死からの帰還
「どういうご関係ですか?」
「身内のものです。御神仁と申します」
「一度心停止しましたが、今は大丈夫です。
それより出血がひどくて」
「私は亮と同じAB型rh+です」
「助かります。お願いします」
御神は集中治療室入って輸血を始めた。
「亮よ、俺の両親が作ったナチュラルキラー細胞と
徳川家御典医團一族が作った
秘伝の力お前の体で合体する。
どんな力が生まれるか楽しみだ」
~~~~~~~ ~
「小妹、亮が見つかったわ」
美咲が連絡を受けて小妹が話した。
「本当、それで」
「築地病院の集中治療室に居るわ、
命は取りとめたけど
意識不明だそうよ」
「分かりました、直ぐに行きます」
「お願い私はまだ動けない」
美咲は悲しそうな顔をして言った。
~~~~~~~
「亮、エリックたちは何をするつもりなの?ねえ亮」
美咲が手を握って天を仰いだ
「美咲さん、韓国だよ」
美咲の耳に亮の声が聞こえ
エリックたちの行き先に気がついた。
「大変、仁川空港だ!」
美咲は部下に指示をした。
「エリックは韓国の仁川に飛んで
乗り換えてアメリカに逃げるつもりよ
福島、仙台、新潟空港に手配をして」
「了解」
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上越新幹線で新潟空港に着いたエリックたちは
後ろを振り返りながら笑っていた。
「日本の警察は頭が悪い、アメリカへ行くのに
飛行場が2ヶ所しかないと思っている」
エリックが言うと
「まったくだ、アジアのハブ空港は
日本じゃない。韓国だ!」
ボビーはビールを一口飲んだ
「東京証券取引所の爆破は失敗したが
大阪、京都の官僚暗殺の
依頼は達成したからなエリック」
「追加依頼は有森の立てた陳腐な作戦だった、
東京タワーの爆破とかウイルスのバラ撒きとか
俺達の専門外だったからな」
エリックはそう言うとうなずきながら
ボビーは言った
「その通りだ、お陰で我々の命が危なかった」
「まあいい、ハリー、ボビー
今夜はソウルの夜を楽しもうぜ」
「さて、ニューヨークでマギーに会うのが楽しみだ」
「ハリーまだそんな事言っているのか?
あの女に遊ばれただけだぞ」
「エリック妬きもちか?」
「そんな事思っていないさ、
俺はジャネットと会う約束が出来ている」
ボビーは美喜と会う約束をしていない事を
寂しく思ってスマートフォンを
手に取って電源を入れた
「待て!ボビー」
エリックがスマートフォンを抑えた
「ボビー、もし美喜がスパイだったら
我々の居場所がばれてしまう、
ソウルに着いてからにしろ」
「ああ」
ボビーは仕方なしに電話を切った
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「原警視、ボビーのスマートフォンの
電源が入って居場所が分かりました」
部下から美咲のところへ連絡があった。
「何処?新潟空港です」
「直ぐに手配を」
「手遅れです。仁川飛行機は
後30分で飛び立ちます」
「くそ!」
美咲は思い切り地面を蹴った。
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勝どきの自宅から来た絵里子は
絢香を抱いて廊下を早足で歩くと
女性達が立っていた
「美喜さん」
小妹が声をかけた
「ああ、小妹ちゃん」
「どうなの亮は?」
「命は取りとめたんだけど意識が戻らないの」
「そう、病室は?」
「もうすぐ集中治療室から病室に移ります」
「そう良かった」
美喜が微笑んだ。
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暗闇の中で女性の声が聞こえてきた
「亮、やっと会えたわね」
「君は?」
「沙織です」
「沙織さん、モンブランのボールペンありがとう」
「ううん、エルメスエプリンが似合う年になったよ」
「亮、戻ってきてあなたを必要としている
人がたくさんいるのよ」
「分かっています。僕には愛する人がいて
守らなくちゃいけない人います」
「そうよ、戻ってきて亮」
突然、声が変わって
「何やっているのよ亮、起きなさいよ」
「パパ、起きて」
「亮、愛している」
「殿!」
「起きろ!」
「私まだ抱かれていない」
「月曜日のライブどうするの?」
「エリックは逃げたままよ」
「今度会えるのは1年後ね」
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病室で酸素吸入器をつけて寝ている
亮の脇に女医が座って手を握っていた
「先生、團さんの容態は?」
美喜が聞いた。
「もう大丈夫です、先ほど團さんの身内の方が
いらっしゃって輸血をしていただいて、
命はとりとめましたが、
ただ意識が戻らなくて・・・」
女医が答えた。
「身内の方?」
美喜が周りを見渡した。
「御神仁さんと言う方です。
輸血が終わると帰ってしまいました
