焼き肉店
麻実が頭を下げて礼を言った。
「別にたいした事じゃないですよ、
東京タワーなんていつでも来れるじゃないですか」
亮は笑って返事をした。
「それが、意外と来ないのよ。何かないと」
「へえそうなんですか?玲奈さん」
「亮は来るの?」
「はい、月に1回」
「はいっ?どうして?」
麻実と玲奈と美喜が驚いて聞き返した。
「東京はいつもどこかで建築工事を
しているからその様子を観に」
「観てどうするの?」
玲奈が不思議になって聞いた
「ビルが出来ればそこに何か
経済効果が現れます、その情報と分析です」
「それで?」
「そこのビルを持っている不動産会社、
デベロッパー、テナントの収益が予想できて
株価の上がり下がりが予想で来るわけです」
「なるほど、じゃあ亮さんは儲かっているの?」
麻実が興味深く聞くと亮はうなずいた。
「はい、たぶん」
「はいっ?どれくらい」
お金持ちの好きな麻実は亮に迫ると
亮は指を1本出した
「きゃー1千万円すごい!」
麻実が亮の腕に抱きつくと玲奈が亮の耳元で囁いた
「うふふ、桁が違うのにね」
「いや、桁と通貨が違うんですが」
亮は独り言を言った。
「麻実さん元気が出てきましたね」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあこれからおいしい物でも食べますか?」
「本当ですか」
麻実は喜んではしゃいでいた。
「玲奈さん、美喜さんこれで麻実さん
一文字の事をしゃべりますかね」
「抱いちゃったほうが早いかも」
「あはは」
亮はあまりにもストレートな返事に困った
亮は倉沢奈々子に電話を入れると
「こんにちは、團です」
「こんにちは」
「食事の件ですが」
「はい、7時に銀座大丈夫ですか?」
「はい、もう支度は出来ています」
「では、銀座の銀遊亭で良いですか?」
「はい、焼肉で良いんですね」
奈々子はブルックとの食事が焼く肉とは
驚いていた。
「では、7時に」
ブルックと玲奈と麻実と美喜は個室
案内されそこに倉沢奈々美が来た
「こんばんは、ワインを選んでいました」
そこへ奈々子がテーブルに案内されてきた。
亮は立って奈々子を迎えると
テーブルを見渡した奈々子は
ブルックと玲奈と麻実に会釈をした。
「紹介します、倉沢さん。ブルックと
三島玲奈さんと野口麻実、幸田美喜さんです」
「はじめまして、倉沢奈々子です」
「本当なんですね、うれしい」
奈々子がブルックを見て亮を信じた。
「奈々子さんすみません、ブルックが焼肉を
食べたいというので」
「いいえ、アメリカ人はバーベキュー
好きですから、うふふ」
そこへシャンパンを開けて注いだ。
ルイ・ロデレール・クリスタルです。
六人は乾杯をすると
「ブルック、奈々子さんに
RRレコードの話をしてください」
「はい」
ブルックがアメリカのRRレコードの
プロデューサー、契約
レコーディングのスケジュールを話すと
奈々子はその話を聞きながら興奮して
何度もシャンパンを飲んでいた。
「倉沢さん大体信じてもらえましたか?」
「はい」
「ブルック、後で今朝唄った新しい曲を
もう一度聴かせてください」
「OK」
ブルックは笑顔で答えた。
「そうだ、五人にプレゼントがあります」
スタジオDの包みを亮はそれを五人に渡した
「開けていい?」
ブルックはアメリカ人らしくすぐに
包みを開けた。
「わお」
ブルックは笑って声を上げると
それはブラとショーツのセットだった。
「サイズは合っているはずです」
玲奈と麻実と奈々子と美喜は
恥ずかしそうにブラを取り出すと
微笑んで聞いた。
「これって?」
奈々子が不思議そうに聞くと亮は答えた。
「僕のデザインのブラとショーツです」
「團さんあなたはデザイナー?」
奈々子は目を丸くして亮の顔を見た。
「あはは、下着だけですけどね」
