殺し屋の過去
亮が穏やかに言うとブラウンは亮に聞いた。
「ダン、ひょっとしたらエリックの
居場所を知っているんじゃあ」
「はい、知っています」
亮はあっさりとブラウンに答えた。
「原さん、どうして私に報告をして
くれなかったんですか?」
「ブラウン捜査官、私たちはエリックたちを
一度職務質問しています、
でも何も出なかったし、パスポートも違う名前だった」
「なるほど、捕まえて自白させればよかったのに」
ブラウンは美咲に言うと美咲は首を横に振った。
「ブラウン捜査官、日本の法律は違います、
それにエリックに大使館に逃げ込まれたら
終わりです。だからあなたが来るまで監視していました」
「ありがとうございます」
そう言ってもブラウンは日本の警察は遠巻きにエリックを
監視しているだけだと思っていた。
「では今のエリックたちの状況を説明します」
美咲が全員を見て話し始めた
「エリックとボビーらしき男二人は
4月10日関西空港から入国しています。
翌4月10日木曜日に15時、大阪Uホテルの14階客室
エレベーターの前で続いて15時10分に
地下駐車場で再び爆発が起こった」
「使われた火薬は?」
ブラウンが聞くと美咲は嫌味を言った。
「C-4です。メイドインアメリカ」
「OK」
ブラウンは答えるとジェニファーがメモをした
「その夜、梅田Sホテルで21時35分に経済産業省の
事務次官と警察官が爆死しました」
「ボビーの仕業か?」
ブラウンが言うとジェニファーがうなずいた
「梅田Sホテルの近辺ではエリックとボビー
の姿は防犯カメラに写っていません」
「では、違う者の仕業か」
ブラウンは犯人は別人であると思っていた。
「ただ、僕は京都で二人を目撃しています」
「おお、それは困った」
ブラウンは困った顔をすると美咲は報告を続けた。
「翌日4月11日、7時5分に京都駅前で財務省主計局長と
金融庁参事官と秘書官の三人が射殺されました」
ブラウンはあきれ返って手を広げていた
「美咲さん完全に馬鹿にされていますよ、日本の警察」
亮が耳元で囁くと美咲は仕方なしに答えた。
「しょうがないわよ、事実だもの」
美咲はこみ上げる怒りを抑えていた。
「どうします、潜入している女性たちの話」
「今のところ黙っておきましょう、
きっと信用しないと思うから」
「彼らはどう動くつもりでしょう」
「たぶん、日本にいるFBIの連中が
張り付くと思うわ」
「じゃあ彼女たちを引き上げます」
「はい、いいわ」
「分かりました、ブラウン捜査官の
方針が決まりましたら連絡ください」
亮は立ち上がりブラウン捜査官に挨拶をすると
部屋をでて電話をかけた。
「小妹、亮です。FBIが来ましたので
撤収してください」
「了解」
1時間後の13時に市ヶ谷に全員が集まった。
「みんなお疲れ様」
「はーい」
小妹元気に返事をした
「亮、撤収して大丈夫だったの?」
「はい、後はFBIに任せればいいでしょう、
小妹、マギー、蓮華、桃華
そして美喜さんご苦労様でした」
亮は深々と頭を下げた。
「お疲れ様」
みんなが声を上げると亮はケーキを
冷蔵庫から持ってお皿乗せ始めた。
「亮それ、私がやる」
小妹が来ると亮は後をまかせマギーに話しかけた。
「マギーお疲れ様、ハリーが君にべたぼれだったね」
「あはは、ハリーは私と本気で付き合いたいみたいよ」
「これが、マギーの得意技ですね」
「はい」
マギーは手で首を切るしぐさをした。
「美喜さんお疲れ様、くノ一戦法お疲れ様」
「レッドコンドーム、あれ凄かったわ。
ボビーが白目を出して気を失っていたわ、
亮も一度体験してみたら。うふふ」
「それは勘弁して欲しい、
10秒もアレが続いたら気が変になる」
「うふふ、自分で作っておきながら」
小妹が笑っていた。
「蓮華、桃華もお疲れ様」
二人は黙って頭を下げた。
亮はケーキを持った小妹のところへ
行ってケーキを受け取った。
「小妹もお疲れさま」
「うん、ところで本当に
FBIに任せて大丈夫?」
小妹はせっかく自分たちでエリックたちを
追い詰めたのに逃げられそうで心配だった。
「もし奴らが国外に出たら、
日本の警察は逮捕できない
もし証拠が出てきて犯人の引渡しを請求しても
FBIはスチュアート議員の
狙撃の容疑で逮捕起訴してしまう
そうなったら、殺された人たちは浮ばれない」
亮は笑って首を横に振った。
「じゃあ、FBIに付かせるのは保険」
「そう、今度は必ず現行犯で捕まえる」
亮は小妹に笑って言った。
小妹は改めて亮の頭の良さに感心し
ますます亮の事が好きになった
「亮大丈夫だよ。ハリーとボビーには
盗聴器と発信機を付けてあるからね」
「でも見つからないか?」
亮はどこに付けたか分からなかった。
「大丈夫だと思う」
「どこに付けた?」
「うふふ、内緒」
「小妹それで分かった事をまとめよう」
「まず私から」
マギーが手を上げて話し始めた
「ハリーは連絡係と武器調達係で昔軍隊の
武器の開発をしていたみたい」
「そんな話を聞いたの?」
亮が聞くとマギーはうなずいた。
「うん、昔武器の手入れをしていて
怪我して右手の人差し指と中指が少し不自由なの
・・・うふふ」
「あはは、あはは」
亮は大笑いをするとみんなが笑った。
「何笑っているのよ?」
小妹だけがきょとんとしていた。
「それでハリーは私に昔話をしてくれたわ、
軍隊のときの話とか
エリックは自分の部下だとか」
「なるほど、ハリーを抑えれば指示を
している人間が分かるわけですね」
「はい、クローゼットに大きな
キャリーケースが有った」
「たぶんその中に麻実さんが受け取ったと
言っていたキャリーケースだと思います」
マギーがうなずくと美喜の方を見た
「次は私です」
美喜が手を上げた。
「ボビーの手と背中にやけどの痕があるので、
職業を聞いたら解体爆破の
仕事をしているって言っていたわ」
「そうか、そういう言い方をするとやはり
ボビーは爆弾のスペシャリストか」
亮は小妹とマギーの顔を見た
「ボビーは意外と正直者かもしれないわ」
美喜が言うと小妹が聞いた。
「どうして分かるの?美喜」
「男ってS〇Xの時って正直になるのよ、
ねっマギー」
「うふふ、アレだけは嘘つけないわね」
マギーは笑いながら言って亮の方を見た
「あはは、確かにそうだ、あの瞬間は嘘つけない」
亮が言うと小妹はまた首を傾げた。
「分からない、でも亮は正直者なんだね。
いつもやっているから」
「そうよ、亮は最高に正直者よ」
美喜が亮の手を握った。
「そうそう、エリックはあの時すごく
女性に乱暴だってボビーは言っていたわ」
「エリックの事は後で麻実さんに聞くとして、
みんな今日はゆっくり休んでください」
「亮、今度一度私といかが?」
マギーが色っぽい目をして亮を誘った。
「はい、プライベートなら」
「もちろんよ。私だってたまには
仕事抜きでやりたいわ」
「はい」
亮が頭を下げるとマギーが
恥ずかしそうに階段を上がっていった。




