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再会

「いつもお会いしていますが、

初めて話しますね。亮と呼んで頂けますか。

色々あったので」

「分かりました、私が相田、運転しているのが

海野で、会長はあ・うん

 と呼んでいます」

「分かりました、よろしくお願いします」

「到着しましたら、会長はお寿司でもと言っていますが?」

「ありがとうございます」

小妹はそれを聞いて小さく手を叩いた。


亮は秀樹へ帰国の報告の電話を掛けた。

「お父さん、今帰りました」

「お疲れ様、千沙子から聞いている、

大活躍だったそうだな」

「そうでもないですけど、明日報告に行きます」

「今夜は?」

「引越しをしなくてはいけないようです」

「なぜだ?渋谷は?」

「まだ渋谷には例の事件があって

あそこへは戻れないんです」


「なるほど、じゃあどこかに用意するか?」

「飯田さんの市ヶ谷の家に住まわせて

貰うことになっています」

「そうか、相変わらず味方が多いな」

「はい、敵も多いですけど」

「うん、気をつけろ」

「はい」


亮は続いて五島商事の内村に帰国の

連絡をした。

「おお、元気だったか?」

「はい、ご迷惑を掛けました」

「まあ、指示が良かったので問題は

無かったが、しかしこの日本で暗殺なんて」


「よほど僕が憎いようです」

「近いうちにうちの会社に寄れないか?」

「はい、そのつもりです。

1つ大きな話があります」

「ほう、どれくらいの規模だ?」

「年商100億円です」


「あはは、では彼女の最終面接

しなければならないな」

「それと理恵さんのお母さんの杏子

に仕事が有るんですけど」

「おいおい、何の仕事だ」

内村は興味が湧いて来た。


「ナチュラル・グリルの冷凍食品です」

「それは凄い!」

日本の冷凍食品も年々売り上げを伸ばしており

さまざまな食品メーカーが冷凍食品を

作っている中、アメリカで人気のナチュラル・グリル

の冷凍食品となれば、爆発的な売り上げが

上がるだろうと内村は予測した。

「わかった、すぐに条件を出してくれ」

「はい、了解です」


~~~~~~

亮の乗った車は市ヶ谷駅から外堀通りを渡り、

坂を上った高級住宅街

の一階が車3台入る車庫の3階建ての

鉄筋コンクリートの家の前で止まった。

「ここ?」

亮があ・うんに聞いた。


「はい」

「でかい、マンションみたい」

亮が言うと美喜は家を見上げた。

「はい、二世帯住宅みたいね」

「はい」

亮たちは鉄扉を開けて階段を

登り二階の玄関を開けた。


「お帰り」

飯田が満面の笑みで亮を迎えた。

「心配おかけしました」

「うん、生きていて良かったよ」

「ここ、凄い家ですね」

「ああ、ここの持ち主は不動産屋を

やっていたんだが、

アメリカの土地投機で失敗して

 オーストラリアに逃げた」


「えっ。じゃあ取立てが来るんじゃ」

「あはは、その取立て屋は私だ」

「はあ」

「安心しろ、ちゃんと名義も変更している」

「はい」


「かなり損をしたんじゃないですか?」

「それが、お前さんに言われた通り株を運用して

 儲けた金で埋め合わせができた。ありがとうよ」

「飯田さんどれほど儲けたんですか?」

「あはは」

五人は大きな応接セットに座ると

飯田は美喜と一恵と小妹を見ていた。


「あっ、すみません。

こちらが小妹、僕のボディガードです」

「よろしく、小妹です16歳です」

「この娘が、か?」

「はい、カンフーの達人です」

「ほお、よろしく」

飯田が言うと小妹がちょっと頭を下げた。


「こちらが一文字の元秘書、新村一恵さんです」

「よろしくお願いします」

一恵が深々と頭を下げた。

「ん?何処で知り合った?」

「彼女はニューヨークで一文字に

殺されるところでした」

亮が経緯を説明すると飯田が何回もうなずいた。


「はい、亮さんに助けられて」

「うん、それであんたはこっちの」

「僕が殺されそうになった前日に

一文字を裏切って連絡をくれたんです」

「そうか、よしよし」

「私は命を懸けて亮さんに仕えます」

飯田は美喜に笑って挨拶をした。


「こちらが僕のガードをしてくれている

幸田美喜さんで甲賀忍者の子孫です

以前会っていますよね」

「よろしくお願いします」

美喜が頭を下げると飯田はニコニコ笑って

手を広げて部屋を指さした。


「5LDKで家財道具や電気器具、パソコン

など全部揃っているし

Wi-Fiも繋がっているから

書斎で仕事が出来るぞ」


「はい、ありがとうございます。

ここなら一恵さんと小妹も一緒に住めます」

「楽しそうだな」

「お母さんも一緒に住もうよ」

小妹が懐っこく言うと飯田は小妹の頭を撫でた。


「ありがとうな、でも私も家に家族がいるから」

「えっ?家族ですか?」

亮は初めて聞いた話に聞きなおした。


「ああ、犬が5匹と猫が3匹。

他にも鶏も飼って、

野菜も作っているんでな。あはは」

亮は聞いた事が無かった

飯田の私生活が謎に思えた。


「飯田さん、そのアメリカの土地の話を

知っていたら聞かせてください」

「ああ、その土地も私が権利を持っているぞ。

まあサボテンだらけのアリゾナの砂漠らしいが、

石油が出るといわれて買ったそうだ。

後でGoogleearthで見ると良い」


「サボテンか・・・分かった」

亮はサボテンの事が気になっていた。

「さっそくだが、仕事の話を進めないとな」

「はい、すみません。まずキャバクラの方は」

「もう内装ができているから、

後はホステスと従業員の募集だけだ。


渋谷の美容院の方もあらかた終わっていて、

明日ジュディさんが来る、お前さんの仕事は?」

「あはは、DUN製薬は松平亮の

死亡退社になってしまったので、

明日からそちらへ」

「そうか、そうか」

飯田は亮と一緒に仕事ができる事で

ご機嫌になっていた。


