救出
「了解、ありがとう玲奈」
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「小妹、蓮華、桃華、船が止まったので亮が動くわ」
一恵が言うと桃華が心配して言った。
「亮、私たちが着くまで待てないかしら」
「今日の亮は待たないと思うわ、
さっきの男手首が折れていた」
蓮華が首を横に振った。
「普段あんなに優しい人なのに・・・」
小妹は冷静な亮が人の手を折る
なんて信じられなかった。
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デッキで周りを見渡していた
大島は明るく照らされている
八景島を眺めた。
大島は首筋に痛みを感じると
めまいを感じ気を失った。
「久々登場、ソルト銃登場」
亮は大島を倒すとデッキに
身をかがめた。
「あと、三人」
亮は体を屈めて小窓からキャビンの
中を覗いた。
谷垣は操舵席に座り、その下の右側に
雪と美喜が両手両足を縛られ
椅子に座らされ、その反対側に
古森が銃を持って座っていた。
「与謝野が見えなかった」
与謝野が見えなかった事に亮は
不安感を感じていた。
「大きな音がしたぞ古森、
外を見て来い。いや俺も行く」
古森と与謝野はピストルの
安全装置をはずしスライドを
させキャビンの外に出た。
亮はそれを見てドアを開け
キャビンに入ると操舵席から降りて
雪と美喜にピストルを向けていた
谷垣に飛び掛り手首を逆に捻って
ピストルを奪い腕を首に回し
スリーパーホールドを掛け
谷垣は苦しくて声も出ずバタバタと
手足をバタつかせると次第に
体の力が抜け気を失った。
亮は口元に人差し指を立てて
声を出さないように指示をすると
すぐに雪と美喜の手と足のロープを切った。
二人は亮に抱きつこうとすると
「雪さん、僕が外に出ますからその後ろ
から海に飛び込んでください。
岸まで300mです」
「でも、私水着持っていないわよ
ブラを付けていないし」
雪が真顔で言った。
「でも素敵な胸だから岸に着いてから
考えてください。すみません」
亮はどうしていいか困った
「だってTバック恥ずかしい」
「あはは」
亮はこんな時に冗談の言える雪は
流石だった。
「私は全裸でも良いわよ」
「美喜さん・・・」
~~~~~~
「亮が敵の一人を倒したぞ!」
映像に映っているロビンが声を上げると
「裕子です。金沢八景に着きました」
「裕子さん、岸から300mの所に船が
止まっています」
玲奈が伝えた。
「私ももうすぐ到着します」
一恵が言った。
「私達も200mの所に着いている。
蓮華で泳いで亮の所に行きます」
小妹は玲奈に言って亮のいるボートに
向かって泳ぎ出した。
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「大島!どうした?」
与謝野はデッキに倒れている
大島のところに駆け寄った。
「古森、周りに注意しろ!」
「はい」
古森は目を凝らして周りを
見渡した。
与謝野は大島の顔を叩くと
大島は大きく息を吸った。
「大島どうした?」
「急にめまいがして」
与謝野は大島がインスリンの影響で
自分で体を動かす事が出来ない事に
気付いていなかった
「今、キャビンに運んでやる」
与謝野はそう言うと古森に指示をした。
亮は谷垣の首元にインスリンを打ち、
イスの後ろに谷垣を隠した。
「亮、準備が出来たわ」
雪と美喜は袋の中に有ったブラを付け
て亮の前に立った。
「美喜さん、時計は?」
「黒いシャツと黒いパンツの男が取ったみたい、
大島って呼ばれていた」
「あの男か・・・」
古森と与謝野が大島を抱きかかえると
ポケットから亮の時計が落ちた。
それに気づいた与謝野は
「大島、これはどうした?」
「すみません、妹が付けていた時計で
良い物だったので、すみません」
「そうか」
与謝野はニヤニヤして自分の腕に付けて
ジッとそれを見た。
「これロレックス・コスモグラフ・デイトナ
オイスター・アイスブルーだ」
「高いんですか?」
古森が聞いた。
「うん、2500万円だ」
「そんなに高いんですか?
フェラーリを腕に付けている
ようなものですね」
「ああ、そうだ」
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「さあ、行って」
亮は雪と美喜を船尾から海に
入れた。
「音が出ないようにしばらくは平泳ぎで」
「了解」
二人は金沢八景島の明かりに
向かって泳ぎ出した。
「船から二人が泳ぎ出した。
誰か救助に向かって」
モニターを見ていた麻美が声を上げた。
「裕子、了解」
「私は車で待機します」
一恵は車に積んであるタオルを用意した。
裕子はライダースーツを脱ぎ海に
飛び込んだ。
状況を知らない、小妹と蓮華は
船に着こうとしていた。
「おい、谷垣」
与謝野は谷垣を探した。
「古森、谷垣が居ない」
「えっ?」
古森はキャビンの中を探すと
人質二人の姿が見えない事に
気が付いた。
「与謝野さん、女もいません」
「何だって!」
与謝野はピストルを持って構えた。
「古森もピストルを持て」
「はい」
古森もピストルを持って安全装置を外した。
亮は船尾から腰を下げて
キャビンに向かった。
亮はデッキに出てきた古森を
横から飛び掛かり口を押え
スリーパーホールドで
古森を落した。
「後一人」
亮は与謝野を探した。
「手を挙げて頭の後に回せ」
後ろから声が聞こえ亮の背中に
硬い物が押し付けられた。
亮は手を挙げると左手を見た。
腕に付けていた腕時計は
正にキャシーに貰ったものだった。
「良い時計していますね」
「ああ」