ブルックは突然立ち上がって出て行った
玲奈と麻実と奈々子はブルックの後を眼で追うと
亮に話しかけた。
「でも綺麗このブラ」
麻実しみじみと見て言った。
「はい、綺麗」
「肩紐は0.5%伸びる生地を使っていてちょっと
揺れる感じにしています」
「両サイドの生地も収縮性を持っていて
谷間が出来やすくなっています」
三人がブラを眺めていると亮は玲奈に言った。
「玲奈さん、このブラをお父さんの
工場で作ってみませんか?」
「う、うちでですか?」
「はい、ぜひ。このブラは縫製技術が必要ですごく
高価な物になってしまうんです。
それに温度を下げる材質の繊維を
使っているので
胸に脂肪を集め、巨乳化します」
「素敵です、父と相談してみます」
玲奈は笑顔で返事をした。
「これって、いくらくらいですか?」
麻実がブラを握り締めて聞くと亮は笑った。
「サンプル品なのでまだ値段が出ませんが
出来るだけリーズナブルに」
「はい」
そこへブルックが戻ってきてシャツのボタンを開けた。
「見て亮、すごくいいわ。胸も大きく見えるし形も良い」
ブルックは大きな谷間を見せた
飛び跳ねて回った
三人もそれを覗き込んでうなずいた
「亮、ありがとう」
ブルックはお礼を言うと
「私もつけようかな・・・」
麻実が小さな声で言った
「あはは、後でいいですよ」
シャンパンの次に亮はワインを飲んだ。
「ジャネットこれおいしいです。焼肉に合います」
「奈々子さん、RRレコードでブルックの
プロモーションを手伝ってください」
「私でいいんですか?」
奈々子は目を輝かせて返事をした。
「もちろんです」
ブルックは日本語で話す亮と奈々子を
感じ取って奈々子の手を握った
「お願いします」
奈々子が頭を下げるとブルックは
奈々子にハグをした
「ところで、奈々子さんのお父さんを
紹介して欲しいのですが」
「うちの会社ですか?」
「はい、アメリカのアリゾナに水脈が
発見されて水のプラントを作りたいので
ぜひクラサワさんの技術が欲しいのです」
「はい、でも父は何度も海外のプラントの
件でだまされていますから、
話を聞いてくれるかどうか」
「その噂も聞いています」
「分かりました」
奈々子は亮を父親に紹介できる事がうれしかった。
「ところで、團さんの仕事って何ですか?」
奈々子が真剣な顔で聞くと皆が笑った。
五人が食事を終えるとブルックが
アカペラで歌を唄いそれを聞いて
聴いて奈々子は感動した。
「團さん早速、音楽著作権の手続きを取りましょう。
それにスタッフも集めなくちゃ」
「いい人材いますか?」
「はい、実はアイベックスは経営者側と
制作側の内部分裂をしていて
制作側だった私は閑職に追いやられたの」
「じゃあ制作側は」
「いつでも条件が合えば来てくれるわ」
「でも会社側は奈々子さんのお父さんの
会社を知らないわけでは・・・」
「うふふ、もちろんレコード会社と
水の会社は関係ないわ」
「分かりました早急に動きます」
亮はビルを探す事を考えなければならなかった。
「さて、約束を実行してもらわなくちゃ」
ちょっと酔い加減の奈々子が亮の腕に抱きついた。
「あはは」
亮は玲奈に合図を送った。
「玲奈さん僕は奈々子さんを送っていきます
から麻実さんと美喜さんと帰ってください」
「はい、分かりました、気をつけて」
玲奈は笑いながら亮の足を蹴飛ばしていった。
亮はブルックをホテルに送り
代官山の奈々子の部屋に着くと
奈々子は亮に迫った。
「本当だったのね、ブルックの話」
「本当ですよ、奈々子さんが
信じてくれなかっただけです」
「ごめんなさい」
「ところで、レコード会社のオフィイスって
何処がいいんですか?」
「どこって?テレビ局の近くがいいのかしら
音楽出版の関係が有るから
・・・でも家賃が高いし」