~~~~~~~~~~~~

一文字は六本木の事務所に六人の牧師を集めた。

その牧師達はNEL教団から派遣され

全員30代の白人の背の高いイケメンで

片言の日本語を話すことができた。


「明日からみなさんにそれぞれ

6ヶ所の教会に行ってもらう

そしてステファノス教祖が来日する

1ヶ月後までに1万人を集めてもらいたい」

「はい」


六人は自信ありげに返事をすると一文字は命令をした。

「新宿、渋谷、六本木で遊んでいる女達を使って

 人を教会に送り込む、必ず入信させろ」

「分かりました」


一文字が会議室を出ると千野が待っていた。

「会長、使えそうな女をそろえました」

「よし、そいつらをすぐに天国に行かせてやれ」

「はい」


「そして、ヘブンシャンプーを売らせろ」

「分かりました」

一文字は麻薬の入りのシャンプーを遊んでいる女達に

使って中毒患者して男を誘惑して

教会に連れて行き、麻薬入りシャンプーを

売らせる流れを考えていた。


~~~~~~~~~~~~

亮と一恵と小妹はそれぞれに部屋に荷物を置いて

リビングに戻ると飯田は亮たちを食事に誘った。

「さて、寿司でも食べに行くか。

和食は久しぶりだろう亮」

「はい、ご馳走様です」

亮はMIYABIで和食を食べたが日本の寿司に

うれしそうな顔をした。


「飯田さん、お二人が会長と呼んでいますが。

社長さんは?」

「うん、社長になるやつからまだ

承諾を取っていないんだ」

「そうなんですか、決まったら

挨拶をしなくてはいけませんね」

「ああ、そうだな」

飯田は亮の肩を叩いた。


あ・うんを含めた七人は歩いてすぐの

神楽坂の寿司店で食事をしながら

今までの経緯を飯田に話をした。

「たいへんだったな、お前さんの手紙が無かったら

本当に死んだと思っていたよ」

「すみません、いきなり後ろからナイフで

襲ってきたので」


亮は美喜に言われて防刃シャツを着ていたので

首筋だけの傷で済んでいた。

「ところで、他に生きているのを知っているのは?」

「僕の家族と内村社長とジュディ、直子さんと

智子さん上原さんそして絵里子ママです」


「そうか、すぐに絵里子さんの

所へ寄ってやったほうがいい

 心配しているはずだ」

「はい、そのつもりです」

「じゃあ明日、三人で私の事務所に来てくれ」

「はい」


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