一文字の行動
「今日はどうするんだ?」
内村は亮と久々に飲もうと思って聞いた
「今日、うちの店がオープンなんです」
「ああ、キャバクラか」
「はい」
「ハーバード大学MBAを卒業してキャバクラの
経営かまったくもったいない話だ」
亮は内村のそんな言葉に
動ぜず内村に営業をした
「今度遊びに来てください」
「行くわけないだろう、私は銀座一本だ」
「そうですよね。では失礼します」
亮が頭を下げて社長室を出ると
内村は総務部長に内線電話をした。
「今後接待でキャバクラを使うとき、
歌舞伎町のラブポーションを使うように指示しなさい」
「急に言われましても・・・」
「JOLの再建に掛かっているだ。
他のキャバクラの領収書は受け取らなければいい」
「分りました」
総務部長は首をかしげながらつぶやいた
「JOLの再建か・・・」
その日の亮はDUN製薬、ADD印刷、石橋工業、
上原建設は新会社の株主になる
約束を取り付け歌舞伎町に向った。
そしてそれぞれの会社が接待に使う
キャバクラはラブポーションになった事を
亮は知る由も無かった。
「さて、やるぞ!」
亮は珍しく自分に気合を入れてラブポーションに
入ると、そこはすべて準備が出来ていた。
「亮さん、すべて準備完了です」
「ありがとう」
亮は天知理沙の手を握って
感動で目を潤ませていた
「どうしたんですか?亮さん」
「いや、もうちょっとドタバタしていると思いました」
「亮さんが私を信じて任せてくれたお陰です、
スタッフを褒めてください」
「分っています」
亮は心からスタッフに感謝した。
「殿」
美喜が亮の腕を掴んだ。
「美喜さんも手伝ってくれたんですね。
ありがとうございます」
「今日は私もお店に出るわ」
「おお」
6時にマテリアでヘアメイクを終えた
ホステスが出勤して来て30分前には
ステージの前に並んだ。
「みなさん・・・」
亮はホステスたちの真剣な顔を見て
何も言えなくなってしまった
「最高の店にしましょう。がんばってください」
「おー」
女性たちは片手を上げて気勢を上げた。
そして、ホステスたちが何も言わずに
店の外へ出ようとしていると理沙を亮が
呼び止めた。
「理沙さんどうしたんですか彼女達?」
「呼び込みよ、何も指示していないのに」
そこにドアを開けた女性が悲鳴を上げた。
「きゃー」
亮は駆け足で外に出ると店の外に
客の男性が列を作って立っていた
「亮さん、お客様が並んでいます。
後はお任せください」
理沙が亮の前に立って制した。
「でも、理沙さん何か手伝います」
「将は指差すだけ、あなたは居るだけで良いんです」
理沙はやさしく微笑み次々に客を店内
に入れホステスを付けていった。
「お願いします」
亮は忙しそうに仕事をしている理沙に
任せブルックのいる楽屋に入って行った。
~~~~~~~
「ああ、美味かった」
チムサーチョイの中華料理店を出た
一文字が満足そうな顔をして西の顔を見た
「そうですか。それは良かった」
西は一文字の機嫌が良くてホッとしていた
「あの川海老の塩茹、美味かったなあ」
「白灼生蝦、バッチュウハイですね」
「うん、いろいろ料理が有ったが
シンプルな料理が美味い」
西は一文字から意外な言葉を聞いて驚いた
「会長。油っぽい中華料理は口に合いませんか?」
「いや、そうでもないがうちのお手伝いが
作ってくれた料理に似ている」
「お手伝いさんですか」
「うん、料理の上手い人だった」
一文字はお手伝いの恵美子の
料理をする姿を思い出した
次のシーンは恵美子が一文字大蔵に
抱かれている場面そして、
恵美子が全裸で股を開いている姿が頭に浮んだ。
「くそ!」
西は一文字のその声を聞かなかった
ふりをして別な方向に話を持って行った
「会長、この後はナイトクラブいかがですか?」
「おお、あの有名な香港のナイトクラブか」
「はい、300人のホステスがいます。
もちろんお金を出せば連れて帰れます」
西が言うと一文字がニヤニヤ笑って
美人の中国人を想像していた
「そうか行くか」
一文字と西の二人は香港最大のナイトクラブ
『香港夜会』へ入って行った
「春麗さま、今一文字が
『香港夜会』に入りました」
「やった、了解」
電話を受けた小妹は指を鳴らした
~~~~~~~
『香港夜会』に入った一文字と西は
大きなステージが見えるガラス張りの個室に通された。
そこに、マネージャーの黒いボディコンの
美人が入って来て挨拶をした
「会長、今から女性が何人かずつ入って来ますから
好みの女性を選んでください」
西は一文字に説明をした
「言葉は?」
「日本語か英語を話せる女性を頼んでいます」
「うん」
するとホステスが十人ずつ部屋に入って来た
~~~~~~
「春麗、一文字が『香港夜会』に入ったぞ」
趙健徳が小妹に電話をかけてきた。
「分った、ありがとう」
「ホテルへ行く女には指示をしておく」
「お願いね、お父さん」
「任せておけ」
健徳は小妹に頼りにされて嬉しかった
「おじいちゃん、一文字が
お父さんのお店に入ったそうよ」
「亮の言った通りだな」
「うん」
「健徳もこっちの商売で成功してしまったな」
「うん、宝石の方の仕事では亮のお父さんの所に
営業に日本に行くって行っていた」
「ほう、あいつが営業か。
よほど亮の事が気に入ったようだな」
「うん、そう見たい」
「亮が春麗を嫁にもらってくれたらわしも嬉しいよ」
「あはは」
小妹は照れ笑いをしながら、
亮とずっと一緒にいたいと思っていた
「今日の一文字の行動だが、
奴の香港の会社に入ってその後、銀行に行った
お陰で奴の銀行口座の預金残高が分った」
「いくらあるの?」
「3億ドルだ」
「そんなに?」
「ああ、こっちの会社にいる西と言う男が
トレーダーなんだが香港に来て
順調にお金を増やしている」
趙剛は口座の履歴を小妹に渡した
「やった、亮が喜ぶわ」
小妹がそれを持って飛び上がると趙剛は微笑んだ
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ブルックは元気にラブポーションの
ステージに上がっていった。
ブルックのライブはキャバクラの客と
ホステスが立ち上がって一緒に
踊るほどの盛り上がりを見せた。
「あはは、凄い!」
奈々子は声を出しながら客席の
端で踊りながら聞いていた
ライブが終わるとブルックは亮に飛びつき
「ありがとう、亮」
亮は奈々子の方を見て言った。
「明日火曜日は渋谷のライブハウスですね」
「はい、ネットのチケット販売、満席です」
「ブルックが喜びますよ。バックバンドの手配は」
「それも大丈夫です」
亮は奈々子に任せて本当に良かったと思っていた。
「奈々子さん、ブルックが今度
日本に来た時は何処でやりましょう」
「うーん、代々木体育館かしら
大阪城でもやりたいわ、福岡でも」
「すべてCDのセールスしだいですね、
奈々子さんよろしくお願いします」
「はい、任せてください」
「次は白尾尚子さんですよ」
「えっ!本当に?」
アメリカでそれなりの人気が出てきた尚子が
どうして日本に戻ってくるのが不思議だった。




