ロシアマフィア
「お前のボスは誰だ?と言っても答えないだろう」
「当たり前だ!」
「お前は仲間をピストルで撃ったな、火薬臭かった」
趙剛が合図を送ると部下は男の右手
人差し指の爪と肉の間に釘を当てた。
「このまま刺すと痛いぞ!
痛い思いをしてから自白する方が損だ」
「殺せ!」
男が言うと
「ばか者!一気に殺されたほうが
楽に決まっているだろう。やれ!」
部下はゆっくり釘を人差し指に刺した
「うっ」
髭の男はのけぞりそれを見ていた
隣の男は顔を背けた
「痛いだろう」
「いや!」
男が頭を左右に振ると部下は釘を抜き、
男の右手人差し指から血が流れ出した。
「さて、仲間の前では自白できないな。連れて行け」
もう一人の男は震えながら
椅子ごと隣の部屋に連れて行かれた。
「お前の名前は?」
趙剛が男に聞くと吐き捨てるように答えた
「ピョートルだ」
「ピョートルいい名前だ、
今回君たちが私の仲間を殺したのは
お前には罪はない、忠実に任務を遂行しただけだ、
悪いのは暗鬼を教えなかった君のボスだ」
「殺せ、殺してくれ」
ピョートルは痛みと恐怖心で頭が変になってきた
「ピョートル、なぜ暗鬼が世界に恐れられる
殺人集団か教えよう。我々に攻撃を加えた敵は
組織とその家族全員を抹殺してきた」
「あっ」
「知っているのか?」
ピョートルはその話を過去に聞いたこと
思い出し顔を青くした
「もし、君が我々に協力をしてくれれば
君の家族の命を助けよう」
「私には家族はいない!」
「調べれば分かる、君の顔写真を今検索中だ」
「そんな事できるわけない」
「出来るさ」
そこに部下が一枚の紙を持ってきた
「ほう、君は正直だ。ピョートル・イワノフは本名だな、
出身はモスクワの近くウラジミールで、
親子2代で陸軍に
入隊、奥さんはサーシャ33歳、
息子はビクトール8歳イワン5歳」
ピョートルはガタガタと震えだした。
「今頃、相棒のアントンは自白したかもしれないな、
彼は大家族だから。さて早いほうは助けてあげよう」
趙剛が隣の部屋に向かうと
「ま、待ってくれ」
ピョートルが趙剛を止めた
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蝶ではみんなの話がまとまり
みんなは楽しく酒を飲んでいた
「お父さん、銀座7丁目のビルに
僕の個人会社も作ります」
亮は秀樹の耳元で囁いた
「個人会社で何をやるつもりだ」
「たとえば今回のような仕事に立ち上げの時に
所属がないと信用してもらえないもので
それにビルは会社の持ち物になります。
それに上場を目指さないとデビッドとロビンに
申し訳ないので」
「それがいい、そもそもお前が名刺を
持たないのがトラブルの原因になる」
「はい」
「俺も取締役に入れるんだろうな」
「はい」
「あはは、聞いちゃった。私も入れて」
美也子が言うと絵里子が入り込んできた。
「私も入れて」
「私も入れて欲しい」
横山頭取も頭を下げた。
「亮!面倒だからここにいる
連中全部入れておけ」
秀樹が言うと亮は仕方なし返事をした
「はあ」
亮はみんなを取締役に入れたら
個人会社の意味がないような気がした。
クラブ蝶の中は亮を取り囲んでまるで
同窓会のようににぎやかに
隣の席同士の客が名刺交換を始めた
「この店始まって以来だわ、こんな雰囲気になったの」
絵里子がうれしそうに店の中を見渡し
ホステスとボーイがその間を忙しそうに走り回っていた
「ママ、今日は楽しかったよ。久しぶりに
色々な人と本音で話し合えた」
横山頭取が絵里子に頭を下げた
「いいえ、これからも亮の事お願いします」
「もちろんだよ、逆にこちらがお願いするようだ」
「亮には世界中に仲間がいるんですよ、
ハーバード大学のヒーローですから」
「ヒーローとは?」
「彼はハーバード大学の図書館を
爆弾テロから救ったんですよ」
「本当かね」
「ええ、それにスチュアート上院議員を
テロリストから助けたのも彼です」
絵里子から話を聞いた横山は亮の肩を叩いた
「亮くん、スチュアート上院議員と言ったら
大統領の側近中の側近じゃないか」
「そうみたいですね、今回のアリゾナの件は
スチュアート上院議員にお願いしています」
「そうだったのか・・・」
横山は亮に対してもう何も言えなかった
「うちの娘婿もこんなにいい
男だったらよかったのに」
横山は東大出身でまじめでそつなく仕事を
こなす絵に描いたような銀行マンの
娘婿が、なぜか亮より魅力に欠けるような
気がしてならなかった。
「團さん、亮くんにうちの娘、
琴乃もらっていただけませんか」
石橋が秀樹に頭を下げると
「いや、うちの奈々子を是非」
倉沢が秀樹に頭を下げた
「うちの孫の理恵もいるぞ。あはは」
内村が大声で笑うとみんなが秀樹を見た。
「あいつは惚れっぽいので・・・困った男です」
亮はみんなにグリーンコンドー○を配り始めた
「このコンドームの内側には精力剤が
塗ってあって外側には性感クリームが塗ってあります
しかも、前立腺肥大の予防になります」
「ほう」
みんながそれを受け取ると亮は
「これは夫婦円満とエイズ防止に役立ちます。
それでこれをアフリカにアメリカのNPOを
通して無料で配布します」
「では、我々はアジアで配布するか」
内村は言うと亮は真剣な顔で答えた。
「はい、その利益でボランティア活動をしている
日本人の医師を援助しませんか」
「おお、いい話だ」
みんなが拍手をすると
「これは夫婦円満に役立ちます」
上原が立ち上がって自信を持って話をした。
三々五々みんなが蝶から帰っていくと
「亮」
絵里子が声を掛けた
「はい」
「今から行く?」
「すみません、今日は帰ります。
父親が一緒ですから明日大事な話が有ります」
「何?」
亮が頭を下げて秀樹と店を出て行った
亮と秀樹がタクシーに乗り込むと
「お父さん、今回の飲み代誰が払うんですか?」
「うん、内村さんかな?」
「でも人を集めてほしいと言ったのは僕です・・・・」
「じゃあ、お前が払え」
「はい、明日ママと話をしてみます」
亮は真剣に考えてみんなが飲んだ
ボトルの数を思い出していた。
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右手の人差し指に包帯を巻いた
ピョートルとアントンは応接室通された
「お茶でもどうかな」
趙剛が言うとテーブルにウーロン茶が置かれた
「お酒は傷口に悪い」
二人がお茶を飲むと趙剛が言った。
「アイザック・イワノフ二人が言った共通の名前だ」
「はい」
「この男が雇い主だな」
「はい」
二人はうなずいた。
「暗殺の対象者は?」
「日本人の一文字大介だ」
ピョートルが覚悟を決めて言うと趙剛はうなずいた
「アイザック・イワノフは最近ロシアマフィアの
父親の後を継いだ28歳の男で、
主に麻薬密売とロシア女性を
香港やマカオ、北京に送り込んでいるな」
ピョートルとアントンは驚いて顔を見合わせた。
「間違いないな?」
趙剛がピョートルに強く聞くとうなずいた。




