EMP爆弾
「マギー!」
「はい!」
マギーは与謝野を取り押さえ
亮は谷垣の持っていたピストルを
取り上げ腕を抑えた。
「大丈夫?」
「小妹、自殺できないようにしろ!」
「はい!」
桃華は血を流して倒れている男を指さした。
「亮、こっちの男は後ろから
頭を撃たれて死んでいるわ」
小妹は谷垣の両手を押さえると
タオルを谷垣の口に突っ込んだ。
与謝野の遺体を確認した小妹が言った。
「仲間割れ?」
蓮華にタイラップをはめられている
谷垣を亮が顔を睨みつけると
その下で大きなダンボール2つ程の
スチール製の箱からカチカチと音がしていた。
「本当に爆弾のタイマーが動いている」
亮はスチール製の箱に赤いデジタルカウンターが
からカウントダウンをしていた。
「小妹、美咲さんに電話をかけて10km以内の
避難を指示、旅客機の飛行中止
桃華は乗ってきたボートで並走、
蓮華は三浦半島沖に向って全速力で行け」
「了解」
みんなが返事をすると
「亮、どうなった?」
「ロビン、犯人は全員捕まえたやはり爆弾が
ボートに積んであった、しかもタイマーが動いている
・・・あと20分」
「分かった、爆弾のムービーを撮って
パソコンに送ってくれ」
「了解、小妹のスマフォを貸してくれ」
亮はロビンにムービーを送った。
一方、ロビンはそのムービーを
クリスに転送をかけると
すぐにクリスから返事が帰ってきた。
「ロビン、その爆弾はEMP(電磁波爆弾)だ
中心部に雷管が入っていてそれを
核物質が囲んでいて爆発によって
ガンマ線と強力なパルスを発生させる。
そして半径10kmの車、鉄道、飛行機。鉄塔
、アンテナのようなあらゆる金属に落雷の
ように電磁波が降り注ぎすべての電子機器を破壊する」
「という事は大変な事になるぞ、それで解除方法は?」
「うーん、亮と直接話をして指示したい」
「分かった、3分待ってくれ。
クリスのチャットを亮のスマフォに飛ばす
WEBカメラとマイクを用意してくれ」
「了解」
「亮、今からクリスのWEBカメラを携帯に
飛ばす直接話して解除をしてくれ」
ロビンはクリス亮の回線をつないでいた。
「クリス?あのクリスですか?」
「ああ、今アメリカ軍武器科で
爆弾の研究をしている」
「でも、僕は彼を」
「いや、亮の証言でクリスはテロリストで
はなく利用されていた事がわかって
軍の研究所に入れたんだ、感謝している」
「そうですか」
「3分でクリスと話せるようにする、
それまで爆弾の周りのカバーを
はずしておいてくれ」
「了解」
~~~~~~
小妹から連絡を受けた美咲は父親の原巌に
話をし航空機の運行を止めた。」
「しかし、話には聞いていたが
EMP爆弾というのは本当か?」
「ええ、亮の事だからきっと
爆弾を解除すると思うけど・・・」
「分かった」
「亮は被害の少ない三浦半島沖に
全速力で向っています」
「亮君はどうするつもりだ?」
原巌は手を握り締めた。
「お父さん、アメリカ軍には
どのように連絡をしましょう?」
「うん、彼らには防衛省を通じて連絡をしたところで
情報が伝わった頃にはもう終わっている」
「ええ、防衛省の連絡の遅さには驚くわ」
~~~~~
亮は工具で爆弾の解体を始めていた。
「亮、聞こえるか?」
「はい聞こえます、クリス」
「こっちは映像も見えるぞ、
カメラを爆弾の方に向けてくれ」
亮の脇にいるマギーがスピーカーフォンの
声を聞いて爆弾の方にカメラを向けた。
「OK、見えた。これは間違いなく
EMP爆弾だ。まずタイマーのネジをはずして
持ち上げてくれ」
亮と小妹がドライバーで4本のネジを
はずすとコードが2本見えてきた。
「OK、その下にあるカバーをはずしてくれ、
タイマーに付いている赤いコードの先が電源に
繋がっている」
亮はそう言われて電源を確認した。
「亮、聞いてくれ。その爆弾は
途中解除できないように
電源は直列につないであって故意に断線
させるとすぐに爆発する。だから映画で見るような
