謎のシャンプー
美喜は英語で答えた
「良かった、日本人の女性と話をしたかった」
「残念、私は半分アメリカ人よ」
「そうか、道理でスタイルがいいと思ったよ」
ボビーは美喜の全身を舐めるように見た
「ありがとう」
美喜は親しげにボビーの手を握った
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亮はタクシーの中で小妹にメールを送った
「麻実は僕に助けを求めてきた、
彼女を救い出したい」
「なるほど彼女を救い出せば情報が取れるわね」
1921号室の小妹は亮にメールを送った
「小妹、例の目薬を使え」
「了解。亮こっちに何時ごろ来る」
亮はメールを読むと明美の方を見た
「どうしたの?亮」
「いや」
亮は明美と一緒青山の教会でシャンプーを
買うまでは離れられなかった
青山の教会の中には明美が入り口に立っている
若い女性に声をかけるとにっこり笑って
明美と亮を中に通した。
中では男を取り囲んで数人の男女が
本を読みあっていた
「聖書を読む会かな?」
亮が独り言を言うと、入り口にいた女が
「どうぞ」そう言って祭壇の脇のドアを明け
そこにはさっきいた男女とは明らかに
別の人種の男女が数人いた
亮は明美に3万円をこっそり手渡し
それを女に渡すとグレーの250mlの
ボトルに入った。
シャンプーを明美に渡した
二人は無言で教会を出ると
タクシーを拾いに青山通り向った
「やった亮、今夜は楽しめるわよ」
「明美さんこれって麻薬じゃないのかな?」
「そんなことないわよ、麻薬を
わざわざシャンプーにしないわよ」
「そうか」
青山通りを左に曲がり並木橋を抜け
八幡通りを代官山に向かって走った。
「そうだ、あなたに僕の本名を
まだ言っていませんね」
「はい」
「團亮です」
「私は・・・」
明美は躊躇すると亮の首に
手を回しキスをした
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六本木の一文字の部屋では
ジャパンテレビの四条美奈代と
ベッドで抱き合っていた
「ねえ、最近お気に入りの麻実という女は?」
「ああ、別れた」
「あら、また飽きたの」
「いや、あの女は外国人が好きらしい」
「うふふ、大きいあそこが好きなのね」
「最近いい話が無いか?」
「はい、大阪と京都の殺人事件の
情報が入ってきたわ」
「うん」
「大阪の自爆の犯人の体内から
薬物が見つからなかったわ」
「うん」
「よほど強い洗脳を受けていたみたいね」
「京都は?」
「京都の方は狙撃をした場所の
特定ができなくて捜査は難航しているわ」
「ふーん、日本の警察もたいした事は無いな」
「はい、日本はテロに慣れていないみたいね、
お陰で円安もなってしまったし」
「ああ」
一文字は仰向けになってニヤリと笑った。
「日本でこんなテロが起きるたびに
円安が起きたら市場で画策している
人がいるんじゃないかって思われるので
もし今度円安になったら日銀が介入して
すぐに円安を戻す事になるらしいわ」
「そうか、なるほど。するともし
円安になったら1日で戻すと言う訳か」
「はい、たぶん」
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代官山の明美の部屋に向かう
タクシーに乗った亮は
突然変な事を言い出した。
「あのう、僕には霊能力がるんです」
「うふふ、うそ!」
明美は突然冗談を言う亮に驚いた
「あなたの名前は倉沢奈々子さん」
「どこでわかったの?」
明美は亮がどうやって自分の
名前を知ったか不思議になって
体をパタパタと叩いた
「あはは、実はあなたとスタジオDの
ファッションショーで1年前に
会っているんですよ」
「本当ですか?」
奈々子は信じられない顔をして亮の顔をジッと見た
「はい、ディレクターの近藤さんと
話をしていましたね」
「はい、あの後近藤さんはフロアーディレクターに
降格になってしまったけれど
あんなに優秀な人なのに・・・」
奈々子は怒ったように言った
「いいえ、近藤さんが降格させたんじゃ無くて
モデルさんの関係ですよ。
その後僕がディレクションしました」
「あっ、あ」
奈々子は驚いて亮を指差した
「じゃあ、プロデューサーの?」
「そうです。あの時は松平亮です」
「すみません、気づかなくて。
でもどうして外国人メイクなんか?」
奈々子が謝った
「すみません色々事情があって」
逆に亮が謝ると奈々子は笑った。
「うふふ、変な人」
しばらく二人は無言でいるとタクシーは
代官山に着いた
「なんか恥ずかしくなって」
奈々子が亮を誘った事が恥ずかしくなっていた。
「じゃあ、お茶でもしませんか。
ちょっと相談があるんです」
「相談?私にですか?」
「はい」
「じゃあ、せっかくですから私の部屋で」
奈々子の部屋は代官山の駅前にある
高層マンションの18階で3LDKの広い部屋で
OLの給料で住めるような部屋ではなかった。
「何を飲みますか?」
奈々子が亮に聞くと首を横に振った。
「水をいただけますか?」
「水?」
「はい、酔いを醒ましたいので」
「はい」
奈々子は亮が迫ってくる事を
期待したのに水と言われて落ち込んだ
亮は氷の入った冷たい水を飲むと
ブルックの話を始めた
「本当にあなたが・・・彼女の?」
「はい」
「それってすごい、ぜひうちの
レコード会社で販売できないかしら」
奈々子は目を輝かして亮に近づいてきた
「その前に、一つ聞きたいことがあるんですが」
「何?」
「どうしてこんな大きな部屋に
住んでいるんですか?」
「親の持ち物よ」
「なるほど、お父さんはお金持ちですね」
マンションに着いてすぐに森にメールを
送りその返事が森から返ってきた
「倉沢奈々子は水のクラサワと言う会社の娘だ」
亮はそれを読んで納得した
「はい、まあ」
奈々子はちょっと不機嫌になって返事をした
「すみません、ちょっと情報が
流れるとまずいので内密に」
「はい」
「倉沢さん、今度日本にRRレコードジャパンが
できるのでブルックの仕事をしませんか?」
「えっ、本当」
「はい、本当です」
「私をだましているんじゃないでしょうね」
「いいえ、僕がRRレコードの日本代表です」
「うそ!証拠は?」
亮はしばらく考えるとその証明が出来なかった。
「困ったな・・・そうだ。
明日の夜ブルックと食事しましょう」
「わかりました」
奈々子は微妙に微笑んで返事をした
「それと、このシャンプーはとても
怪しいので僕が持って帰って分析します」
「はいっ?」




