護られているんですよ。
外国人男性は日本人の女性と付き合いたいけど
口説けないので付き合えないらしいです」
「なるほど日本語は難しい」
文明は日本語の勉強に苦労していた。
「そのアメリカの砂漠の工事はいつ始まる?」
「資金が出来次第ですね」
「どれくらいかかる?」
「はい、D&Rを上場すると50億ドルに
なりますのでその資金で50haにプールを
とりあえず10個、管理棟、製油所を作ります」
「おお、どれくらい時間がかかる?」
「普通の工事で1年出荷まで半年」
「1年半か・・・もう少し早くならないか?
バイオ燃料の需要は思ったより早いぞ」
「そうですね、順に出来上がったプールが
出来て水を入れて行けば半年短縮できます」
「頑張ってくれ!」
「それからリゾートを作ります」
「何故だ?」
「プールの周りに防風林、防砂林を
作らなければならないんです。
バイオ燃料の搾りかすを砂漠に撒いて
畑にするんです」
「そうか素晴らしい話だ。
急ぐにはどうしたらいい?」
「まず、砂漠の下に吸水ポリマーを敷いて
肥料をたっぷり入れて土壌改良をします」
「なるほど日本の農業は土壌改良が
得意だよな」
「帰国したら農業を研究してみます」
亮は植物の専門家緑川五郎に相談する
事を考えていた。
「よし!」
文明は亮と仕事を考えるのが楽しくて
しょうが無かった。
「まずは亮の敵を殲滅しなきゃならないな」
「ええ、正直な話僕の敵はもっと増えます。
たとえ一文字を逮捕してもきっと次々に
敵や悪者が現れますよ」
「はあ、どうにしなくてはならんな。
ビジネスをすれば必ず商売敵は現れるから
同じだよ。永遠に続く」
「特に亮の場合はビジネスと裏の方もあるからな」
「裏?」
「秘密なんちゃらをやっているんだろう」
「良くご存じで・・・」
「まあ、お国の為に働けばそのうち
いい事あるさ」
「そうですね」
「とりあえず、お金の件は任せろ不動産が
儲かるならそっちも投資するぞ」
「不動産か・・・」
亮は銀座のビルの購入で不動産の
利益の方法を垣間見たような気がした。
「文明、お願いします」
亮は文明に頭を下げた。
~~~~~~
「まったく、殿と文明さんの会話入って
行けなかったわ」
「そうですね。でも亮の話には夢が有る
私、亮を護るわ」
「ありがとう、これからもお願いします」
「はい、任せてください」
「ところでホテルは?」
「シャングリアホテル、ここよ」
「そう言えば、みんなは?」
「帰ったわ、明日の朝頑張ってって、
小妹が言っていたわ」
「荷物は部屋に有るから」
美喜がカードキーを亮に渡した。
「美喜さんは?」
「同じ部屋だよ。久しぶりにね」
亮は何故か嬉しかった。
「胸がまだ痛いので・・・」
「じゃあ私がせめてあげる」
~~~~~~
朝、目を覚ました亮はハーバー沿いを
ジョギングしてダイニングへ食事に行くと
小妹が待っていた。
「亮!着替え持って来たよ」
「はい」
小妹は亮にバッグを渡した
「中に服とブレスレッドが入っているわ。
ガイド大丈夫?」
「ああ、準備完了」
「これ車のキーね。これで雪を迎えに行って」
「了解」
~~~~~~
亮はハーバーグランド香港ホテルのロビーに
着き、雪の部屋に電話をして雪を待った。
エレベーターのドアが開き雪が
出てくると亮が声を掛けた。
「有森雪さんですね。私ガイドの劉と申します」
亮は小妹が作ったガイドの
身分証とパスポートを見せた。
「劉さん、日本語本当に上手、驚いたわ」
雪は上品でまるでイギリス人の様な紳士的な
物腰の亮を人目で気に入った
「有森さん、ご希望は?」
「マカオのカジノで遊びたいわ」
「分かりました、ビクトリアピークへは行かれました?」
「ううん、まだよ」
「それでは、せっかくですから郊外のスタンレーの
方へドライブしませんか、
香港も意外と自然があるんですよ。
お昼にはドライブ先で食事をしましょう。
その後市内観光をしてビクトリアピークへ行って
マカオに行きましょう?」
「ええ」
雪は亮の身体から発するフェロモンと
優しい言い方にとろけそうになり
何処でもいいから行きたかった
「はい、でも料金は?」
「大丈夫です。車は僕のサービスです」
亮がホテルから出ると目の前に黒いベンツ
コンパーチブルが有った。
「わあ、ベンツのオープンカーですね素敵!」
雪が飛び上がって手を叩いた。