「仁さん・・・ところで先生、
團さんのお知り合いですか?」
「えっ?」
「さっき手を握っていましたから」
「はい、高校時代の知り合いです」
「ひょっとしたら、沙織さんの知り合いですか?」
「はい、私は北川沙織です」
「はいっ、京都にいらっしゃると
亮さんに聞いていました」
美喜は聞いた。
「はい」
沙織は不思議そうな顔をした。
「あのう、亮とはどういう関係ですか?」
沙織が美喜に聞いた。
「私は亮を守る者です」
美喜は病室外に出ると
小妹とマギーと蓮華が立っていて
病室に呼び寄せた。
「私たちも亮を守る者です」
四人は沙織に挨拶をした。
「えっ?」
「沙織さん詳しい話は後程・・・」
まもなく亮は美喜、小妹、マギーに手を握られ
目を開けた。
美喜たちの後ろに立っている
沙織に気が付いた。
「沙織さん?」
「はい、亮」
「お久しぶりです。お元気ですか?」
「亮こそこんなに事に・・・」
「去年、神戸のホテルで見かけましたよ。
彼と一緒に食事していたのを」
「声を掛けてくれば良かったのに」
「えっ」
亮は絵里子と一緒だったので逆に
声を掛ける事が出来なかった。
「変わっていないな、亮」
沙織は涙を流して亮の手を握った。
「美喜さん、沙織さんです」
「はい、亮が目を覚ます前に話をしたわ」
「そうか・・・」
「みんな心配しているわよ」
「はい」
亮は起き上がった。
「ちょっと待って」
沙織は突然起き上がった亮を見て、心電図を
確認し聴診器心音を聞き血圧を測った。
「こんな事って・・・」
沙織は呟いた。
亮は起き上がろうとしていた。
「團君ダメよ、寝ていなくちゃ」
「何処も悪くないでしょう、先生」
亮が笑うと沙織が笑って返事をした。
「はい、問題ないわ。でも心臓が止まっていたわよ。
それで御神仁さんが輸血してくれました」
「えっ?兄さんが?」
「はい、全身ずぶ濡れ突然現れて」
「ああ、あの時助けてくれたのは
兄さんだったのか・・・ありがとう沙織さん
こっちへ呼んでくれましたね」
「うふふ、聞こえていた?」
「はい、昔から記憶がいい物で」
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外で待っていた、森、直子、葉子、智子、
玲奈が入って来た。
「小妹、爆弾は?」
「警察が無事に処理した。もし爆発したら
ビルが倒壊していたそうよ」
「有森は?」
「ジェニファーが射殺したわ」
「えっ?どうして?」
「有森がFBI職員に毒を盛ったり、情報を流したりして
FBIを裏切っていたのよ。それに
爆弾の処理を妨害しようとしていた」
「そうか・・・死んだのか」
亮は有森から情報が取れなかった事が
悔しかった。
「それでエリックは?」
「美咲さんの情報だと新潟に行って
韓国へ向かったそうです」
「予想通りです」
亮の頭の中ではエリックたちの行動が
鮮明に浮かんだ。
「小妹、今回のミッションを失敗したので
一文字の命が危ない」
小妹は目が覚めると直ぐに
頭が働く亮に驚いていた。
「僕のスマートフォンは?」
「たぶん壊れてる」
「小妹電話を貸して!」
亮は美咲に電話をかけた。
「美咲さん、一文字の命が危ない」
いきなり亮の声が聞こえて美咲が驚いた
容態を気遣う間もなく
「一文字は成田空港で保護をして
樫村が見張っている」
「保護?」
「はい、野口麻実が一文字を
襲ったところを樫村が」
それを聞いた亮は小妹を見て笑った
「美咲さん、ミッションを失敗した
一文字は命を狙われます」
「はい、警察で守るわ。体のほうは大丈夫?」
「はい、もう動けます。エリックの方は?」
「タッチの差で新潟空港から韓国に逃げられたわ、
それはブラウン捜査官が動いている」
「有森は死んだそうですね」
「はい、かなり抵抗したみたいで
FBIが射殺したわ」
美咲はその時の本当の経緯を知らなかった。
「じゃあ、有森が誰の命令でどう
動いたか不明のままですね」
「今、妻の有森雪子を手配しているわ」
「有森雪子は逃げているんですね」
「はい、じゃあまた後で」
亮が電話を切ると
「小妹、麻実さんを動かしたのはお前だな」
「しょうがないわよ、
今一文字に近づけるのは
彼女しかいなかったんだもの
トラブルを起こせば、
一文字を足止めできるでしょう」
「まあ、結果的には正解だな」
「えへへ」
小妹が無邪気笑った
「さて、今度こそ一文字とエリックを
とっ捕まえてやる」
「亮」
不思議そうな顔をした
「ん?」
「なんか変わった」
「あっちの世界に言った時みんなの
声を聞いたから
僕は負けられない!」
亮は何かを吹っ切れたように爽やかな
顔で笑って言ったそこにスーッと
病室のドアが開いた
「亮みんなが会いたがっているわ」
美喜が覗き込んで言うと
直子たちが入ってきた。
「やあ、みんな元気」
亮が照れながら手を上げると
「亮、グッド・ジョブ!」
女性たちはそう言って
次々に亮に抱きついていった。