コードを選んで切って1秒前
にタイマーが止まる事は無い」
「了解、つまりこの奥にあるバッテリーを
取り出すしか方法は無い訳ですか」
「ああ」
「この爆弾の重さは?」
「金属の材質によるが約400kg」
その時「ウーン」というモーターが回る音が始まった。
「クリス、モーターが回る音がする」
「それは、爆弾を取り囲んでいる外側の電磁石が
動き出したんだ、残り時間10分しかない」
「クリスつまりこの爆弾は中心に雷管があって
その回りに核融合爆弾その周りに磁石という訳ですか」
「そうだ、ただ放射能はほとんど出ない」
亮はあと10分で一番下にあるバッテリーに
手を届かせ、それをはずす自信が無かった。
「ありがとう、クリス。ここにある
道具ではこれ以上の解体は無理だ」
「分かった、すぐに脱出してくれ」
亮はカメラに向って親指を立ててスマフォを切った。
「小妹、スマフォをビニールに入れて、
デッキに連れ出してくれ」
「了解、脱出するのね」
「うん」
亮はうなずくと
「蓮華、三浦半島の1km先に向けて全速前進」
「了解!」
「マギー船底のエンジン室のバッテリー
からこっちまで電源を引いてくれ」
「了解」
マギーはキャビンの床の蓋を
開けて中に入って言った。
そして亮はたくさんある色のある
コードを引っ張り出しビニールを
ラジオペンチでむき始めた。
「亮、もうすぐ東京湾の外に
出るから波が荒くなるわ」
蓮華の大きな声が聞こえた。
「分かったすぐに停止、四人の男たちを
桃華のボートに移動してくれ」
そう言うと船は急にスピードを
落とし蓮華が外へ出て行った。
~~~~~
「ボートが二艘並んだ亮たちはクリスが
言ったように脱出するつもりだ」
衛星で監視していたロビンが大声で叫んだ。
「そうよ、もう無理をしないで逃げたほうがいいわ」
玲奈と麻実は手を合わせてモニターを見つめていた。
「残りあと7分・・・今なら間に合う・・・」
ロビンはそう言って手を合わせジッと見つめていた。
~~~~~
「亮バッテリーからコードを引っ張ってきたわ」
顔が油だらけのマギー笑って亮に言った。
「ありがとう、でも何をする
つもりもう時間が無いわ」
「ええ、でもまだ時間がある。
最後まであきらめない」
亮はビニールをはがしたコードを
素手で一本一本触り出した。
「うっ」
亮は声を出した。
「亮、それって感電する」
マギーが声を出した
「亮!男どもは隣の船に移動したよ」
小妹の声が聞こえた。
「じゃあすぐに船を動かしてくれ、全速前進」
「ええ!亮脱出しないの?」
小妹が亮のもとに駆け寄った。
「いいから言う事を聞け!」
亮の始めての出す命令調の声に
蓮華は船を走らせた。
「良いか、この船を沈める。この部屋のつまり
船首の船底に穴を開けて一気に沈める」
「なるほど、海の中なら被害が少ない」
小妹が納得をすると
「さあ、その辺りの道具で穴を開けるんだ」
亮はそう言って再びコードを触り始めた。
「亮、プラスチック爆弾がまだ有るんだけど使う?」
マギーが笑いながらウエストバックから
プラスチック爆弾を取り出した。
「マギー早く言ってくださいよ、すぐにセット」
亮の指示で蓮華と小妹はベッドルームの家具を退かし
マギーは爆弾のセットを始めた。
「おお、これだ」
亮は裸のコードを1本1本触って
電流の違いを調べていて
そこにマギーがエンジン室から
引いてきたコードを接続した。
「亮、爆弾セット完了」
マギーが親指を立てた。
亮は機関室から来ている電源をつなぎ
電流を流した。
「亮、どうするつもり?」
小妹が聞くと
「モーターに過電流を流して
ショートさせて電磁石を壊す」
亮が答えるとモーター回転数が上がり
「キーン」と言う音を発した。
「回れ!回れ!」
400kgのEMP爆弾が小さく振動を始めた。
「亮、時間があと5分、爆弾を
爆発させないと脱出できないわ」
プラスチック爆弾のスイッチを持っている
マギーがタイマーを持って言った。




